健康や美容に気をつかいたいけれど、甘いものはやめられない! それなら、卵や乳製品などの動物性食品を使わず、体に優しいとされる「ヴィーガンスイーツ」がおすすめ。健康意識や環境問題への関心が高まる昨今、ヴィーガン対応商品は、かつての敷居がやや高く感じるような専門店から、身近なお店へと広がっています。クオリティも、味はもちろん、見た目にもヴィーガン対応とは一見してわからないほど。
今回は、お取り寄せできるちょっとスペシャルなものから、スーパーやコンビニで手軽に手に入るものまで10点を、スイーツライターのchicoさんに紹介していただきました。
Contents 目次
そもそも「ヴィーガン」「ヴィーガン対応食品」とは?
「ヴィーガン(ビーガン)」と聞くと、肉や魚を食べないというイメージがあります。しかし明確にどのようなものであれば食べてもいいのか、逆にどんなものがNGなのか、区別できている人は意外に少ないのではないでしょうか。ここであらためて、ヴィーガンの定義について確認してみましょう。
ヴィーガンとは「完全菜食主義者」ともいわれ、動物性の食品を一切口にしない人のことを指します。NGとされるのは、肉、魚、はちみつ、卵、乳製品。ほかに白砂糖が含まれる場合があります。これは砂糖を精製する際に、牛の骨を使うことがあるからだそう。したがってヴィーガン対応商品には、黒砂糖やきび砂糖、果物の甘みを生かしたものが多いようです。また、なかには小麦粉の代わりに米粉を使うなど、「グルテンフリー」にも対応している商品があります。
とはいえ、ヴィーガン対応をうたっている商品でも、必ずしも小麦粉や白砂糖が使われていないわけではありません。制限がある人は成分表をチェックしてみましょう。
ヴィーガン対応スイーツの、近年の傾向は?
ここ数年でヴィーガンスイーツは広がりを見せており、商品の選択肢も広がりました。その背景には、若い世代にもエシカルな思考が広まり、気軽にヴィーガンのライフスタイルを取り入れる人が増えたことが挙げられるそう。
「まず何よりも、幅広い層の人にとって食べやすい味のものが増えたと思います。実際、食べた後に商品説明を見てはじめて『これヴィーガン対応だったんだ!』と気づくことがあるほどです。
10年ほど前は、まだヴィーガンという言葉がそれほど一般的ではありませんでした。その頃の動物性原料を使わないスイーツと言えば、マクロビオティック(玄米を主食に、野菜や海藻などを副食とする、日本の伝統食をベースとした食事法)を実践する方たちに向けた、かなりシンプルなものが多かったという印象です。それらには素材の味を生かした美味しさもあったのですが、物足りないと感じる方もいたのではないでしょうか。
一方、近年のヴィーガン対応スイーツは、お菓子らしい甘味や香りをしっかり感じられて、見た目にも華やか。リッチなものがたくさん出てきましたね。また、専門店でなくとも、スーパーやコンビニで簡単に購入できるようになったのも、うれしい変化です」(スイーツライター・chicoさん、以下同)
ヴィーガンスイーツはどんな人におすすめ?
「ヴィーガンスイーツはバターや卵を使わないぶん、比較的カロリーも低めという傾向があります。甘いものが食べたいけれど、できるだけ体に負担をかけたくないという方や、ストレスなく食事制限をしたいという方にはぴったりです。
また、食事制限がある方でも食べられるものが多いんです。大切な人たちと、同じスイーツを囲んで楽しみたい、それを叶えられるのも魅力です」
また、健康面だけでなく、動物愛護や環境問題の観点からヴィーガンを選択する人も増えています。スイーツであれば、より手軽にヴィーガンなスタイルを取り入れることができるので、エシカルな行動を始めてみたいという方にもおすすめです。
オンラインで手に入る!
ごほうびにしたい、お取り寄せヴィーガンスイーツ5
開ける前から気持ちがときめく! 開けてぎっしりのクッキー缶
パレスホテル東京「ヴィーガンクッキー缶」4600円(税込)
「近年人気が続いているクッキー缶ですが、ヴィーガン対応のものも少しずつ出てきました。ヴィーガン対応かつグルテンフリーで、小麦粉の代わりに米粉を使用しているので、カリッとした食感が楽しめます。味はプレーン、ショコラ、サレ(塩)の3種類。缶のデザインもとってもかわいいので、贈り物としてもおすすめです」
ドーム型がキュート! 抹茶のムースホールケーキ
野尻ケイク sweets store「玉露抹茶」4460円(税込)
「ロー(低加熱)、ヴィーガン、グルテンフリーをすべてカバーするこの商品。ムースの中にお濃茶のソースと、福井のお店らしく羽二重餅が入っていて、口に入れるとお茶のさわやかな香りが感じられます。同店は他のどのケーキもナチュラルな食材で色鮮やかに仕上げていて、見ていてわくわくするのもうれしいポイントですよね」
レモンが爽やかに香る、グルテンフリーのクグロフ
8ablish「ピスタチオとレモンのクグロフ」4536円(税込)
「エイタブリッシュは、おしゃれで美味しいヴィーガンスイーツの草分け的な存在です。どのお菓子も、味はもちろん、見た目もとてもかわいいです。クグロフは、素材のうまみをしっかり引き出したまろやかな甘み。他にもクッキーなどのパッケージもかわいいので、ちょっとしたお土産にも最適です」
100%ヴィーガンのベーカリーから生まれた、香り豊かなコーヒーロール
Universal Bakes Nicome「コーヒーロール」各380円(税込)
「このお店にあるすべての商品がヴィーガン対応。ドーナツやマフィンなど、バターを使っていないのに、とってもしっとりしています。なかでもコーヒーロールはCAFE FACONのコーヒーを使った豊かな香り。ココナッツミルクを使ったフレンチトーストなど、少しひねりの効いたユニークなメニューもあります」
雪のようにとろける食感が魅力! 罪悪感ゼロなレアチーズケーキ
2foods「プラントベース 炙りレアチーズケーキ」4200円(税込)※2foodsオンラインショップ価格
「2foodsは、『ヘルシージャンクフード』をコンセプトに、プラントベースフードを展開しているブランドです。販売しているスイーツはどれも、動物性原料や白砂糖はもちろん、合成着色料も不使用。それでいて、ちゃんとジャンクらしい味が楽しめるのが魅力です」なかでも同商品は、なめらかなくちどけと、カラメリゼのパリッとした食感両方が楽しめるプラントベーススイーツ。チーズの代わりに豆乳ヨーグルトとココナッツオイルを使用し、チーズの爽やかな酸味を再現しています。
※2foodsではヴィーガンではなく「プラントベース」と位置付けています。
普段のおやつにも!
スーパーやコンビニで買えるヴィーガンスイーツ 5
サクサク軽い食べ心地、全粒粉が香ばしいサブレ
大地のおやつ「ツバメサブレ」421円(税込)※2022年10月1日以降は449円
「国産小麦をベースに、小麦の原種『ディンケル小麦』の石臼挽き全粒粉、てんさい糖、米油などを使った素朴な味わいのサブレです。味は昔ながらのビスケットのよう。全粒粉が香ばしく、優しい甘さで食べ始めたらついつい止まらなくなってしまいます。雑貨店やライフスタイルショップのほか、通販でも購入可能です」
小さくても満足感抜群、普段使いのおやつに最適なチョコレート風味のバー
カルディコーヒーファーム「ビヨウサポート デーツ&カカオバー」185円(税込)
「濃密な甘みがありながらも、後味はすっきり。デーツのフルーティーさとカカオの味わいが見事にマッチしています。1個のパッケージに一口サイズの小さなバーが4本入っており、仕事中の気分転換にちょっと口に入れられる手軽さも魅力。小さくても満足感が高い一品です」
砂糖不使用、フルーツ由来の甘味を使った新食感チョコレート
トム&ルーク「フルーツ&ナッツスナックボールチョコレート」
8個入り 500円(税込)※オンラインショップでは、8個入り×12袋セットで販売
「砂糖やミルクを使わず、栄養価の高いドライフルーツ・デーツで甘みを付けた新感覚のチョコレート。味はフルーティーなダークチョコレートのようなイメージです。ソフトなテクスチャの中にナッツの食感があり、しっかりした食べ応えです。オリジナル、ストロベリー、オレンジの他にミント味を展開しています」
素朴な甘さが癖に! 小腹が満たされるおからのクッキー
TEN-TWO「おからクッキー」302円(税込)
「ざくざくとした食感で食べ応えがあるクッキー。香ばしく、素材のうまみを生かした素朴な甘さが特徴です。おからがはいっているのでヘルシーながらもしっかりお腹にもたまり、小腹がすいた時にもピッタリです。アソートタイプは『紫いも&かぼちゃ(写真)』『ココア&紅茶』を展開しています」
甘酸っぱいフルーツの味わいを手軽に楽しめる、ソフトキャンディ
ジェリーベリー「チューイーキャンディー」184円(税込・ローソン標準価格)
「こんなにカラフルでポップな見た目なのに、パッケージにはしっかりヴィーガン対応マークが記載されています。もっちりしたソフトキャンディで、食べると思いのほかフルーツ由来のさわやかな味。『サワーレモン&オレンジ(写真)』『サワーフルーツミックス』『グレープ』の3フレーバーを展開しており、ナチュラルローソンなどで購入できます」
「スイーツは、お腹ではなく心を満たしてくれるものだと、私は考えています。近年、ヴィーガン対応食品のラインナップがどんどん増えているおかげで『本当はバターや卵をつかったスイーツが食べたいけれど、我慢してヴィーガンスイーツを食べる』というのではなく『単純に美味しいからこれを食べたい!』と思える商品が手に入るようになりました。
その上で、『どうせ食べるなら体に負担が少なくて、エシカルものを』という考えのもと、ヴィーガン対応のスイーツを、普段のおやつの選択肢に加えてみるのもいいのかもしれません。
また、野菜やフルーツなど素材のおいしさをじっくり味わってみるのも、ヴィーガンならではの楽しみの一つ。肩肘を張らず、気軽に楽しんでみて下さいね」
Profile
スイーツライター / chico
スイーツのトレンドに精通し、『anan』や『Hanako』『婦人画報』はじめ多数の雑誌やweb、TVなどでスイーツの記事執筆やセレクト、企画監修、出演等を行うほか、セレクトショップやECサイトのでスイーツ監修も手がける。『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。共著に『東京最高のパティスリー』(ぴあ)。
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