食事をしたあとは、動いてカロリーを消費しなきゃ!という人は多くいると思います。しかし、その流れで本当に大丈夫なのでしょうか? また、運動が苦手な人はムリしてまで行うことはありません。自分に合った運動、そして食事と運動の習慣を見直してみましょう。
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■本能で生きる動物のように
いつのころからか流行して、今やすっかり定着した感のあるジョギング。私のところに相談に来る人のなかにも、ジョギングにハマっている人がいます。
「脂肪を効率よく燃やすのは有酸素運動」と言われているので、ジョギングにハマるのは「いいことじゃないの」と思うかもしれません。
でも…。彼女たちのなかには、太りたくないという理由だけで走っている人もいます。「食べたぶんが全部脂肪になりそうでコワイ。だから、とりあえずジョギングで消費しなきゃ」と、食べたあとに走っている人が多いのも気になります。
義務感で運動しているので、当然、ちっとも楽しくない。いつも疲れている状態だし、一生懸命に走っているわりには、少しもやせないという場合がとても多い。これでは、何のためにツラい思いをしているのか…。
そんな人たちには、本能で生きる動物に戻るようアドバイスしています。
あるトレーナーさんから聞いたことですが、私たち人間にとって食は本能。ところが運動は本能ではないため、なかなか習慣にはなりづらいそう。
では、運動はいったい何なのかというと、本能を満たすための手段なのだとか。野生動物は食欲(=本能)を満たすためには狩り(=運動)をしなければなりません。自分の子孫を残すためには闘いに勝って、いいパートナーを獲得する必要があります。お腹いっぱい食べる、子孫を残すという本能を満たすのに、“狩り”、“闘い”といった運動をするわけですね。
■食べて動くのではなく動いたあとに食べて!
ならば、私たち人間も、それにならうのが、正しいのではないでしょうか。「お腹がすいたなぁ」と思ったら、動物が狩りをするように体を動かすのです。食べたあとで運動するのは、本来、順番が逆。
ですから、食後に動くのではなく、「お腹が減ったら運動しよう」とアドバイスしています。お腹がすいたら動く。動いたら、そのごほうびとして食べる。これをルーティーンにすると、いいことだらけです。
ダイエッターのなかには食べることに罪悪感を持っている人が多いはず。でも、食べることに罪悪感があったとしても、運動してから食べるようにすると、「これだけ動いたから大丈夫」と安心して気持ちよく食べられるはずです。
消化のことを考えても、食べてから動くよりは、はるかにいい。消化がうまくいくと、当然、代謝もよくなるため、じょじょにやせやすくなっていきます。食べることと動くことの順番を逆にする。それだけで、この効果! ぜひ試してみてください。
■ムリせず楽しんでできる運動を
また、運動しなくてはいけないとわかっているのに、どうしてもできない、続かないという人がいます。
じつは私も“超”がつくほどの運動音痴で運動が大嫌い。それでも、ヨガがいいとか言われると、一応はトライします。でも、どうしてもうまくできなくて、ムリにやろうとすると、ストレスで食べ過ぎたりして、かえって太ってしまった経験も。だから私はムリには運動しないことにしています。
世の中にはきっと、私のような人もいるはず。だから、「どうしても運動ができない人は、ムリしてやる必要はない」というのが私の持論です。
もちろん、そのぶん、日常生活の中で、いかに動くかを考えたほうがいいですよね。少し多めに歩く、歯みがき中はつま先立ちをする、家中のゴミ箱をひとつにして、ゴミを捨てるときはわざわざそこまで歩く、オフィスなら、あえて自分の席から遠いコピー機を使う…。
工夫と心がけしだいで、いくらでも動くことはできるのです。そう考えると、家中、街中、オフィス中がジムなんですね。そうやってテキパキ動いていれば、「ちょっと運動しようかな」という気持ちが起きてくるかもしれません。そうなったらしめたものです。
自分が楽しんでできる運動を探してやりましょう。
ただし、その気持ちが起こらない場合は、ムリすることなく、日常で動く心がけを続ければいいでしょう。