みそ汁でも煮ものでも、だしがきいているのといないのとでは、驚くほどおいしさが違いますよね。このおいしさのもとになる“うまみ”にはどんなものがあるのでしょうか。じつはトマトにも“うまみ”成分が含まれているって知ってた? 知っているようで知らない“ダイエットに役立つ栄養クイズ”、今回のテーマは「うまみ」です!
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【問題1】
三大うまみ成分は、イノシン酸、グルタミン酸、あともうひとつは次のうちどれ?
□コハク酸
□アルカリ酸
□酢酸
□グアニル酸
答えは……?
「グアニル酸」です。
「グアニル酸」は、干ししいたけなどのきのこ類に含まれています。生のしいたけには、ほとんど含まれず、乾燥させることで酵素が働いて、「グアニル酸」が増えます。「グアニル酸」はビタミンDを多く含んでいるため、カルシウムの吸収力を高める効果もあります。干ししいたけは、日本料理のルーツでもある精進料理のだしをとるために欠かせない食材ですが、庶民が日常的に口にできるようになったのは昭和に入ってから。それまではなかなか味わう機会のない、高級食材だったのですね。
三大うまみ成分のひとつ「グルタミン酸」が主に含まれているのは、次のうちどれ?
□ごぼう
□あさり
□昆布
□もずく
「昆布」です
三大うまみ成分の中で、「グアニル酸」は、問題1でも見たように、干ししいたけに含まれており、「イノシン酸」が含まれているのは、主に動物性の食材で、かつお、かつお節、いわし、さば、肉類などです。そして「グルタミン酸」が豊富に含まれているのは、上記の中では「昆布」。そのほか、トマトや玉ねぎなどの野菜や、チーズなどにも含まれていますので、さまざまな食材を組み合わせることによって、うま味が広がり、料理の味わいが深くなるといえます。
だしをとるときに、2種類以上のうまみ成分を組み合わせることで、うま味がさらに増すことを何と呼ぶ?
□対比効果
□ダブル効果
□相乗効果
□増強効果
「相乗効果」です
うまみ成分を組み合わせて使うことで、うまみに、より深みが出ておいしくなります。この効果をうまみの相乗効果と呼びます。たとえば、かつお節でとっただしにしょうゆを加えることで、さらにおいしさが増します。これは、しょうゆに含まれる「グルタミン酸」が、かつお節の「イノシン酸」と組み合わさった“相乗効果”により、さらにうま味が強くなるからです。また、3つのうまみ成分の組み合わせを、とくに、“うま味の方程式”“うま味のトライアングル”などと呼ぶこともあります。
昆布の表面についている白い粉は、何?
□アスパラギン酸
□キシリトール
□マンニット
□オリゴ糖
「マンニット」です
昆布の表面についている白い粉は、汚れやカビではなく、「マンニット」または「マンニトール」と呼ばれる、糖類の一種です。海水の塩分が作用して昆布の中にできた成分が、乾燥によって浮き上がり、結晶となったものです。甘みを作り出す「マンニット」は、グルタミン酸と並んでおいしさの素となるもので、水で洗い落としてしてしまうと、おいしさが逃げてしまいます。昆布を使用する際は、かたくしぼったぬれ布巾などで表面を軽くふく程度にするのが、昆布のうまみを活かすコツです。
日本人が「うまみ成分」を発見したといわれています。今から約何年前のこと?
□100年前
□300年前
□500年前
□800年前
「100年前」です
「うま味」成分は、今から約100年前に日本人の池田菊苗(きくなえ)博士が、発見したといわれています。旧東京帝国大学(現在の東京大学)卒業後、ドイツへ留学して物理化学を修めた池田博士は、1907年、以前より関心のあった昆布のうまみ成分についての研究を始めました。試行錯誤の末、1908年に昆布だしのうまみ成分が「グルタミン酸」であることを発見。これを「うまみ」と名づけ、今やうまみは「UMAMI」として国際的にも通用する言葉になっています。