減量やメタボ予防にはヘルシーな食事と運動が大切。ですが、習慣化はなかなか大変です。そんななか、比較的とり入れやすいと注目されているのが、1日のうち食べる時間を限定するインターミッテント・ファスティング。海外研究によると、この断食生活に加えて、高強度インターバルトレーニング(HIIT)に取り組むことでダイエット効果を一層高められると報告されました。これは女性を対象とした研究結果で、参考になるかもしれません。
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食事と運動の工夫がダイエットに有効?
インターミッテント・ファスティングはプチ断食などといわれることもあります。まさに実践中という人もいるのではないでしょうか。取り組みやすい減量法として受け入れられています。実際に体重を減らす効果が研究からも確認されています。さらに体の代謝機能「インスリン感受性」を高められることも示されています。
一方でHIITというのは短時間に高い強度の運動を集中的に行うトレーニング方法です。これが中強度の運動を長く行うのと同様の減量効果が期待できるところから注目されています。こちらもインスリン感受性や心肺機能を高める効果があると注目されています。
今回、ノルウェーとオーストラリアの研究グループは、インターミッテント・ファスティングとHIITの両方を一緒に行った場合に減量効果を効率的に高められるのかを調べました。
具体的には肥満傾向がある女性131人(平均年齢36歳)をほぼ同数ずつ、①インターミッテント・ファスティングのみ、②HIITのみ、③両方を実施、④いずれも実施しない―4つのグループに分けました。そのうえで7週間にわたって減量に取り組んでもらい、その間のBMIや血圧、血糖値、インスリン値などの変化を比べています。断食は1日のうち14時間食べない時間を設ける方法です。HIITは35分のトレーニングを週3回行ってもらいました。
体脂肪と内臓脂肪が大きく減少
こうした研究から確認されたのは、断食とHIITを両方行うことで、ダイエットの効果が高まることです。というのは、断食とHIITのどちらか一方よりも体重、体脂肪、内臓脂肪が大きく減らせるという結果が認められました。特に体脂肪と内臓脂肪の減少幅は2倍以上になりました。また、何もしなかったグループに比べて、長期的な血糖値の状態を示すHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値が低下していたほか、心肺機能を示す最大酸素摂取量も増加していました。ただ、耐糖能(血糖値を正常に保つ能力)や血液中の脂質については、どのグループも大きな変化は見られませんでした。
また研究グループが重要な点と指摘しているのは、今回の研究では、断食とHIITをムリなく続けられた参加者が多かったことです。毎日のカロリー計算や長時間の運動などに比べて現実的にやりやすいダイエット、運動プログラムではないかと研究グループはいいます。たしかにその辺りは一理ありそうなので、ダイエットに取り組む際のヒントになりそうです。
<参考文献>
Haganes KL, Silva CP, Eyjólfsdóttir SK, Steen S, Grindberg M, Lydersen S, Hawley JA, Moholdt T. Time-restricted eating and exercise training improve HbA1c and body composition in women with overweight/obesity: A randomized controlled trial. Cell Metab. 2022 Oct 4;34(10):1457-1471.e4. doi: 10.1016/j.cmet.2022.09.003. PMID: 36198292.
https://www.cell.com/cell-metabolism/fulltext/S1550-4131(22)00393-X
Combining time-restricted eating and HIIT improves health measures in women with obesity
https://www.sciencedaily.com/releases/2022/10/221004121933.htm