今や、ダイエット法として定番となった、糖質オフや糖質制限。けれど、「やせない」、「体調が悪くなった」と、途中でザセツする人が多いのも事実。ご自身も糖質オフの失敗経験者であるダイエットアドバイザーの岸村康代さんに、糖質オフでやせない理由からダイエットに有効な糖質との上手なつき合い方まで教えていただきました。
Contents 目次
糖質オフでやせられないのはここに理由がある!
糖質を制限して血糖値の急上昇を防ぐというのが、糖質オフダイエットの基本の考え方。でも、結果を出せずザセツしてしまう人が多いのはなぜなのでしょうか?
1カロリーオーバーしやすい
「糖質を食べなければ何を食べていいと、お肉や脂っこいものを好きなだけ食べている方も多いんです。すると、摂取カロリーが多くなり、結局やせられないんです」と岸村さん。糖質オフでダイエットに成功するには、糖質を減らすだけでなく、ちゃんとカロリーも抑えることが必要です。
2動物性脂質の摂取量が増え、体調をくずす
糖質オフダイエットをしていると、どうしても動物性脂質の摂取が多くなりがち。その結果、体調をくずす人も多いそうです。
「胃もたれがしたり、腸内環境が悪化して便秘になったり、免疫力が落ちて風邪をひきやすくなってしまいます。体調がよくなければ、ダイエットが本当の意味で成功したとは言えませんよね」
3リバウンドしやすい
主食やデザートなど好きなものをガマンしなければならない、糖質オフダイエットを長く続けるのは、多くの人にとってツラいこと。
「そのため、元の食事に戻したとたん、リバウンドするケースが多いんです。私も失敗しましたが、2000人以上の方をカウンセリングしてきて、糖質オフが合わない人が多いと実感しています」
最近の動物実験では、極端な糖質オフを行うと、ある一定期間を過ぎると急激に老化が進むという研究結果も出ているそうです。
無理なくやせるには、糖質のとり方を変える!
それでは、やせるためにはどうしたらいいのでしょうか? 岸村さんのおすすめは、自ら13㎏やせに成功したという糖質コントロールダイエット。糖質を上手に取り入れつつ、ゆるくダイエットするというもの。
「糖質オフダイエットと同じように、食後の血糖値の急上昇を抑えることは基本です。でも、糖質を全部制限する必要はありません。ダイエット中、抑えるべきは急激に血糖値が上がりやすい糖。たとえば、ジュースやお菓子に含まれる砂糖や果糖ブドウ糖液糖などです。糖質だからといって、かぼちゃやさつまいもなど野菜に含まれる糖質まで制限するのはナンセンスだと思うんです」
ポイント1 食物繊維+たんぱく質がポイント
糖質は控えながらも上手に取り入れる。それでは、やせたいと思ったら、積極的にとりたいものは何なのでしょうか?
「意識して食べてほしいのは食物繊維とたんぱく質です。食物繊維が豊富な食材は野菜、海藻、きのこ、乾物、雑穀など。たんぱく質が豊富な食材は、肉や魚、卵、大豆製品。これらを食べることで満足感が得られ、食後の血糖値の急上昇も防ぐことができ、糖質や脂質を燃やすのに必要なビタミンB群をとることもできます。野菜を主軸にしてたんぱく質をプラスして、3食たっぷり食べるとよいでしょう。『あれ、野菜や豆乳をとっていたら自然と結果的に食事量が減った』という無理のない方法が理想的。長続きして、結果としてやせられるんです」
ポイント2食べてはいけないものはつくらない
お菓子はダイエット中には控えたい部類の糖質ではあるけれど、絶対NGというわけではないと岸村さん。
「ごほうびという位置づけで、おいしいものを少しだけ、昼の時間帯に食べるといいと思います。糖質単体でとると、血糖値の急上昇を招いてしまうので、食物繊維の多い食事のあとに少量を味わって食べるとか、豆乳ラテなどたんぱく質を含むものと一緒にとるとよいでしょう。あたたかい飲み物が胃に入ると、食欲が落ち着くのでおすすめです」
抑えよう抑えようと思っているとそれがストレスになってしまう。適度なゆるさがダイエットを成功させるポイントなのですね。
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取材・文/野上郁子<オフィスhana>