美容と健康によいと評判のアボカド。最近では抗酸化作用によって悪玉コレステロールを減らすという働きが報告されていますが、さらに海外の研究において1日1個のアボカドが、いまいましい内臓脂肪を減らしお腹のまわりをへこませてくれるという検証結果が発表されました。
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脂肪への効果を細かく分析
お腹の脂肪とひと口にいっても、皮下脂肪と内臓脂肪があり、過去の研究から内臓脂肪のほうが健康に悪影響が大きいことがわかっています。今回の研究で注目されたのは、この内臓脂肪への効果です。
これまでもアボカドが体の脂肪を減らす効果をもつことは注目されてきました。たとえば、アボカドには食物繊維と一価不飽和脂肪酸(オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸などの成分)が多く、日常的に食べている人はお腹に脂肪がつきにくい、太りにくいという研究結果が出ているのです。
今回、イリノイ大学など米国と英国の研究グループは、お腹の脂肪を皮下脂肪と内臓脂肪に分け、アボカドの脂肪に及ぼす効果を調べてみました。太り気味(BMI 25以上)の男女105人(25〜45歳、女性61%)を、1日1回アボカド1個を加えた食事をとるグループと、ほぼ同じ成分およびカロリーでアボカドを加えていない食事をとるグループに分け、12週間続けてもらったのです。こうして、食事をとってもらう前後で脂肪の量などを調べて変化を比べました。
内臓脂肪を減らす変化
ここからわかったのが、アボカドを含む食事をとっていたグループの女性は、お腹の内臓脂肪が減ったということ。内臓脂肪と皮下脂肪との比率が変わることで健康的な変化がもたらされるようだと判明しました。男性ではこうした変化は見られず、女性で効果が見られるというのが特徴です。
毎日1個のアボカドを食べることで現れる女性にとってうれしい効果。研究グループはアボカドのもつ効果として重要な発見だと指摘します。メカニズムなどの研究はこれから進められそうですが、ますます人気が高まっているアボカドのダイエット効果は今後も注目されそうです。
<参考文献>
Avocados change belly fat distribution in women, controlled study finds
https://news.illinois.edu/view/6367/907033287
Khan NA, Edwards CG, Thompson SV, Hannon BA, Burke SK, Walk ADM, Mackenzie RWA, Reeser GE, Fiese BH, Burd NA, Holscher HD. Avocado Consumption, Abdominal Adiposity, and Oral Glucose Tolerance Among Persons with Overweight and Obesity. J Nutr. 2021 Jun 30;151(9):2513–21. doi: 10.1093/jn/nxab187. Epub ahead of print. PMID: 34191028; PMCID: PMC8417923.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34191028/