急に寒くなったり、夜暗くなるのが早くなったりして、秋から冬への移行期と感じるこの頃。そんな季節のせいか、最近なんだかやる気がでないし、疲れがとれない…。こんな心身の小さな不調を感じている人は、「煮込みおかず」の力を借りてみるのはいかがでしょう。煮込み料理って温かいお料理なのはもちろん、じつは消化がいいものが食べたいとき、エネルギー補給がしたいときなどいろいろな場面で活躍してくれます。そこで今回は、国際中医薬膳師の齋藤菜々子さんの著書『体にいい煮込みおかず』から、元気が出ない、やる気が出ないといった不調を整えてくれる煮込みレシピを3つご紹介します!
Contents 目次
食材の持つ「薬膳」の効果とは?
日々の食事でみなさんにぜひ意識してもらいたいのは、「薬膳」について。薬膳というと生薬などのイメージが強いかもしれませんが、本来は中医学(中国の伝統医学)の考えをもとに、季節や体調に合う食材選びがなされた食事のことを指しています。薬膳でとくに重視されるのは、病を治すということではなく、その前の「予防」です。
これからご紹介するレシピに含まれる食材も、エネルギー補給や免疫力アップ、消化力アップや精神安定、血液・血量改善など、さまざまな薬膳の効能を持ち合わせているので、ぜひ自身の体調を整えるために活用してみてください!
さば缶のレモンクリームカレー
さばは体が重だるい、疲れやすい、やる気がでない、というときのパワーを補います。さらに血を作り、巡らせる力もあるので、「血」の調子も総合的に整えてくれる食材です。
【材料(2~3人分)】
さば水煮缶…2缶
玉ねぎ…1/2個
(A)
水…50ml
しょうがのすりおろし…小さじ2
にんにくのすりおろし…小さじ1/2
小麦粉…大さじ1と1/2
(B)
牛乳…200ml
カレー粉…小さじ2
塩…小さじ1/3
レモン汁…小さじ2
サラダ油…大さじ1/2
バター…10g
レモン…1/2個
ご飯…適量
【作り方】
(1)
レモンはうすい半月切りにする。玉ねぎはうす切りにする。さば水煮は身を大きくほぐす。缶汁はとっておく。
(2)
フライパンにサラダ油を熱し、玉ねぎを中火で炒める。うすいきつね色になってきたら、(A)を加えてさっと混ぜる。火を止めて小麦粉をふり入れ、粉っぽさがなくなるまでよく混ぜる。
(3)
火を止めたまま、さば水煮と缶汁、(B)を加えて均一になるまで混ぜ、中火にかける。煮立ったら時折混ぜながら、弱めの中火で5分煮る。レモン汁、バターを加えて混ぜる。食べる直前にレモンを加えてさっと混ぜる、ご飯とともに器に盛る。
鶏むねとズッキーニの梅煮
ほてりやイライラ、寝つきの悪さや赤ら顔、腫れを伴うできもの、口内炎などは熱のサイン。ズッキーニは体にこもった熱を冷まし、体液を補ってくれます。
【材料(2~3人分)】
鶏むね肉…1枚(250g)
片栗粉…小さじ2
ズッキーニ…1本
梅干し…1個(25g)
(A)
水…100ml
酒、しょうゆ、みりん…各大さじ1
砂糖…大さじ1/2
ごま油…大さじ1
【作り方】
(1)
ズッキーニは1cm幅の輪切りにする。梅干しは種を除き、小さく切る。鶏肉は皮があれば除き、縦半分にして1.5cm厚さのそぎ切りにし、片栗粉をまぶす。
(2)
フライパンにごま油を中火で熱し、鶏肉を両面に軽く焼き色がつくまで焼き、とり出す。
(3)
(2)のフライパンにズッキーニ、梅干し、(A)を入れ、煮立ったらふたをして弱めの中火で3分煮る。鶏肉を戻し入れ、ふたをして弱めの中火で2分煮る。
タッカンマリ風煮込み
じゃがいもをはじめとするいも類は、薬膳では「補気(ほき)」食材といいエネルギーを補給してくれます。肉類なども強力な補気食材ですが、脂肪がないいも類は消化力が弱い人にも食べやすい食材です。
【材料(2~3人分)】
鶏手羽先…8本
じゃがいも…2個
長ねぎ…1本
玉ねぎ…1/2個
しょうがのうす切り…2かけ
酒…100ml
水…800ml
塩…小さじ1
[トッピング]
にら(5mm幅に切る)
たまねぎのうす切り、酢じょうゆ
練りからし…各適量
タデギ風辛みそ(韓国の味つけみそ)
・コチュジャン、みそ…各大さじ1/2
・にんにくのすりおろし、一味とうがらし…各少々
【作り方】
(1)
じゃがいもは1.5cm幅の輪切りにし、5分ほど水にさらして水気を切る。長ねぎは青い部分はとっておき、白い部分は5cm長さに切る。玉ねぎは4等分のくし切りにする。にんにくは包丁の腹でつぶす。手羽先は骨に沿って2か所に切り込みを入れる。
(2)
鍋に手羽先、水、酒を入れて煮立て、アクをとる。にんにく、しょうが、玉ねぎ、長ねぎの青い部分、塩を加える。煮立ったらふたをして弱火で20分煮る。
(3)
長ねぎの青い部分をとり除き、長ねぎの白い部分、じゃがいもを加え、煮立ったらふたをして弱火で5~6分、じゃがいもがやわらかくなるまで煮る。塩、こしょう(各適量・分量外)で味を調える。器にとり、好みのトッピングとともにいただく。
「なんだか元気が出ない」「寝つきが悪い」「体がだるい」など、この時期心身の不調を感じている人は、ぜひ煮込みおかずをとり入れて体の調子を整えてみてください!
参考書籍
『主菜になるシンプルレシピ 体にいい煮込みおかず』(ワン・パブリッシング)
文/FYTTE編集部