ダイエットで一番悩ましいのは、「食べたい」という気持ちにどう対処するか、ということ。「結局、意志の力で欲求を抑えつけるしかないのでは」と思うかもしれませんが、そんなことはありません! 今回は話題の「マインドフル・ダイエット」から、欲求を上手にコントロールできるようになるメソッドをご紹介します。
Contents 目次
■食べたい衝動を抑えつけるほど、食べたくなってくる理由
なぜ「食べちゃダメ!」とガマンすればするほど、食べたい気持ちが強くなるのでしょうか。米国・イェール大学で最先端の脳科学研究に携わり、現在はロサンゼルスで開業し、マインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、最先端の治療を取り入れた診療を展開する医学博士・久賀谷亮先生の著書『無理なくやせる“脳科学ダイエット”』では、「『クレーヴィング』と呼ばれるこのような強い欲求は、無理に抑えつけようとするとさらに増大する」と説明しています。
そもそも「食べたい」という欲求は、脳のメカニズムによって引き起こされるもの。脳の中にある快楽中枢が食べることで刺激を受け、さらに強い刺激を求めて「もっと食べたい!」とクレーヴィングを起こします。そしてそのクレーヴィングは脳の「後帯状皮質」と呼ばれる部位の活動が活発になることでさらに強くなります。「食べたい」という衝動と戦おうとすると、その後帯状皮質が活性化されるため、結果的にクレーヴィングが高まってしまうのです。
欲求をガマンした反動で、また食べ過ぎてしまっては元も子もありませんよね。では、一体どのようにクレーヴィングを克服すればいいのでしょうか。
■押し寄せてくる欲求の波を乗りこなすマインドフル・ダイエットのメソッド「RAIN」とは?
欲求に真っ向から立ち向かうのではなく、上手にやり過ごす方法。それが同書で提案しているマインドフル・ダイエットのメソッド「RAIN」です。
<欲求を克服するRAINの4つのステップ>
(1)Recognize(認識する)
「食べたい」と感じたときに、クレーヴィング(食べたい衝動)の存在に気づく。
(2)Accept(受け入れる)
クレーヴィングと戦おうとしない。欲求そのものに愛称をつけて、「また来たね」などと自分の中に受け入れる。
(3)Investigate(調査する)
クレーヴィングが強くなるにつれ、体はどのように感じているのかを観察する。
(4)Note(記述する)
(3)でとらえた感覚を、「胃の奥がキュ~ッとする」「胸がザワザワする」など短い単語やフレーズで表現してみる。そしてその感覚がなくなるまで追ってみる。
ポイントは、クレーヴィングを拒絶するのではなく受け入れること。ニックネームをつけて客観的に観察するようにします。さらに(3)(4)の段階でほかのことが頭に浮かんでも、また意識を体の感覚に向けることです。
ただし、久賀谷先生によればこのRAINで欲求がコントロールできるようになるには、ある程度のくり返しが必要とのこと。
「RAINは、体で波を感じ取りながらその波に乗るサーフィンのようなもの。食べたいという衝動の“波”が来たら、そのとき体がどう反応しているのかを感覚でとらえながら、その波と歩調を合わせるように追っていきます。最初は難しくても、やっていくうちに上手に波を乗りこなせるようになります」
次回は、食事の量は十分足りているのについ食べ過ぎてしまう意外な原因と、それを解決するためのメソッドをご紹介します。
▼『無理なくやせる“脳科学ダイエット”』の内容をもっと詳しく知りたい人はこちらをチェック!
『無理なくやせる“脳科学ダイエット”』/主婦の友社
文/みうらえりこ