年末年始の暴飲暴食で胃が大きくなってしまったのか、最近食べても食べても、おなかが満腹にならない!とお困りの人はいませんか? これは東洋医学でいうところの「胃熱」という状態なのだとか。そんなときは、どこでもできるツボ押しで、食べ過ぎグセをリセットしちゃいましょう。
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過食がとまらない原因は、胃に熱がこもっているから
最近食べ過ぎ傾向にあり、一度そうなるとなかなか食べグセが抜けないという人も多いのではないでしょうか。胃がもたれているのに食欲が止まらない。食べても食べても満足感を得られない……といった悪いループに陥っていませんか?
もし、そうだとしたら、胃に熱が停滞してしまう「胃熱」の状態が疑われます。これはアルコールや脂肪分の多いもの、甘いもの、香辛料の強いものなどを食べ過ぎることで、消化吸収をつかさどる脾胃の状態が悪くなっていることをあらわします。
熱量過剰で消化機能がオーバーヒート状態となり、食べても満腹感を得ることができず、過食状態になってしまうのです。これでは胃も休まらないうえに、体重も増加ということになりかねません。
胃熱になると口臭や肌トラブルの元にも
では、胃熱になってしまうとどのような症状があらわれるのでしょうか。胃熱は食べ過ぎによって、胃酸が過剰に分泌されます。そのため胃がもたれたり、チリチリと熱くなったりします。さらに、体はその熱を冷まそうとするため、喉が渇き、水分をたくさんとるようになるのです。
そのほかには、
- 口臭や口の中のねばつき
- 歯ぐきの腫れ
- 便やガスがいつもより多くでる
- 舌がいちごのように赤い、もしくは舌苔がべとっとしている、などがあげられます。
これ以外にも脾胃の不調は、肌に深く関係しますので、吹き出物などの肌トラブルが起きたりと、美容にとっても大敵なのです。
ツボ押しで、胃の疲れをとり過食を防ごう
では、ここで胃熱をとるツボ押しをご紹介したいと思います。ツボを刺激することで、滞っていた気のめぐりがよくなり、体調を整える効果が期待できます。
ツボ押しは、指の腹を使い自分が心地よいと感じる力で行います。押すときは吐く。ツボから手を離すときは吸うという動作を3~5回ほど繰り返しましょう。
足の三里(あしのさんり)
場所と押し方
ひざの外側、お皿から指4本分下がったところ。指をすべらすとへこんでいたり、ハリを感じる人も。親指で強めに押してもOK
効果
胃の働きを高め、自律神経の働きを整える。気血の流れをスムーズにしてくれる代表的なツボ。上にあがった熱を冷ましてくれる。
内庭(ないてい)
場所と押し方
足の人さし指と中指の骨の間の凹み。親指か人さし指で押して。押しにくい場合は指先をくるくる回してもよし。
効果
体にある熱を冷ます働きがある。消化吸収の働きを促す効果も。
中脘(ちゅうかん)
場所と押し方
みぞおちとおへそのちょうど真ん中ぐらい。おへそから指3~4本上が目安。人によっては強いハリを感じる人もいるので、親指か人さし指で優しく押して。仰向けの姿勢で押すのがベスト。
効果
気のめぐりを促し、胃腸の働きを穏やかにする。
天枢(てんすう)
場所と押し方
おへそから指幅2本分横。仰向けの姿勢で、人さし指と中指をそえ、ゆっくりと押す。硬さを感じる場合は、もみほぐすように優しく押して。
効果
便通を整えてくれる。胸やけや嘔気にも効果が。
合谷(ごうこく)
場所と押し方
手の甲側で、親指と人さし指の骨が合流するところからやや人さし指よりの場所。親指でくぼみに差し込むようにして押す。
効果
腸の調子を整える。吹き出物など肌の調子を整える効果も。
この5つのツボが胃熱を抑える代表的なツボです。ツボ押しは、夜寝る前や朝起きたときなど、リラックスできそうな隙間時間をみつけ、自分がよいタイミングで行ってください。
ただし、食前食後にツボ押しをするときは、1時間ぐらい時間を空けましょう。胃熱の自覚症状のある人は、ツボ押しだけに頼らず、甘いものやアルコール、香辛料、揚げ物など消化に負担がかかるものは控えめにすることも忘れずに。
イラスト/湯沢知子 写真/ⓒAndrey Popov-fotolia.com