鉄分が不足すると起きる「貧血」は、立ちくらみやめまい、頭痛など、さまざまな症状を引き起こします。少しでも効率よく食事から鉄分を摂取して、貧血の防止に努めたいものですが、じつは鉄分は体内への吸収率があまりよくない栄養素。その吸収率を少しでもアップするために組み合わせるとよい食べものは? また、貧血の防止に効果的な、「鉄」以外の栄養素って知ってる? “ダイエットに役立つ栄養クイズ”、今回のテーマは「貧血」です。
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【問題】「貧血」によい栄養素と言えば、「鉄分」。次の野菜のうち、いちばん多く鉄分を含む野菜はどれ?(100g当たり)
□ほうれん草
□にんじん
□ブロッコリー
□モロヘイヤ
正解は…………?
「ほうれん草」です。
上記の野菜100g当たりに含まれる鉄分の量は「ほうれん草」2.0mg、「にんじん」0.2mg、「ブロッコリー」1.0mg、「モロヘイヤ」1.0mgです。「貧血」予防には、鉄分がよいということを知っている人は多いかと思います。鉄分は、酸素を全身に供給する役目があり、不足すると、貧血以外に、疲れやすい、頭痛、食欲不振などの症状が現れることがあります。野菜の中では青菜に多く含まれており、ほうれん草、小松菜、菜の花、かぶや大根の葉などにも含まれていますので、疲れやすく感じる人は積極的に食事にとり入れましょう。
鉄には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。「非ヘム鉄」が含まれるのは、次のうちどれ?
□がんもどき
□レバー
□あさり
□卵黄
答えは「がんもどき」です
鉄には、動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」があります。「ヘム鉄」を多く含む食材はレバー・赤身肉・魚介類など。「非ヘム鉄」は、青菜類・海藻類・豆製品・雑穀類などに含まれています。「ヘム鉄」は、吸収率が23~30%ほどですが、「非ヘム鉄」の場合は、5%ほどと言われています。少しでも効率よく鉄分を吸収できるようにするには、何と一緒に鉄分をとるか、が大切になってきます。その組み合わせについては、次の問題へ!
鉄分を体に摂取するときに、吸収率を高める食べ合わせがあります。その合わせ方として正しいのは、次のうちどれ?
□鉄+「ビタミンB1・カルシウム」
□鉄+「たんぱく質・ビタミンC」
□鉄+「食物繊維・ビタミンE」
□鉄+「ビタミンD・カリウム」
答えは「鉄+「たんぱく質・ビタミンC」」です
先ほどの問題でもふれたように、鉄分は、もともと吸収率があまりよくありません。そこで、少しでも効率よくとるためには、食べ方に工夫が必要です。「たんぱく質」や「ビタミンC」は、鉄分の吸収を助けてくれる効果がありますし、「たんぱく質」はさらに、造血機能に欠かせない栄養素でもあります。赤身のお肉と一緒に野菜サラダを添えたり、玄米ごはんに五目豆や海藻を使ったみそ汁などを組み合わせたりすると、鉄分を少しでも効率よく摂取することができます。
「貧血」を防止するためには、鉄分以外にも大事な栄養素があります。その栄養素として当てはまらないものは、次のうちどれ?
□葉酸
□ビタミンB2
□ビタミンB12
□マグネシウム
答えは「ビタミンB2」です
鉄以外にも造血作用のある栄養素があります。「葉酸」は、ビタミンB群の一種です。新しい赤血球を正常に作り出すために必要で、「造血のビタミン」とも言われています。「ビタミンB12」は、「葉酸」と協力して悪性貧血を防ぐほか、神経や脳の機能を正常に保つ働きもあります。「マグネシウム」などのミネラル分は、体の構成成分になる大事な栄養素となりますので、貧血予防に欠かせません。
摂取した鉄分の吸収を妨げる成分を含む食材があります。注意が必要なものは、次のうちどれ?
□きな粉
□かき
□にんにく
□緑茶
答えは「緑茶」です
たんぱく質やビタミンCのように、.鉄の吸収をよくする栄養素もあれば、逆に吸収を妨げる成分もあるので注意が必要です。コーヒーやお茶に含まれる「タンニン」がそのひとつ。タンニンを含む食品は体内で鉄と結びついて「タンニン鉄」となり、吸収を妨げるとされています。大量に摂取しなければ、問題はないとも言われていますが、気になる人は、コーヒーや緑茶を飲むときは、食事と少し時間をずらすようにするとよいでしょう。