旬は11~2月ですが、いまやどこのスーパーでも手に入り、薬味や付け合わせとしても欠かすことができないネギ。もはや説明の必要もないくらい馴染み深い存在ですが、実は部位によって味わいが「4つ」に異なることをご存知でしたか?今回は、ネギの部位ごとに異なる4つの特徴をご紹介。それぞれに適した切り方と、相性の良い料理も知って、そのおいしさを存分に楽しみましょう。
Contents 目次
部位によって異なる、甘みと辛み
ネギは以下の4つの部位に分けることができます。
①白い部分の下部
②白い部分の上部
③分岐している(白と緑が混ざっている)部分
④緑色(葉身)の部分
①の根元に近い部分には甘みがあり、④の緑色が濃い方にいくほど辛みが強くなっていきます。分岐している部分(ここが味の変わり目)を目安に、上の写真のように4つの部位に切り分けます。それぞれ甘みや辛みの強弱が異なるだけでなく、その特徴を引き出す切り方を覚えれば、味わい深さもいちだんとアップ。<基本編><部位別編>でマスターしましょう。
おいしさを引き出す、ネギの切り方
全部位に共通する切り方<基本編>と、各特徴や相性の良い料理も分かる<部位別編>の2つに分けてご紹介します。
ネギの切り方<基本編>
・繊維を活かして切る/ 繊維に沿って「縦」に切ると、甘みが出る(写真左)。繊維を断って「横」に切ると、辛みや香りが引き立つ(写真右)。
・引き切り/ 包丁を奥から手前に「引きながら」切ると、すっきりした甘みが出る。
・押し切り/ 包丁を手前から奥へ「押し出す」ように切ると、繊維が壊れ、辛みが引き立つ。
ネギの切り方<部位別編>
1.白い部分の下部
【味わいや食感の特徴】
甘みが強く、肉厚で繊維がしっかりしていて、食べごたえがある。火を通すと、とろみのある食感になる。
【おすすめの切り方】 ※上の写真で、下段左から
・せん切り(白髪ネギ)/ ハリのある外側の部分を使う。
・縦割り/ 内側を使う。汁ものに入れる場合は、さらに縦に切ると良い。
・筒切り(輪切り)/ 火を入れると、外側には歯ごたえが残り、内側がとろりとする。
・小口切り/ 端から繊維を断ちながら、直角に薄く切っていく。香りが良く、繊細な食感になる。
【相性の良い料理】
焼きネギ、冷奴、鍋、ぬた、麺類、スープなど
2.白い部分の上部
【味わいや食感の特徴】
辛みと甘みのバランスが調和し、香りも良い。下部に比べ繊維が細く、やわらかい。
【おすすめの切り方】 ※上の写真の、下段
・斜め薄切り/ 外側のシャキッとした食感と、内側のやわらかく甘みがある部分を一緒に使うと、甘みと辛みのバランスが良くなる。
【相性の良い料理】
麺類、丼もの、焼きネギ、鍋、スープ、みそ汁など
3.分岐している(白と緑が混ざっている)部分
【味わいや食感の特徴】
青い部分の辛みと、白い部分の甘みの両方が混在している。内側にはワタ(白くフワフワとしている部分)があり、ざっくり切ってもやわらかい食感が楽しめる。火を通すととろみが出る。
※葉の付け根部分に土が入り込んでいる場合があるので、水にさらしてから使う。
【おすすめの切り方】 ※上の写真の、下段
・縦切り/ 繊維に沿って長めの縦切りにする。
【相性の良い料理】
豚ネギ炒め、スープ、みそ汁など
4.緑色(葉身)の部分
【味わいや食感の特徴】
4つの部位の中でいちばん辛みが強く、薬味に最適。内側の白いワタにはぬめりがある。
【おすすめの切り方】 ※上の写真で、下段左から
・角切り/ 薬味として辛みを生かす場合は、ワタを削り取る。
・縦切り/ ワタつきのまま縦にざく切りにする。
【相性の良い料理】
中華炒め、スープ、みそ汁など
主役から薬味まで、和洋中さまざまな料理を引き立てるネギの活躍ぶりは、食卓に欠かせません。部位別の特徴を活かして、異なる味わいや食感を楽しみましょう。