人にはそれぞれ自分に合った「やせ方」があります。ダイエットをがんばっているのに思うようにやせられない人は、一度自分の体質に合ったやせ方を見直してみましょう。「気・血・水」の3要素で構成される漢方の考え方に沿って、あなたの体質タイプをチェックできますよ。今回は血太りの「レモンタイプ」の太る原因とやせるためのコツをお教えします。
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■血太りの「レモンタイプ」って?
≫前回のタイプ診断記事はこちら!
冷え、肌あれなど、太る以外の悩みも多いのが、“血太り=レモンタイプさん”の特徴。年齢を重ねるほど太りやすく、レモンのようにウエスト周りにお肉がつく傾向があります。レモンタイプさんが太る原因は、栄養や老廃物を運んでいる血のめぐりの悪さにあるといいます。
「血は、体にとって不要な老廃物を運び、体の外へ排出させます。血のめぐりが悪いと老廃物がスムーズに運ばれにくくなり、中性脂肪をためこみやすい体に」(山村さん)
さらに、血にはエネルギーのもとになる栄養を運ぶ働きも。
「血のめぐりの悪い人は栄養の運搬もスムーズでないため、代謝が悪くなります。代謝が悪くなると体が冷えやすくなり、体が冷えるとさらに代謝が悪くなるという悪循環に。ダイエットを成功させるカギは、体を冷やさないようにし、血のめぐりのいい状態をいかに保つかにかかっています」
まずは、食事、服装、生活環境などを見直して体を冷やす要素がないかチェックを!とくにこれからの季節は、冷房、薄着、冷たい飲みものなどで体を冷やす生活に陥りがち。冷えを予防しながら、食事やツボで体質改善を図りましょう。
【食べる】食材選びや調理法で冷やさない食べ方を
食事で求められるものは、やはり温め効果。ポイントは食材選びと調理法にあります。
「野菜には、体を冷やす性質のあるものがあるので、にんじん、大根などの根菜類を多くとること。生野菜より温野菜がおすすめです。また、食事は温かい料理を中心にしたいので、スープや鍋などがよいでしょう」
とうがらしや山椒など、辛味のあるスパイスには血行を促す作用が。料理の仕上げに七味などを加えるのも効果的です。
「これからの季節はビールやアイスなど冷たいものをとりたくなりますが、くれぐれも控えめに!」
生野菜より温野菜を
トマトやなすなどの野菜には体を冷やす性質があります。サラダはブロッコリーやにんじんなど温野菜を中心に。体を冷やす性質のある野菜は、加熱するとその作用が軽減されます。
夏でも温かいものを食べましょう
食欲の落ちやすい夏は、ざるそばや冷やし中華など冷たい料理が食べたくなります。でも、レモンタイプさんは要注意。冷たいもの一辺倒だと体を冷やすので、スープや鍋など温かい料理にして!
<オススメ食材>
ネバネバ野菜や香辛料でサラサラに
オクラ、昆布などネバネバした野菜や海藻には、血液をサラサラにしてくれる性質があります。また、とうがらし、こしょう、山椒などの香辛料や、ねぎ、しょうがなどの辛味のある野菜には温め効果が。積極的にとるのがオススメ。
<ひかえたいもの>
冷たいものや生ものは控える
冷たいものを飲みたいときは氷を抜くなど、できるだけ体を冷やさないように。また、刺し身などの生ものや、生野菜も体を冷やします。体を冷やす性質のあるものは避け、できるだけ加熱調理を!
【飲む】温かいお茶に温め食材をトッピング
血液サラサラにするためには、こまめな水分補給も大切。飲むものにもひと工夫しましょう。
「冷たい水より温かいお茶を!ただし緑茶など発酵していないお茶には体を冷やす作用があるので、紅茶、プーアル茶などを選んでください」
そのうえで、シナモン、おろししょうがなど温め効果のあるものをトッピングすれば、冷えやすい体質の改善に。冷えがひどい人は漢方薬の力も借りるとよいでしょう。
<お茶>
プーアル茶
ウーロン茶、紅茶と同じ茶葉を十分に発酵させたお茶で、脂肪を排出する作用があります。ドロドロ血液の予防に◎。
シナモンティ
温め食材の中でも非常に効果の高いスパイス。スティックで香りづけしたり、シナモンパウダーをふったりして温め効果をプラス。
紅花茶
血行を促す作用にすぐれ、漢方薬にも用いられています。月経痛などの女性トラブルにもオススメ。
【押す】ツボを利用すれば温めケアをさらに効かせる!
ツボには、停滞した血の流れに効くものがいろいろあります。レモンタイプさんは、これを利用するのが非常に有効。
「おすすめは血海と三陰交の2つのツボ。冷えて血の流れの悪い人は、押すと痛みを感じます。お風呂上がりに、体が温まった状態で行うと、より効果が上がります」
温熱刺激を与えるお灸も、このタイプには◎。手軽なお灸も売られているので、ぜひ利用して!
血海
ひざの骨の内側の縁から指幅3本分上がったところ。血流の滞りをとります。親指の腹で「6秒かけて押しては離す」の刺激を10回くり返しましょう。右左同様に行います。
三陰交
内くるぶしの上から指幅4本分上がったところ。押すと痛みがあります。血行をよくして自律神経を整え、ダイエットにも効果的。親指の腹で「6秒押して離す」刺激を10回。
監修/山村紫芳(ニホンドウ漢方ブティック青山店)、取材・文/江口知子