別にお腹が空いているわけでもないのに、ついついお菓子をひと口、なんてことありませんか? 食べたあとで「あ~あ、ダイエット中なのに、食べちゃった…」なんて反省したりして。でもこの食行動、じつは脳や視覚をコントロールするだけで変えられる場合もあるそうです
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お腹が空いていないのに食べてしまうのは“脳科学的にあり得ること”
お腹が空いていないのに食べてしまった経験はありませんか? またもうお腹いっぱいと感じているのにも関わらず、食べることが止められない人もいるかもしれません。
『ダイエットは運動1割、食事9割』という本が売れていると聞きました。たしかに、運動しているからといっても食べ過ぎてしまえばやせません。
私が経営している瘦身サロンでも、せっかく脂肪を壊しても食べ過ぎている人の結果はやはり出にくいものです。食べる量さえうまくコントロールできれば、ダイエットの大半は成功するでしょう。でも、脳科学や心理学では、”お腹が空いていなくても食欲は止まらない”ということがわかっています。
例えば、人はお菓子を見るとドーパミンが分泌されてしまいます。ドーパミンが分泌されると神経が興奮し、意欲やモチベーションアップといった快感・快楽を生みます。
しかし、そのドーパミンが過剰だと、意欲や欲求が暴走しはじめ、お腹が空いていないのに食べたくなる、お腹がいっぱいでも食べるのが止められないといった“過食”へとつながっていきます。
ここで、アメリカのある実験をご紹介します。とても単純な実験なのですが…デスクの上のクッキーを目につかない場所へ隠すだけで食べる量が減るという結果が得られました!
つまり食欲のスイッチをONにしないよう、できる限り「視界から食べものをなくすことが大切だ」と言うことがわかります。
じつはこの視覚と食欲との間に、ほかにもおもしろい関係性があるんです。古典的に感じる人もいるかもしれませんが、”器を小さくする”というダイエット法がかなりオススメなのです。
その理由をある実験を交えてご紹介しましょう。
『底なしスープの実験』
スープのお皿の底に小さな穴を開け、そこからスープを注ぎ足せるように細工をします。そして被験者には気づかれないよう、スープを飲んでもらいます。飲んでも減らないスープを出した結果…被験者は普通のお皿で飲んだときより70%も多くスープに飲んだことに気づかなかったのです!!
これは何を指しているかというと、人は「食べている量に対してあまりにも無意識である」ということです。また、もうひとつわかることはお皿が空になることで
・満足感が得られる
・食事を終わらせる目安を得ている
ということです。
人は食べた量を確認するための重要なサインを器に託しているんですね。言い換えると、「器の大きさによって、食べた量がそのつど変わっていると錯覚もしてしまう」ということです。
この実験を行ったのはアメリカのドクター.ブライアン・ワンシンク氏。心理と食事との関係について「肥満の正体は”無意識の食べ過ぎ”によるものである」と定義づけ、食行動においておよそ20を越える実験を行っている医師です。
*同じ量なのに、器によって量がちがって見える!
これをうまく利用すると、器を小さくし食事の量を少し減らすことでも満足感が得られやすくなります。また減らす量もポイントで、脳はいつもの量の20%以下だったり100kcal以下程度減らしたくらいなら、量やカロリーが少なくなったことに気づかないのだそうです。
抑えることができない食欲は、じつは視覚と脳にコントロールされてしまっていた、ということがわかりました。この仕組みを利用して、ぜひ食べる量を調整してみてください。