お肉をたくさん食べると、健康によいという考え方もありますが、食べすぎると問題もあるという考え方も出てきています。例えば、お肉を食べるほどに、たんぱく質が豊富にとれるので、健康にはよいという話がある一方で、脂肪を多くとってしまうため、体を壊してしまうというもの。では、お肉をほかの食品に置き換えるとどうなるのでしょう。そんな研究結果がこのたび出ていましたので、参考にチェックしてみます。
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お肉をたくさん食べてもよいの?
お肉を食べると、健康にとってのメリットがあるかどうかという点では、最近ではやや逆風が吹いています。むしろ、健康にとってのデメリットがあるのではという見方が強まっているのです。というのも、お肉をよく食べる人は、心臓の病気やがんが増えてしまうという研究結果が出てくるようになったからなのです。
例えば、最近の調査によると、国民1人当たりの牛肉消費量が世界平均の4倍に近い米国でも、お肉を食べ過ぎるデメリットが注目されるようになってきました。
もっとも、本当にお肉がそのように病気を増やしてしまうのかについては賛否両論。最近の研究からは、お肉を食べているからといっても、食べ過ぎでなければ、心臓の病気が増えることはないと結論を出している研究もあるからです。
このたび米国ハーバード大学の研究グループが、お肉をほかの食品に置き換えたときに、どんなメリットがあるのかという観点から研究を報告しました。
おすすめは「植物性たんぱく質」への切り替え
研究グループは2017年までにお肉とほかの食品とを比べた36件の研究データをとってきて、合計で1800人分の食事の中身と健康状態との関係について分析をしています。
お肉の代わりに置き換えられた食品は、豆類、大豆、ナッツといった植物性たんぱく質のほか、鶏肉、魚、乳製品を含む動物性たんぱく質、精製された白パンやライス、パスタなどの炭水化物などです。こうした食事を切り替えることで、血圧、中性脂肪、コレステロールなどにどんな影響が出てくるかが調べられました。
お肉をほかの食材に変えると健康状態に変化が起こるのかと思いきや、お肉が多いと、中性脂肪値が高くなっていたものの、総コレステロール、リポタンパク質、血圧に違いは現れませんでした。ただ、お肉の代わりに食べる物を大豆やナッツなどにしたところ、いわゆる悪玉のLDLコレステロール値が低くなることがわかりました。
研究グループによると、お肉をどんな食べ物に切り替えるかが大切というわけなのです。お肉を置き換えるといっても、ポテトフライやクッキーに切り替えても健康によいことはありません。研究グループのおすすめは、大豆やナッツなどの植物性タンパク質。オリーブオイルを使って野菜や魚をたくさん食べる地中海食もよいそう。
お肉を食べる頻度が多い人は、こんな研究も参考にして選ぶメニューを少しずつでも変えてみると、ダイエットばかりではなく、病気の予防なども含めてよい効果が実感できるかもしれません。
<参考文献>
Guasch-Ferré M et al. Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials of Red Meat Consumption in Comparison With Various Comparison Diets on Cardiovascular Risk Factors. Circulation. 2019;139:1828-1845. doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.118.035225.