いつもの食事から糖質量を減らす「糖質オフダイエット」。これまでダイエット法の主流だった「カロリーオフダイエット」に代わり、最近ではすっかり定番になっています。でも、「あまり効果が出なかった」「リバウンドした」なんていう声も。糖質オフとカロリーオフではどちらがやせやすいのか、管理栄養士の大越郷子先生に、各ダイエット法の特徴や効果、注意点などをうかがいました。
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■2つのダイエットのメリット&デメリットをチェック
「カロリーオフダイエット」は、食事で摂取するカロリーが、活動や基礎代謝で消費するカロリーより上回らないように制限し、体重や体脂肪を落とす方法。
そのためには、食べるもののカロリーを計算し、肉やスイーツなど高カロリー&高脂質な食材を避けて摂取カロリーを減らす、運動をして筋肉量をアップし、代謝を上げる、有酸素運動でカロリーの消費量を増やすといったことが必要です。
食事を低カロリーに抑えさえすれば、さまざまな食材から栄養をバランスよくとれるので、健康的にやせられるところがカロリーオフダイエットのメリット。
しかし、効果が出るまで、ある程度続ける必要があり、「カロリー計算が面倒」「満腹感が得られず、食べたいものをガマンするのがつらい」などの理由から、ザセツしてしまう人が多いのも事実です。
一方の「糖質オフダイエット」は、糖質を含む食材の摂取を控えて食後血糖値の上昇をゆるやかにし、肥満ホルモンといわれるインスリンの分泌を抑え、脂肪の合成を防ぐというメカニズム。
ご飯やパン、フルーツ、甘いお菓子など糖質量の多い食材を避ければ、肉や揚げものも食べてOK&お腹いっぱい食べられるところが人気です。
糖質オフダイエットにはカロリー計算のような面倒がなく、空腹と戦わなくてすむのでストレスもたまりにくい、カロリー制限と比べて結果が早く出るなどのメリットがあります。
でも、主食を食べられないツラさがあり、栄養バランスも悪くなりやすいのが難点。脂質やたんぱく質をとりすぎてしまうと、動脈硬化や腎機能低下など健康面での心配を引き起こす恐れもあります。肉などを無制限に食べていいというわけではないのです。
つまり、糖質オフとカロリーオフは、それぞれにメリットとデメリットがあり、ダイエット効果の出方はふだんの食生活によってちがってきます。ご飯やパン、甘いものなど糖質をたくさんとっているのか、高カロリーな揚げものや脂質の高い肉ばかり食べているのか、まずは自分の食生活や、食べる時間を見直してみましょう」
■糖質オフダイエットに失敗してしまった人はココを見直し!
「流行りの糖質オフダイエットに挑戦したけれど、思ったより効果が出ないという人は、おかずで糖質をとりすぎていないかどうか、振り返ってみてください。
たとえば、糖質の高い春雨スープを飲んでいたり、かぼちゃやいも類のおかずを食べていたりしていないかチェックを。
最近は糖質オフをうたった商品も多いですが、食品100gまたは100mlに含まれる糖質量が0.5g未満なら“糖質ゼロ”と表示できるので、糖質をまったく含まないという意味ではないことも覚えておきましょう。
ちなみに、“糖類ゼロ”の糖類とは、糖質の一部である砂糖やブドウ糖などの単糖類・二糖類の総称なので、基準値内で甘味料などが含まれている場合もあります。
また、男性はご飯を食べる量や食事全体に対するご飯の割合が多いので、わかりやすく体重が減りますが、女性は効果が出にくいことも。朝昼晩と三食きっちりご飯を食べている人なら、夜食べる量を減らして長期的にトライしてみるのも手です」(大越先生)
結局のところ、糖質オフとカロリーオフのどちらがやせやすいかは、自分の食習慣や食のし好などによって決まります。なぜ太ってしまったのかを見直して、自分に合ったダイエット法を選ぶことが成功への第一歩です。
取材・文/鹿野育子