水分をたくさんとるときに、気になるのが「水太り」。塩分や糖分のとり過ぎ、代謝が悪いなど、さまざまな理由から、体が水分をため込みやすくなっていて、その水分によって生じたむくみが慢性化しているのが、「水太り」という状態です。「水太り」になってしまうと、体にどんな影響を及ぼすのか、日本ダイエットスペシャリスト協会理事長である永田孝行先生にお聞きしました。
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「水太り」はここがキケン!
余分な水分が体に蓄積されて体温が低くなると、免疫機能が衰えて疾病リスクが高くなります。また、交感神経も鈍り、代謝が低くなって血行不良を起こし、消費エネルギーが減ることでさらに太りやすい体になってしまいます。
「一般的なむくみの場合、例えば長時間立ち仕事をしたりすると、夕方には足首からふくらはぎ、顔、手の甲などが腫れたようになりますが、痛みや色の変化はなく、翌朝には治ります。しかし、むくみの慢性化で症状が進行すると、非可逆性リンパ浮腫といって皮膚が線維化して硬くなってしまい、ついには変形して象皮症という重い皮膚症状になってしまう恐れもあるのです」(永田先生)
「水太り」体質にならないためには?
「ぷよぷよとした体型になっちゃって嫌だな」どころではすまない危険性もある「水太り」によるむくみ。「水太り」にならないためにはどうしたらいいでしょうか?
体を温める運動や食事を
「余分な水分が体温を下げ、冷え性になると、さらにむくみが悪化して水太りになります。少し汗ばむ程度の運動を心がけて余分な水分の排出とともに血行を良くしましょう。水分は体の下部にたまりやすいので、脚のストレッチやマッサージが効果的。とくにふくらはぎは、下半身の血液を心臓に送り返すポンプの役目を持っているので、ふくらはぎを十分に刺激してあげるのは、血行促進に有効です。ねぎ、しょうが、とうがらし、根菜類など、体を温める食材も積極的に食べるといいでしょう」(永田先生)
カリウムの多い食品をとりましょう
「カリウムは、むくみや水太りの原因となる余分な塩分や水分を対外へ排出してくれる働きがあります。ふだんの食事の塩分量が気になる人は、きゅうり、クレソン、ほうれん草、バナナ、わかめなど、カリウムの豊富な食品も意識してとりましょう」(永田先生)
利尿作用のあるお茶がおすすめ
「水太り体質の人は、水分排出のために利尿作用のあるお茶を飲むのも効果的です。デトックス作用も期待できる黒豆茶、カリウムも多く含まれるコーン茶などがおすすめ。夏場は冷たくして飲みたくなりますが、できればホットか常温でいただくのがいいですね」(永田先生)
むくみを気にして水を極端に控えるといった行動は危険です。水分は適度にとりつつ体を冷やし過ぎないよう気をつけながら、「水太り」を撃退しましょう。
文/鈴木みずほ