前回、スーパでもコンビニでも1年中買えるバナナは、栄養の面から見ても最強の腸活フードだとお伝えしました。先端が緑がかったグリーンチップのバナナを1日2本食べることで、腸が元気になり、ダイエット効果も期待できます。ではどのタイミングで食べるのがいいのでしょうか。今回も腸のスペシャリスト・小林弘幸先生の『腸を整えたければバナナを食べたほうがいいこれだけの理由 医師も実践している本気の腸活』からお伝えしていきます。
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“バナナファースト”なら続けられる!
ダイエットではベジファースト(食物繊維がとれるサラダなどを最初に食べる方法)が一般的ですが、栄養バランスがよく食物繊維が豊富なバナナも食事前に食べることでダイエット効果が高まります。
「ダイエットに有効な〇〇ファーストはいろいろありますが、ご飯やパンなどの太りやすい食材を含んだ本格的な食事を食べる30分前に、サラダだけを食べるとか、肉だけを食べるというのは、現実的には難しいときもあります。しかしバナナなら、朝起きてしばらくしてバナナを食べて、朝食の用意をして、食べる。ランチで外食する前に、デスクでバナナを食べてから出かけるといったことは、さほど難しくはないのではないでしょうか」(小林先生)
【バナナファーストダイエットのメリット】
◎食後血糖値が上がりにくい
バナナは血糖値をゆるやかに上げる低GI食品。食後血糖値の急上昇を防いでくれます。
◎満腹感が得られる
バナナを食前にしっかり噛んで食べると満腹感が得られて食べすぎ防止に!
◎とにかく手軽
バナナは手軽に食べられるうえに持ち運びも入手もしやすいので、外出先でも取り組みやすい!
バナナを食べるベストタイミングは?
朝昼夜と、それぞれ食べるタイミングによって得られる効果が違います。いつ食べてもいいのですが、ダイエットにはやはり朝が効果的です。
◎朝バナナのメリット
・整腸効果で朝から快腸快便に
・昼食後の血糖上昇を防げる
朝食を抜くと便秘になりやすいといわれています。なぜなら、朝食には自律神経のスイッチを活動モードに切り替える役割があり、食べ物が胃に入ることで腸のぜん動運動も活発になって排便がうながされるからです。さらに、最近の研究では「朝食を抜くと昼食後の血糖上昇を招く」こともわかってきました。高血糖は肥満や糖尿病などの生活習慣病を招く危険があります。
◎昼バナナのメリット
・疲労回復やエネルギーチャージになる
・むくみ解消になる
バナナにはエネルギー源となる糖質と、糖質をエネルギーに変換するビタミンB1が含まれています。活動量が増える昼間に食べることで疲労回復やエネルギーを効率よく補えるのです。さらに、バナナにはナトリウム(塩分)の排泄をうながすカリウムが含まれています。特にデスクワークや立ち仕事など長時間同じ姿勢でいるなどしてむくみやすい人には、昼バナナがオススメです。
◎夜バナナのメリット
・暴飲暴食をストップできる
・イライラをおさえて安眠できる
夕食前にバナナを食べるとお腹が満たされるため、空腹感からくる暴飲暴食を防ぐことができます。また、バナナの甘みが精神を安定させ、安眠を導く効果も期待できます。
「ダイエットという面を考慮すると、バナナファーストで朝と夜に食べる方法をオススメします。特に、朝にはぜひ食べていただきたいです。朝食をとることは、記憶力や集中力を高める効果があり、日中の活動の低下を防ぎますし、自律神経を整えるという面でもプラスに働きます。ただ、大切なのは継続ですので、昼食や夕食の前に食べても、間食や運動前のエネルギー補給として食べてもOK。それぞれのライフスタイルに合わせて、とり入れやすい時間帯に、1日に2本のバナナをとっていただくのがよいでしょう」
ちなみに運動30分前のバナナもパフォーマンスをよくしてくれます。バナナには速やかにエネルギーとなる単糖類と時間をかけてエネルギーとなる小糖類や多糖類が含まれるため、持続的にエネルギーがチャージされるほか、BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシンの総称)というアミノ酸が含まれており、運動中の集中力を上げたり、エネルギー源として筋肉が分解されるのを防いだりする効果があります。疲労感や筋肉痛の軽減にもよいそうです。
バナナを食べるタイミングによっても得られる効果が違ってくるのは興味深いですね。運動習慣のある人はトレーニングの前に摂取するのもよいでしょう。次回は、バナナを活用した作り置きレシピをご紹介します!
参考書籍/
『腸を整えたければバナナを食べたほうがいいこれだけの理由 医師も実践している本気の腸活』(アスコム)
文/庄司真紀