発酵食品は腸活の強い味方。代表的な発酵食であるキムチもさまざまな効能が伝えられている食品のひとつです。このたび海外研究で、キムチを食べることによるダイエット効果が報告されました。ただし、食べ過ぎると逆効果なので要注意とのこと。発酵食のレパートリーにキムチも入れるとよさそうです。
Contents 目次
乳酸菌が太るのを防ぐ?
キムチの材料は野菜がメイン。食物繊維やビタミンなどの栄養素がたっぷり含まれるうえに、低カロリーであるのが特徴。加えて、豊富に含まれる乳酸菌による肥満抑制効果が動物実験で明らかになっているそう。腸内フローラによい影響をもたらし、体重管理につながるという結果がわかっているのです。
そこで、今回、韓国の研究グループは人間でも定期的にキムチを食べると肥満予防になるのかについて、健康にとって好ましくないウエストまわりの変化も含めて調べてみました。研究に使ったのは、韓国で行われている大規模な追跡調査から11万5000人以上のデータです。
食事のアンケート回答から、前年のキムチの摂取量をタイプ別(白菜キムチ、カクテキ、そのほか=カラシ菜など、水キムチ=ドンチミ)の場合と、合計した場合で算出。1回分の摂取量を水キムチが95g、それ以外は50gとして、1日に食べた回数を1回未満から5回以上までの頻度で5グループに分けて調べました。肥満はBMI25以上、腹部肥満は胴まわりのサイズが男性90cm、女性85cm以上と定め、キムチの摂取量との関連性を分析しました。
塩分に注意して適量を
こうして研究から明らかになったのが、ある程度の量のキムチを日常的に食べているグループでは、腹部肥満や肥満の人の割合が少ないことです。
具体的に見ると、男性では何らかのキムチを1日1〜3回食べていると、頻度が1回未満に比べて肥満の割合が11%低いという結果に。さらに、白菜キムチを3回以上食べていると、頻度が1回未満の人と比べて肥満と腹部肥満の割合がどちらも10%低いことがわかりました。女性では、白菜キムチを1日2〜3回食べていると肥満の割合が8%低く、1〜2回では6%低くなりました。
ただ、すべての分析結果をグラフにすると「J」の形になりました。少量であれば摂取量が増えるにつれて肥満が減るものの、ある程度以上に食べる量が増えるとかえって肥満が増えるという結果です。食べ過ぎると逆に肥満の増加につながるので注意する必要はありそうです。キムチをたくさん食べる人は、ご飯などの炭水化物、脂質などの摂取量も増えて、総カロリーが高くなるせいではないかと、研究グループは考察しています。
さらに、野菜に含まれる栄養素で相殺されがちとはいえ、キムチは塩分も多いため、適度に食べることが望ましいとの指摘です。うまく食事にキムチをとり入れてみるとよさそうです。
<参考文献>
Up to three daily servings of kimchi may lower men’s obesity risk
https://www.bmj.com/company/newsroom/up-to-three-daily-servings-of-kimchi-may-lower-mens-obesity-risk/
Jung H, Yun YR, Hong SW, Shin S. Association between kimchi consumption and obesity based on BMI and abdominal obesity in Korean adults: a cross-sectional analysis of the Health Examinees study. BMJ Open. 2024 Jan 30;14(2):e076650. doi: 10.1136/bmjopen-2023-076650. PMID: 38290970; PMCID: PMC10836382.
https://bmjopen.bmj.com/content/14/2/e076650
発酵食品の秘めたパワーに注目! 海外研究が注目する脳へのよい影響とは?
https://fytte.jp/news/healthcare/189642/