どこの家庭にも保存食として常備されているにんじん。じゃがいもや玉ねぎとともにいろいろな料理に使われる身近な野菜です。なんとなく栄養はありそうだけど、具体的にどんなパワーがあるかは知らない、という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はにんじんの栄養面とおすすめの調理方法についてお伝えします。
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【にんじんは万能な食べもの】
にんじんの栄養素といえば「β(ベータ)カロテン」。これは体の中で発生する活性酸素を抑える働きがあります。例えば、シミ・シワ、花粉症やアトピー性皮膚炎など、アレルギー症状を起こしにくい体質作りに役立つことがわかっています。
またカロテンは体内でビタミンAに代わり、肌荒れ・目の疲れ・喘息・胃潰瘍の予防などが期待できるそうです。さらににんじんはカロテンのほかにもビタミンB1・B2・Cを少量含みミネラル類のカリウム・鉄・リンも豊富に含まれているので、万能な食べものといえます。
【にんじんの特徴とおすすめの調理方法について】
野菜はおおむねカロリーや糖質量が低く、食物繊維をはじめビタミン・ミネラルが豊富な食材でいくら食べても大丈夫だと思いがちです。ところが、野菜の中にはカロリーや糖質が多いものもあるので食べる量には注意が必要です。例えば「いも・栗・かぼちゃ」。秋の旬素材ですが、これらは糖質量が多いので食べすぎには気をつけましょう。
今回ここで取り上げる「にんじん」も糖質量多めの野菜のひとつです。確かにスイーツにもよく利用されていますね。
ただ、その糖質量は調理方法により変化することはご存じですか? にんじんはゆでたり冷凍をしても、カロリーにはほとんど変化はありませんが糖質量は若干変化をします。([ ]の中はカロリー、糖質量の順。以下同様)
・生 [36Kcal、5.8g]
・ゆで[36kcal、5.1g]
・冷凍[35kcal、5.0g]
・ジュース[28kcal、5.9g]
ゆでたり冷凍をすると、生よりも糖質量がやや少なくなります。
また、実際ににんじんを調理した場合、油や調味料でカロリーと糖質量がどのくらい増えるのか比較してみましょう。ここでは「炒める・揚げる・甘く煮る」の3パターンについて生の場合と比較します。
・生 [36kcal、5.8g]
・油炒め [109kcal、7.5g]
・グラッセ[66kcal、9.4g]
炒める料理としては、油を使うのでカロリーがかなり増加します。また、加熱することによって水分が抜けて100gあたりのにんじんの量が増えるため、糖質量も増加します。
グラッセはバターや砂糖を使うことが一般的ですが、これらによって糖質量が特に増えます。調理法によっては糖質量がますますアップするので食べすぎには注意しましょう。
そこで今回は「ウォータースチーム」という油を使わない低温調理法で、素材本来の旨みを引き出したにんじんのグラッセの作り方をご紹介します。砂糖の代わりにてんさい糖を使用した体にも、お肌にもやさしくおいしい仕上がりとなっています。
ぜひお試し下さい。
【簡単!あまぁいにんじんのグラッセ】
(材料)
にんじん・・・1本
てんさい糖・・・小さじ2
白いりごま・・・ひとつまみ
1. にんじんは拍子切りにし、面取りをする。
2. 鍋に少量の水(分量外)と1のにんじんを入れ、ひとつまみの塩を振り、にんじんの色が透き通りツヤが出るまでウォータースチームする。
3. てんさい糖を振り入れ、水分がなくなるまで弱火で煮詰める。
4. 器に盛りつけ、白いりごまを散らす。
緑黄色野菜・にんじんの鮮やかなオレンジ色は料理映えし、栄養面においても食卓になくてはならない存在です。最近ではフルーツ並に糖度を持つものも多く、にんじん嫌いのお子様にも人気があります。ただ糖質量に気をつけて量はほどほどに取り入れるようにしましょう。