骨や歯を形成するのに大切なミネラルと言えば、まず「カルシウム」が思い浮かぶかもしれません。ところが、同じミネラルの仲間である「リン」も、こうした働きをする上で重要な役割を担っています。とはいえ………、「リン」は、大事な成分だからといって、とり過ぎるのもNG。カルシウムとの、理想の摂取バランスを押さえておきたい栄養素なのです! “ダイエットに役立つ栄養クイズ”、今回のテーマは「リン」。理解しづらい栄養素の話も、クイズで答えて知識をゲット!
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問題1 ミネラルの1種の「リン」。成人の体内に占める「リン」は、体重の約何%だと思う?
□約1%
□約5%
□約10%
□約12%
「約1%」です
体内にあるミネラルのうち、リンはカルシウムに次いで多く存在します。カルシウムは体重の1~2%ほど、リンは約1%を占めています。そして体内のリンの約80~85%は、カルシウムやマグネシウムと結合し、骨や歯を形成するという大事な役割を担っています。
問題2 骨の形成に関係している「リン」は「カルシウム」とのバランスが大事です。「リン:カルシウム」の摂取バランスは次のうちどれが理想的?
□10:1
□5:1
□2:1
□1:1
「1:1」です
リンとカルシウムは血液中でバランスを保っています。リンのとり過ぎによって血液中のリン濃度が上がると、このバランスがくずれ、骨から血液中にカルシウムが放出されるため、骨のカルシウム量を減少させることにつながります。理想な摂取バランスは1対1とされています。
問題3 「リン」の含有量が少ない食材は、次のうちどれ?
□プロセスチーズ
□大豆
□トマト
□まぐろ
「トマト」です
リンは、牛乳・乳製品や、メインのおかずになる肉・魚・卵・大豆製品などに多く含まれています。上記の食材の100g当たりの数値は、プロセスチーズ=730mg、大豆(乾)=600mg、まぐろ(キハダマグロ)=290mg、トマト=26mg。野菜などにはリン含有量が少ないので、副菜として食事にとり入れると、リンの過剰摂取にならず全体のバランスがよくなります。
問題4 次の食事のうち、「リン」の含有量がいちばん多いのはどれ?
□ハムサンドイッチ
□ちくわの磯辺揚げ
□厚揚げのベーコン巻き焼き
□はんぺんのチーズ焼き
「はんぺんのチーズ焼き」です
上記の食事に含まれているリンの量は、ハムサンド(ハム40g使用)=153mg、ちくわ磯辺揚げ(ちくわ80g使用)=133mg、厚揚げのベーコン巻き(厚揚げ100g、ベーコン20g使用)=204mg、はんぺんチーズ焼き(はんぺん100g・チーズ20g使用)=256mg。肉の加工品や練り製品などには、「リン」が多く含まれています。また問題3で解説した通り、乳製品や大豆製品にも多く含まれます。 なお、 清涼飲料水などにも多く含まれていますので、手軽にとれる加工品やねり製品と清涼飲料水を組み合わせた食生活に偏ると、リンの過剰摂取につながってしまいます。
問題5 「リン」の1日の摂取基準として正しいのは、次のうちどれ?
□成人男性800mg・女性600mg
□成人男性1,000mg・女性800mg
□成人男性1,500mg・女性1,200mg
□成人男性2,000mg・女性1,800mg
「成人男性1,000mg・女性800mg」です
リンがどのくらい含まれているかを聞いても、目安を知らなければ、多いか少ないかの判断がつきにくいですよね。1日の摂取基準の目安を上記の中で選ぶならば「成人男性1,000mg・女性800mg」。今までにも解説してきたように、リン自体に問題はありません。ただし、食事の内容が加工食品やメインとなるおかずに偏ると、リンの過剰摂取となりカルシウムとのバランスがくずれてしまいます。そこでやはりおすすめなのは、いろいろな食材を組み合わせた手作り料理ということになります。上限は男女ともに3,000mgです。