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「ダイエット中なのに、たくさん食べてしまった」「頑張って体重を減らしたが、またリバウンドした」。こんな経験をした人、いませんか? でも「私は意志が弱いんだ」と自分を責めるのはちょっと待って!
この食べたい気持ちを脳科学的に分析し、無理なくコントロールできるように編み出されたダイエットが今、話題になっています。それが「脳科学ダイエット」です。
- 監修
- 久賀谷 亮
■ダイエットは「気持ち」ではなく、「脳」でやる
「食べたいのにひたすらガマンする。ダイエットにはそのような強い意志が必要と思われていましたが、そもそも“食べたい”という気持ちに抗うこと自体、脳本来の働きから見ても矛盾しています」
こう語るのは、この脳科学ダイエットの提唱者である医学博士の久賀谷亮先生。米国・イェール大学で最先端脳科学研究に長年携わり、医師としても精神医療の最前線で活躍している久賀谷先生によると、「食べることを快楽と感じるのは、脳のメカニズムによるもの」とのこと。ご自身の著書『無理なくやせる“脳科学ダイエット”』(主婦の友社)では、このように解説しています。
「脳のなかには、快楽中枢という場所があります。(中略)食べたものが糖質となってそこを刺激すると、私たちは快楽を感じ、もっと食べたくなります。ドラッグやアルコール、ギャンブルなどの依存と同様、この快楽中枢の暴走を鎮めるのは容易なことではありません」
このように根性論に頼るダイエットが難しいことは、脳科学の研究でも裏付けられています。無理して食べたい気持ちと闘うのではなく、その気持ちを司る脳に働きかけて、食習慣を自然にあらためる。そのためのメソッドが同書で提案している「マインドフルネス」です。
■「食べたい!」を上手に克服する。それがマインドフル・ダイエット
「今、自分の目の前にあるもの(こと)に意識を向ける」というマインドフルネス。欧米では、マインドフルネスが脳にもたらすさまざまな効果についての研究が進んでおり、Googleやインテルなど大手IT企業の研修にも取り入れられるほど注目されています。
「脳の中で感情(気持ち)が理性を圧倒すると、衝動的に行動してしまうことがあります。例えばストレスや不安を感じると、目の前にあるものを何も考えずにただ食べてしまう。マインドフルネスを実践することで、押し寄せてくる欲求の波を抑えつけるのではなく、その波をうまく乗りこなせるようになるのです」(久賀谷先生)
実際にマインドフルネスが人々の食行動に及ぼす影響を調べた研究も多数あり、その86%が「食行動に改善効果がある」という結論を示しているそうです。
■食べ方を変えるマインドフル・ダイエットのメソッド
同書では、そのマインドフル・ダイエットのメソッドを下記のフェーズごとに分けて紹介しています。
<これまでの食べ方を変える食事改善フェーズ>
・食前セレモニー、食事エクササイズ、ボディスキャン、呼吸フォーカス法
<欲求と闘わず、乗り切る欲求管理フェーズ>
・RAIN
<自分自身を正しく満たす自己充足フェーズ>
・砂時計メソッドなど
どれも「いったいどんなことをするんだろう?これで本当にダイエットできるの?」と思われるかもしれません。詳細は先生の著書にありますが、中から、「食前セレモニー」について簡単にご紹介します。
食前セレモニーとは、食べる前に気持ちを整えること。目の前にある食べものをじっくり観察して(30秒ほど)、どんな食材でできているか、それらの食材がどのように作られているか、などに想いを巡らせます。そこから、自分はいま、どのくらいの量を食べたいのか、なぜ食べたいのか、などをきちんと考えてから食べ始めるのだそう。このように食事そのものをセレモニー化することで、単に食欲に任せて無意識に食べるのではなく、何を食べてどんな味がするのかが意識でき、それだけで食べる量なども変わってくるというから不思議。ぜひ、みなさんも食事の前に試してみてください。
あなたも太らない脳を手に入れて、無理なくやせられるようになりませんか?
▼『無理なくやせる“脳科学ダイエット”』の内容をもっと詳しく知りたい人はこちらをチェック!
『無理なくやせる“脳科学ダイエット”』/主婦の友社
文/みうらえりこ
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久賀谷 亮
医師(日・米医師免許)。医学博士。イェール大学医学部精神神経科卒業。アメリカ神経精神医学会認定医。アメリカ精神医学会会員。日本で臨床および精神薬理の研究に取り組んだあと、イェール大学で先端脳科学研究に携わり、臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する。そのほか、ロングビーチ・メンタルクリニック常勤医、ハーバーUCLA非常勤医など。2010年、ロサンゼルスにて「TransHope Medical」を開業し、同院長として、マインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、最先端の治療を取り入れた診療を展開中。
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