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A~D、じつはすべてグッドチョイス(=便秘の原因)です!
【便秘の原因とは?】
4つの選択肢のすべてが便秘の原因です。これも一部で、全部で12の原因があると言われています。まずは、便秘とは何か、その定義をおさらいしましょう。
●便秘とは……
便通が週3回未満であること。3日以上あっても困難症状を伴う場合は便秘となります。「困難症状」というのは、たとえば、便が硬い、頻回便(ちょちょこトイレに行く)、残便感、コロコロ状の便、腹部膨満感、お腹が痛い、ガスがたまるなど。
それでは、便秘の原因についてご紹介します。原因を知れば、解決への手がかりもつかめます。便秘に悩む人は、心当たりがないかチェックしてみて。複数の原因が重なる場合がほとんどです。
〈1〉水分不足
便秘の原因としてとても多いのが「水分不足」。便のほとんどは水分ですが、ダイエット中で食事量が少ない、汁ものを飲まないなど水分が不足すると、便秘の原因に。またコーヒーのとりすぎは、カフェインによる脱水を起こし、水分が不足する原因になります。
〈2〉食事量の不足
これもダイエット中によく起こります。食事量が少ないと、直腸に便がたまるまで時間がかかるため、便の水分が必要以上に吸収されてコチコチになり、硬い便、うさぎのようなコロコロ状の便になってしまいます。
〈3〉食物繊維不足
食物繊維が減ると便のかさが減って便秘に。また、食物繊維の中でも水に溶けない不溶性のものばかりだと便秘になるケースもあります。
食物繊維には不溶性と、水に溶ける水溶性があり、理想の割合は7:3。不溶性食物繊維は穀物や野菜などに含まれ、便の量を増やす役割があります。一方、水溶性食物繊維は、こんぶ、わかめ、こんにゃく、大麦、きのこなどに含まれ、老廃物や有害物を吸着して外に出す働きをします。前者はサラダなどでたくさんとっているけれど、後者をとっていないケースがとても多いので、自分の食生活を振り返ってみましょう。
〈4〉脂質不足
脂質は腸内のすべりをよくして便通を促す働きがありますが、ダイエットなどで脂質を制限しすぎていると、便がスムーズに出てきません。
〈5〉黄体ホルモンの影響
生理不順、生理前、妊娠など、ホルモンの影響で便秘になりやすいことがあります。これは仕方がないことですね。
〈6〉ストレス
ストレスが大きくなると、腸の一部が痙攣し、過敏になり、便秘になることがあります。引越し後、旅行中、会議の前など環境が変わるときにも起こりやすいといえます。
〈7〉睡眠不足
睡眠中は副交換神経が優位になって腸の働きが活発になります。睡眠時間が平均5時間以下の場合、腸の働きに影響を与え、便秘を引き起こすことも。
〈8〉服薬の影響
鎮痛剤や抗うつ剤が影響すると言われています。これは治療のためですから仕方がないといえるでしょう。
〈9〉運動不足
運動は腸に刺激を与えて、腸のぜん動運動を促します。ウォーキングや筋トレをしていないと便秘につながる場合もあります。
〈10〉腹筋が弱い
あまりにも腹筋が弱くて便を押し出す力がないという人もいます。姿勢の悪化も影響します。加齢とともに腹筋は弱くなっていくので注意が必要です。
〈11〉排便をあと回しにする
便意を感じたときに、忙しいからといってあと回しにすると、「直腸に便がたまった」という感覚に対して鈍くなり、便秘に。保育士、看護師、キャビンアテンダントなどの職種の人に多いようです。排便は朝がベスト。朝、家にいる間に排便タイムを作ることが大事です。
〈12〉病気
腫瘍や炎症が原因で便秘になることも。これは病気の治療が必要です。
取材・文/野上 郁子 イラスト/たなか のりこ