「美容液をつけているだけでは肌はきれいになりません」と話すのは、まいこホリスティック スキン クリニック院長の山﨑まいこ先生。美肌の基本は腸にあります。腸を整えるために必要なことのひとつに、「摂取する脂質を見直す」ということが挙げられます。今回は、山﨑先生の著書『美しい肌が生まれるところ 腸とこころをととのえる』(ワニブックス)から腸のための脂質のとり方についてお伝えしていきます。
Contents 目次
とりたいオイルVS不要なオイル
前回、美しい肌のために腸活が欠かせないことをお伝えしました。腸内環境を整えるために、いくつか大事なことがありますが、そのひとつとして意識していただきたいのが、オイルの摂取です。
脂質はダイエットの敵といわれていますが、じつは私たちの体を維持するために大切な成分なのです。たとえば、脳の60%が脂質で構成されていることや、ホルモンや胆汁、腸をはじめとするあらゆる細胞膜に、また美しい肌を保つためにも脂質は必要です。
ここでは不要な脂質、とりたい脂質についてお話していきます。
積極的にとりたいのはオメガ3
体内ではつくることができず、意識しないととりづらいのがオメガ3脂肪酸です。代表的なのが亜麻仁油やえごま油などの植物油や、種子に含まれるαリノレン酸、青魚の油に代表されるDHA、EPAなどです。
中性脂肪の抑制や動脈硬化の予防、血液や血管の健康維持に欠かせない脂肪酸で、積極的にとりたいオイルですが、酸化しやすいという難点もあり、加熱には向きません。
免疫力を司るブレーキの役割を担っているのがオメガ3系で、反対に、アクセルとなっているのが、ごま油やコーン油などのオメガ6系。意外にも、アレルギー症状に悩む人にはいいといわれるオメガ3系でさえ過剰な摂取は避けたいところです。
とり入れやすくおすすめのギー
グラスフェッドバターをご存じでしょうか?
グラスフェッドバターとは、牧草 (grass)で育てられた、ストレスのない放し飼いの乳牛からつくられたバターのこと。
一般的なバターは、穀類を食べて育った乳牛からつくられているためオメガ6系が豊富なのに比べ、グラスフェッドバターはオメガ3系の割合が高く、低カロリー。
さらに短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸がダイレクトに肝臓に届くので、腸を休ませることができるのと同時に、脂肪を分解・燃焼しながらすばやくエネルギーに変換されるので、血糖値が上昇する心配がありません。海外ではポピュラーになりつつあるグラスフェッドバター。
日本でとり入れるならグラスフェッドバターから水分や乳糖、タンパク質を完全にとり除いたオイル、オーガニック・ギーがおすすめです。
体にとって不要なオイルとは?
避けたほうがいいのは、植物オイルに水素を添加して固形化した油、トランス脂肪酸です。
マーガリンやショートニングが代表的なもので、アイスクリームやコーヒー用ミルク、菓子パンやお菓子、マヨネーズなどの加工食品に幅広く使われています。
海外では、その有害性が危険視され、ヨーロッパや米国、アジア諸国など、すでに使用禁止になっている国があります。
トランス脂肪酸は腸内で悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らし、細胞の働きを抑制してしまいます。その結果、糖尿病やアレルギー疾患などの引き金になることが考えらえるとされ、できるだけ避けていただきたいのです。
同時に、遺伝子組み換えの原材料によってつくられたものも、避けたい油のひとつ。非遺伝子組み換えならパッケージの原材料に表示があるので、購入する前にチェックしてみてください。
また、オリーブオイルにトランス脂肪酸が含まれた偽造油などもあるので、内容表示を注意して見るようにしましょう。
文/庄司真紀
もっと美肌になるためのメソッドを知りたい人は
山﨑まいこ著『美しい肌が生まれるところ 腸とこころをととのえる』(ワニブックス)