CATEGORY : ダイエット |食べる
頑張らなくても栄養バランスのよい食事がとれる! 1食で栄養もおいしさも両立の「食事系タイパ食」5つを試食 FYTTE座談会<後編>
いまFYTTEで注目しているタイパ食(タイムパフォーマンス×食事を意味するFYTTEの造語)。1食で健康やダイエットにうれしい複数の栄養が効率よくとれるため、忙しい現代人の味方として、バリエーション豊かな商品が続々と登場しています。今回FYTTE編集部ではスペシャルゲストとして管理栄養士の古谷彰子さん、ダイエットインスタグラマーのでぶみ・ゆうさんを囲み、「タイパ食試食座談会」を開催。後編では手ごろなインスタント系からガッツリ食事系のタイパ食までを一気に試食。そのメリットやとり入れ方を語り合いました!
Contents 目次
【座談会メンバー】
■ 古谷彰子さん/管理栄養士
博士(理学)、管理栄養士。愛国学園短期大学准教授。(株)アスリートフードマイスター認定講師としても勤務する。「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチする「時間栄養学」の専門家。
■ でぶみ・ゆうさん/ダイエットインスタグラマー
食べないダイエットで長年リバウンドをくり返した万年ダイエッターだったが、ようやく正しい食べ方を知ることで8㎏やせてキープ中。自身の経験をもとにダイエットで悩み苦しむ人のために情報を発信。
■ FYTTE編集部 森下
高校生、中学生、小学生の3児の母。家族間での生活スタイルが異なり、食べる時間がバラバラになりがちなため、効率のよい毎日の食事を模索中。
■ FYTTE編集部 大島
実家暮らしのため“自宅飯”を食べているものの、栄養バランスについては不安アリ。日々の食事のとり方について学びたい。
1食で33種類の栄養素がとれる“完全栄養”のタイパ食
司会:座談会後半では、主に食事系のタイパ食をとり上げていきます。まずは味の素(株)から今年1月に新発売となった女性のための完全栄養食「One ALL(ワンオール)」と、コンビニで見かけることも多い日清食品の「完全メシ」シリーズを食べ比べしてみましょう。いずれも1食で日本人の食事摂取基準で定められている33種類の栄養素がとれるのが特徴です。
One ALL(味の素(株))
1食で食事摂取基準で設定された33種類の栄養がとれる完全栄養食。女性が不足しがちな鉄などの必要量を充足する一方、とり過ぎが気になる熱量・炭水化物・脂質は1/3日分未満と控えめ。濃厚クアトロフォルマッジのスープパスタ、バターチキンカレー風味のスープパスタの2種類。https://mall.ajinomoto.co.jp/pages/oneall
「完全メシ」シリーズ(日清食品)
日清食品の最新フードテクノロジーを駆使することで、33種類の栄養素とおいしさのバランスを追求した食品ブランド。カップ麺、カップライス、スムージーなどをはじめ、2023年12月には「冷凍 完全メシ DELI」が登場。https://www.nissinkanzenmeshi.com/
司会:では「One ALL」のバターチキンカレー風味のスープパスタからどうぞ。
森下:お湯をかけて作るんですね。
司会:気になるお味はいかがですか?
ゆうさん(以下敬称略):甘みが感じられます。
古谷さん(以下敬称略):栄養素33品目をすべて混ぜ合わせると通常苦みが出るのですが、こちらは甘めに仕上がっていますね。
森下:たしかに、苦さは1mmも感じないです。
司会:アミノ酸由来の素材を使うという味の素(株)ならではの強みを生かして、苦みを抑え込むなどの試行錯誤を経て完成した商品だそうです。
一同:なるほど~。
大島:私は実家暮らしですがリモートワーク中のお昼は自分で用意しないといけなくて。お湯をかけるだけなら手軽に作れますし、栄養バランスも工夫されているので、こういう商品はありがたいです。
司会:続いて日清食品の「完全メシ」シリーズから、「生パスタのカルボナーラ」を試食してみましょう。
ゆう:麺がすごくモチモチしていて、完全栄養食でなくても食べたくなるおいしさです。
森下:どっしり感があって、1食ですごく満足しそう。カルボナーラのように味を濃くすると、完全栄養食独特の苦味をカバーするのにもいいのかな…?
古谷:そうですね、なかでも特にカレーとの相性がいいと思います。
司会:忙しくてちゃんとした食事をとれない人にこうした完全栄養食は大変うれしいタイパ食だと思いますが、たとえば、生活サイクルが夜型の人の場合、時間栄養学(※)の観点からどのような食事のとり方をするのがいいのでしょうか?
(※)時間栄養学:体内時計のズレをリセットして体を整えるために、<なにを、いつ、どう食べるか>といった食べる時間・タイミングに着目して栄養を考える学問。健康やダイエットに効果的な食事法にもつながる。
古谷:生活が昼夜逆転しているような夜型の人でも、朝寝て夜起きるというサイクルが決まっていれば体内時計的には問題はありません。その場合の食事は、活動が始まる夜にしっかり食べて寝る前の朝は軽め…といったサイクルがよいですね。大事なのは自分の活動時間帯がズレないこと。体内時計に影響を与える光や食事にだけ気をつけて、活動する時間にたんぱく質を多くとれば、自然と生活サイクルに体内時計が合ってきます。
森下:なるほど! では、たとえば介護職のように朝と夜のシフトが入れ替わるような働き方をしている人はどのようにしたらいいでしょうか?
古谷:起きる時間と寝る時間の基本的なベースラインを決めても、シフトワークだとその基本からズレることがありますよね。その場合はふだんの食事の時間を決めておいて、時間がズレる日だけはちょこちょこ食べをすると、体内時計のサイクルがくずれにくくなりますよ。
栄養もカロリーも安心! 管理栄養士が監修した定期宅配の冷凍デリ
司会:では電子レンジで温めるだけの食事系のタイパ食にいってみましょう。今回はいずれも定期の冷凍宅配サービスで人気の3ブランドをピックアップ。調理いらずで手軽に栄養バランスのよい食事がとれるのがメリットです。
三ツ星ファーム(イングリウッド)
管理栄養士のもと、原則350kcal以下、糖質25g以下、たんぱく質15g以上という独自の基準をクリアした低糖質おかずプレート。和・洋・中・エスニックからスイーまで、一流シェフ監修の60種類以上の豊富なメニューがそろう。https://mitsuboshifarm.jp/?letrotab=8468
筋肉食堂DELI(TANPAC)
レストランのおいしさをそのままに、体づくりに不可欠な高たんぱく・低糖質・低カロリーがメニュー100種類以上そろう。「エブリデイ」「ダイエット」「バルクアップ」の3コースがあり、目的に合わせてもっとも効果的な食事を届けてくれる。https://kinnikushokudo-ec.jp/
GREEN SPOON(Greenspoon)
管理栄養士のよる体にいい栄養の組み合わせたオリジナルレシピが特徴。メインディッシュからスープ、サラダ、スムージーまで全40種以上がそろい、組み合わせは自由自在。栄養を閉じ込めて瞬間冷凍した120種類以上の素材をそのまま宅配。https://green-spoon.jp/
栄養バランス×おいしさを追求! ふだんの食事にそのままとり入れるだけ
司会:まず試食は三ツ星ファームの「幸せタルタルの国産サーモンフライ」から。これにご飯をつければ1食分の食事になります。
大島:バランスがいいですね!
ゆう:本当だ! 満足感があって、量も少ないとは感じないです。
森下:昔、お弁当屋さんでバイトをしていたことがあって、残ったお弁当を持って帰っていたら食べ過ぎで太ってしまったんです(笑)。でも、このおかずは最初から栄養バランスがしっかり考えられているので、安心して食べられますね。
古谷:夜は疲れて帰ってくる人が多いので、こうしたデリを活用するなどして、なるべく力を抜いて準備できるご飯がいいと思います。たとえば「ZENB BREAD」(※座談会前編で紹介)とこのおかずプレートを組み合わせてもバランスはいいかも。
大島:4~5分レンジで温めればすぐ食べられるから、リモートワークのときにも重宝しそう。私の場合、ふだんのお昼が白米のおにぎりだけだったので、このおかずを合わせたらバッチリです!
司会:次は筋肉食堂DELIのなかから、トレーニング効果を引き出し筋肉増量を目指すバルクアップコースの「白身魚の白ワイン蒸し 彩野菜のラタトゥイユ 皮なし鶏もも肉スタミナグリル 」のお弁当です。いかがですか?
ゆう:1食でたんぱく質が40g近くも入ってますよ!
司会:しかもカロリーは448kcalです。
森下:ご飯も入っていてこの1食で完結できますね。もち麦入りなのでモチモチしておいしいです。
大島:さすが筋肉食堂! 日常の体づくりやダイエット、筋肉増量など目的に合わせてPFCバランス(※)が設定されているので、自分のコンディションに合わせて選べるのもいいですね。
※PFCバランス:摂取エネルギーに対して、3大栄養素であるたんぱく質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)がどのくらいの割合を占めるかを示したもの。
司会:では最後はGREEN SPOON(グリーンスプーン)の「5種野菜と甘辛ソースの特製エビチリ」です。いかがですか?
大島:1食分で266kcalなんですね。食べ応えがあるのにカロリー控えめなのがうれしいです。
ゆう:いろいろ野菜が入っていて食べていて楽しいし、色合いもオシャレ。化学調味料が入っていないのもこだわりなのかな。
司会:ちなみに、せっかくヘルシーで栄養バランスがよいタイパ食をとり入れても、物足りなくてまた食べてしまう、食後のデザートがやめられないなどの習慣が断ち切れないと、結局は食べ過ぎてしまったり、栄養が偏ってしまったりしそうです…。何か対策はありますか?
古谷:食事はゆっくりと噛むことでさらに満腹感が高まります。また食後にデザートを食べることで満足感が出る人もいますが、それは習慣化しているだけ。じつは1週間甘いものを止めてみると、意外と食べなくても平気になるんです。だから、ダイエットをしたいときはあれもこれもやるのではなく、まずはひとつだけピンポイントでトライするのが成功のコツですよ。
ライフスタイルや味の好み、プラスオンしたい栄養素に合わせて広がる選択肢
司会:さて、みなさん、お腹もいっぱいになった頃かなと思いますが、これで試食は終了です。いかがでしたか?
森下:タイパ食はすごく進化していて、味もおいしいし、企業努力を垣間見ました。また、“高たんぱく弁当”のように食材と特徴が打ち出されていると子どももわかりやすいので、ひとりで食べるお昼ご飯にはこういった食事を選んでほしいと思いました。
ゆう:ダイエット中のフォロワーさんのなかには「時間がない」「何を食べたらいいかわからない」という人も多いので、そういった人には今回試食してきたようなタイパ食をオススメしたいですね。
大島:私は実家飯なので、自分が食事を作っていないからこそ献立が固定されてしまうところもあって。でもタイパ食をじょうずにとり入れることで、足りない栄養素を補ったり、自分の好みに合わせてメニューをプラスオンできたりするのは助かります。
古谷:デリは種類が豊富で飽きなくていいですね。毎食しっかり食事をしなければと頑張り過ぎず、忙しいときや疲れて思うように食事の準備ができないときなどは、こうした便利なタイパ食をどんどんとり入れていってよいと思いますし、自分なりにアレンジを加えてもOKです!
司会:栄養面もしっかりしているので、これまでの食習慣を見直していくきっかけに試しにタイパ食をとり入れてみるというのもアリかもしれませんね。みなさん、本日はありがとうございました!
撮影/鈴木謙介 取材・文/番匠郁 構成/FYTTE編集部