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犬を飼うとクローン病に強くなる? 海外研究からわかった意外な関係性

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犬と遊ぶ女性

炎症性腸疾患のひとつで、腸内に炎症が起きるクローン病。原因がはっきりしていない難病ですが、食生活や腸内細菌との関連性が指摘されつつあります。そんななか、犬を飼っているか、子どもの頃に大家族だった人は、クローン病になりにくいという報告がありました。どちらの要素も、腸内細菌の構成や免疫反応と関連したそうです。

監修 : 星 良孝 <ステラ・メディックス>

ステラ・メディックス代表取締役社長/編集者 獣医師  専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修をサポートしている。代表取締役の星良孝は、東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。https://stellamedix.jp

Contents 目次

近親者の発症について追跡研究

犬と女性

クローン病は家族内での発生も見られているため、遺伝要因と食生活などの環境要因が複雑にからみ合って、腸内の環境や免疫反応に異常が起こると考えられています。そこで、クローン病発症につながる要因を突き止めるために、近親者(親子や兄弟姉妹)にクローン病の人がいても自分は発症していない人を対象として、遺伝子や生活環境、食事、免疫反応、腸内細菌などをモニタリングしながら、発症するかどうかを見る追跡研究がカナダや英国などの世界各地で行われています。

今回、この研究にかかわっている国際的な研究グループは、研究参加者4300人近くのデータと生活環境に関するアンケート回答を使って、環境要因の影響を分析しました。アンケートでは、家族の人数やバスルームの数、犬または猫を飼っているかどうか、殺菌処理していないミルクや井戸水を飲んでいるかどうかなどの質問がありました。

猫では効果なし?

犬を散歩させる女性

一連の研究で確認されたのが、犬を飼っている人は、腸の粘膜が健全で腸内細菌のバランスもよく、健康的な免疫反応が見られてクローン病にかかりにくいことです。

この関連性はあらゆる年齢で見られましたが、特に5〜15歳の間に犬を飼っていた人で顕著でした。また、生後1年の間、家族が3人以上だったことも、その後の腸内細菌の構成によい影響を与え、クローン病から保護する効果が見られました。

この関連のメカニズムは不明ですし、記憶に頼るアンケート回答に基づいているので必ずしも確かなデータとはいえませんが、リスクの高さを判断する助けになるかもしれないと研究グループは指摘しています。

また、ペットが猫の場合には特に関連性が見られず、その原因は不明ですが、犬を飼っていると散歩などで外に出る機会が増える点や、緑が多い地域に住む確率が高い点(どちらもクローン病を防ぐ環境要素とする以前の研究結果があるそう)を可能性として挙げています。ペットの飼い方を考えるときに参考にしてみてもよいかもしれません。

<参考文献>

https://ddw.org/2022/05/23/living-with-dogs-but-not-cats-as-a-toddler-might-protect-against-crohns-disease/

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