腸活をしていくうえで、お腹の腸内細菌を増やすためにどんな栄養素をとるとよいのかは、注目のテーマです。このたび海外研究では、食生活が推奨される食事のガイドラインに忠実であればあるほど、腸内細菌はより健康的と報告されました。腸活において参考にしてよいかもしれません。
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腸内細菌を増やすにはどうしたらよい?
食事がビューティやダイエット、そしてヘルスにも重要と認識されるなかで、ふだんの食事は単に空腹を満たすためだけではないというのはもはや常識。ふだん食べるものは、エネルギーや体づくりに必要とされるだけではなく、腸内細菌を育むためにも重要なことがはっきりしています。まさにそれが腸活です。
日本を含む世界各国では、健康を維持し、病気を防ぐための「食生活のガイドライン」がつくられ、これは腸内細菌を健全に保つためにも重要と考えられています。今回、米国イリノイ大学とカリフォルニア大学の研究グループが、食生活のガイドラインに沿った食事を続けると、腸内フローラがどのような影響を受けるのかを調べました。「アメリカン・ガット・プロジェクト(American Gut Project)」という、430人以上の健康な人を対象に、便のサンプルを集め、腸内細菌の構成と機能を解明した研究です。
研究グループは、食事に関するアンケートから食べたものとその量についての回答に基づき、食生活のガイドラインにどれだけ忠実かを判定しました。果物や野菜、全粒穀物、植物性たんぱく質など、推奨されている食べ物を多く含んでいるかを踏まえスコアを算出。スコアの高さで参加者を3グループに分け、腸内細菌を比較しました。
ガイドラインに忠実な人の腸内細菌に差
こうして研究で確認されたのが、食生活のガイドラインに忠実な人は、腸内フローラの多様性が高いこと。
まず、野菜、穀物、乳製品をより多く食べている人では、腸内フローラの多様性が高まる傾向が確認されました。また、野菜、果物、穀物のスコアが高い人では、食物繊維の分解を助ける細菌を多くもっていることもわかりました。研究グループは、これらの結果が、野菜や果物、食物繊維が豊富な食事を推奨する現在の食生活のガイドラインを裏づけるものと強調しています。
研究グループは、食生活のガイドラインを守ることが、腸内細菌のバランスを含めて、健康を守る最良の方法ではと提案しています。日本でも厚生労働省が食事バランスガイドや食事摂取基準が公開されているので参考にしてもよいかもしれません。
<参考文献>
Baldeon AD, McDonald D, Gonzalez A, Knight R, Holscher HD. Diet Quality and the Fecal Microbiota in Adults in the American Gut Project. J Nutr. 2023 Feb 22:S0022-3166(23)12621-6. doi: 10.1016/j.tjnut.2023.02.018. Epub ahead of print. PMID: 36828255.
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022316623126216
How diet quality affects the gut microbiota to promote health
https://aces.illinois.edu/news/how-diet-quality-affects-gut-microbiota-promote-health
「食事バランスガイド」について
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html
日本人の食事摂取基準
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html