誰もが知っている里芋ですが、豊富な品種があることはあまり知られていないのでは?品種の分類から、歴史、名前の由来、栄養まで、意外な里芋の素顔を詳しく紹介します。
Contents 目次
里芋の名前の由来は?
里芋という名前は、山で採れる「山芋(自然薯)」に対して、「村(里)で栽培されるから里芋」と呼ばれるようになったといわれています。
また縄文時代に、日本に伝来していたといわれる里芋。稲作よりもその歴史は古く、米食以前の日本の主食だったと考えられています。
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親芋を囲むように子芋、孫芋が育つため、子孫繁栄の象徴ともされ、縁起がいい食材として正月料理の定番食材となっています。
里芋は食用となる部分で4種類がある
里芋は、種子ではなく種芋で増えます。里芋自体は茎が肥大したもので、株を中心に大きな親芋があり、そこから分球したものが子芋です。子芋からさらに分球したものを孫芋と呼びます。
実は、親芋と子芋と孫芋、どれを食用とするかによって、里芋の種類が分けられています。また芋以外に葉を食べる品種もあります。
親芋を食べる品種
子芋が付きにくく、付いてもあまり大きくなりません。その分、親芋に栄養が届き大きくなるため、親芋が食用に向く品種です。
・たけのこ芋
子芋を付けず、親芋が大きくなります。芋の半分以上が地上に出ており、その形がたけのこに似ているのが名前の由来です。宮崎県を中心に生産され「京芋」とも呼ばれます。
子芋を食べる品種
親芋が食用に向かず、子芋のみを食べる品種です。
・土垂(どだれ・イラスト左)
主に関東地方で栽培されています。見た目はコロンとした楕円形で、貯蔵性が高いため、1年を通じて市場に出回っています。調理しても煮崩れしにくく、粘りがあり、やわらかいのが特徴です。
・石川早生(いしかわわせ・右)
主に7~8月に収穫されます。球形で、大きさが揃っています。ぬめりが強く、やわらかで、やや淡白です。宮崎県、千葉県、静岡県などで多く生産されています。
親芋・子芋の両方を食べる品種
親芋、子芋共に食用になる品種です。
・セレベス(イラスト左)
全体的に赤みを帯びて、ホクホクし、ぬめりが少ないという特徴があります。別名で「赤芽」、「大吉」とも呼ばれています。子芋は大型で、粘質の食感です。
・八つ頭(真ん中)
親芋と子芋が結合し塊となった品種です。ホクホクとした食感で美味。1つの芋から八方に子芋が広がっていくことから、縁起物としておせち料理にも使われます。
・みず芋(右)
沖縄で主に生産され、水田や湿地で育つ品種。粘りが強く、あく抜きが必要です。縁起物として正月料理にも用いられます。別名で「田芋」とも呼ばれます。
葉柄を食べる品種
里芋の仲間ながら芋自体は硬くて食べられず、葉柄を食用とする品種です。
・いもがら(ずいき)(イラスト左・真ん中)
葉柄のうち、柄の部分(茎)が食用となります。生であれば、あくを抜いてから酢の物や汁物、炒め物などに使われます。乾物の場合は、水で戻してから煮物や炒め物などにします。
・はす芋(右)
青い葉柄を生のまま食べる品種です。切り口はスポンジ状で、シャキシャキとした食感が特徴です。
里芋の品種ごとの栄養
下のグラフは、たけのこ芋、セレベス、八つ頭、みず芋のカリウム、ビタミンB6、葉酸の量を比較したものです(生、可食部100gあたり)。カリウムはたけのこ芋、セレベス、八つ頭の方がみず芋よりも含まれています。ビタミンB6は4種ともほぼ同量に含まれます。
最後に
里芋の歴史や品種を話題にしつつ、里芋料理を味わってみてはいかがでしょうか。
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