寒い冬に癒される、あたたかいそば。年越しにおなかいっぱい食べた人も多いのでは。実はそばには、ヘルシーパワーがぎっしり。ダイエットや美肌にも効果的なその実力をご紹介しましょう。
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「肥満ホルモン」の分泌をゆるやかにする、低糖質食材
糖質の多い食品を摂取すると、食後に血糖値が急上昇し、それに反応してインスリンというホルモンが分泌されます。このインスリンは「肥満ホルモン」という別名があるほど、ダイエットのジャマをする厄介者。エネルギーとして使いきれなかった栄養分を、体脂肪としてためこむ働きをもっているのです。
そばは、パン・うどんなどの小麦製品やお米にくらべて、低糖質。食後に血糖値がどのくらい上昇するかを食品ごとに調べ、指標化したものはGI(ジー・アイ)値と呼ばれますが、白米を100とした場合、食パンは91、うどんは85。一方、かけそばは56と、血糖値の上昇がゆるやかになるということがわかります。
話題の「低糖質ダイエット」に挑戦中の方も、安心して食べられる主食なのです。
脂肪燃焼、便秘解消、アンチエイジングにも効果的
糖質面だけでなく、ダイエットに効果的な栄養素もたっぷりのそば。以下に、おもなものをまとめてみました。
脂肪と脂質を燃やしてくれるビタミンB2
ビタミンB2は、体内に入った脂質・糖質・タンパク質を分解し、エネルギー化する際のサポート役。なかでも、脂質の代謝にかかすことができません。ビタミンB2が不足すると、体に脂肪やつきやすくなってしまいます。白米に比べ、そばに含まれるビタミンB2は約4倍。穀物のなかでもトップクラスの含有量です。
がんこな便秘を改善してくれる食物繊維
腸内環境をととのえ、がんこな便秘を解消してくれる手助けとなるのが食物繊維。成人女性は1日あたり17g摂取することが望ましいとされていますが、実際の平均値は約14g(※)となっています。そば1食あたりに含まれる食物繊維は約4g。白米は0.5g、食パンは1.4gですから、1食をそばに置き換えるだけで、大幅に摂取量を増やすことができます。
そばに含まれる食物繊維は水に溶けない性質をもつ、不溶性食物繊維です。水分を吸収して数倍から十数倍に膨らみ胃や腸を刺激するため、満腹感を得やすくなる作用も。一気に飲み込まず、ゆっくりと噛んで食べることもポイントです。
※平成23年国民健康・栄養調査より
アンチエイジング&美肌に効果的なルチン
ポリフェノールの一種であるルチンは、アンチエイジングの心強い味方。老化や疲れの原因である活性酸素の働きを抑えてくれます。また、毛細血管を丈夫にし、血液をサラサラにしてくれる効果も。ビタミンCの吸収率をよくするため、一緒に摂取すると美白・美肌効果がアップします。水に溶ける性質があり、そばを茹でたあとの「そば湯」に豊富に含まれます。そばをいただいた後は、そば湯を飲むのがオススメ。1食あたり、100~200ml程度で十分です。
そば湯&トッピングにも注目!
ひとくちに「そば」といっても、茹でた状態で売られているものや、生麺、乾麺など種類はさまざま。どれも栄養成分に大きな違いはありませんが、より高いダイエット効果を得るには乾麺よりも生麺タイプの方がベターです。ルチン同様、ビタミンB2も水に溶けやすいため、やはりそば湯を飲むようにした方がいいでしょう。
また、小麦粉をつなぎに使用しているものよりも、そば粉100%でつくられた「十割そば」の方が糖質の割合は低くなります。小麦粉を使用しているものでも、原材料名にそば粉の方が先に書いてあるものを選ぶようにしましょう。
トッピングは天ぷらではなく、ビタミンCが豊富なゆずや、食物繊維たっぷりのワカメやめかぶ、とろろなどがオススメ。ヘルシー食材を組み合わせて、そばの美味しさとダイエットパワーを楽しみましょう。
文/本間美加子