ユネスコの世界遺産に登録された「日本食」。食材の豊富さや、栄養バランスに優れた健康的なメニュー、四季に寄り添う繊細な盛り付けなどが評価されての登録となりました。世界的にもヘルシーな食材と調理法の宝庫として注目を浴びる日本食ですが、とくに人気を集めているのが、大豆と、豆腐や納豆に代表される大豆加工食品です。
では実際のところ、大豆の実力とはどれほどのものなのでしょうか? 大豆の栄養素、さらにはイソフラボンだけじゃない、ダイエットの味方となる成分をご紹介しましょう!
Contents 目次
お肉よりも低脂質&米や小麦粉よりも低糖質
大豆には、人間が生きていくうえでかかせない、たんぱく質、炭水化物、脂質という三大栄養素がバランスよく含まれています。ビタミンやミネラル、食物繊維も多く、まさに、自然が作ったバランス栄養食といえるでしょう。
とくに、たんぱく源として大豆を見た場合、お肉にくらべてとてもヘルシー。たとえば同じ量のたんぱく質を大豆と牛バラ肉で摂取した場合、脂質は牛バラ肉の1/9、カロリーは1/4ほどになります。牛肉よりも脂肪分の少ない鶏モモ肉や豚ロース肉と比較しても、脂質は約1/2。おかずの一品をお肉から大豆、もしくは大豆加工食品にかえるだけで、大幅な脂質カットが期待できるのです。
また、大豆は米や小麦粉よりも糖質が少ないため、最近話題の「糖質コントロールダイエット」にもオススメです。
大豆にはダイエット成分がぎっしり!
大豆の美容成分といえばイソフラボンが有名ですが、まだまだほかにもダイエット成分が含まれています。以下にまとめてみました。
<大豆タンパク質には脂質を排出する働きあり!>
大豆タンパク質には、ほかの食べ物で摂取した余分な脂質と結びつき、そのまま体の外へと排出する働きがあります。また、主要な大豆タンパク成分「β-コングリシニン」が、内臓脂肪や中性脂肪を効果的に低減させることが、最近の研究でわかってきました。
<レシチンでコレステロールが低下!>
レシチンは細胞膜などの材料になる成分です。コレステロールを包み込みながら血中に分散させ、血管壁につくのを防ぐ働きがあります。サラサラ血液になることで、代謝がアップする効果も期待できます。
<大豆サポニンで肥満予防!>
サポニンは豆科の植物に多く含まれる成分。とくに大豆サポニンには、腸で吸収したブドウ糖が脂肪と合体しないよう抑制し、脂肪がたまるのを抑える働きがあります。
<イソフラボンで美ボディラインに!>
女性ホルモンであるエストロゲンに似た作用をもつことで有名なイソフラボン。美肌効果や骨粗しょう症予防効果で知られていますが、女性らしいボディラインの維持にも役立つといわれています。イソフラボンを摂取してウォーキングをすると、体脂肪の燃焼効率が高くなるという研究結果も、最近発表されました。
1日2品目以上の大豆&大豆加工食品を食べよう!
健康とダイエットのためには、大豆や豆腐をはじめとする大豆加工食品を1日100g以上食べた方がいいとされています。しかし最近の調査では、日本人全体の平均摂取量が55.3gしかないということがわかりました。しかも、若い世代ほど豆類や大豆加工食品を食べず、30代女性の平均は50gにも達していません。
とはいえ、「必ず毎日、豆類を100g食べる!」というのは、なかなか難しいもの。量はあまり気にせず、1日2品目以上の大豆もしくは、大豆加工食品を摂るように心がけましょう。大豆はスープやサラダの具材にもなりますから、基本的な煮豆以外のメニューも楽しめます。
おもな大豆加工食品は以下の通りです。
・豆腐(木綿豆腐・絹ごし豆腐・焼き豆腐など)
・おから
・豆乳
・納豆
・油揚げ
・厚揚げ
・がんもどき
・凍り豆腐
・湯葉
・きな粉
(※調味料である、みそ・しょうゆは除きます)
大豆は、その栄養バランスのよさから「畑の肉」ともよばれてきました。日本人の健康を支えてきた大豆のダイエットパワーで、美しく健やかな体を手に入れましょう!
文/本間美加子