誰もが口にしたことがある身近な食品で、どこか懐かしさやぬくもりを感じるはちみつ。「体によさそう」というイメージを持つ人も多いと思いますが、じつは“プチ断食”に利用できたり、肌や歯をケアできたりと、体のあらゆるところに万能な効果を発揮する食品なのです。今回は、はちみつを使った“プチ断食”の方法を、自然療法に詳しい前田京子先生に教えていただきました。
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“純粋”はちみつには、ビタミン、ミネラルなど栄養がたっぷり
スーパーに行けば何種類ものはちみつがズラリ。ネット上にもたくさんのはちみつが並び、ビン詰め、チューブ型、使い切りとタイプもさまざまです。
「はちみつは、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などを種類豊富に含み、“ほぼ完全な栄養剤”といえる食品です。エッセンシャルオイルと同じで、種類ごとに得意とする薬効がありますが、さまざまな目的に使用しやすいのはアカシアと、いくつかの花から集められてできた百花蜜(ひゃっかみつ)です」(前田先生)
ただし、精製や加熱がされているもの、水あめなどが加えられた「加糖はちみつ」など、はちみつ本来の栄養価が損なわれた“純粋”ではないはちみつが、多くお店に並んでいるのが現状だといいます。薬効を求めるなら、商品や養蜂家の情報をよく調べ、“純粋”なはちみつを選びましょう。
ビタミンCを加えた「はちみつ水」を夕食替わりに
はちみつはエネルギー源にもなり、ビタミン・ミネラル類も豊富に含まれますが、ビタミンCだけは十分ではありません。逆に言えば、ビタミンCを加えると“完全な栄養剤”になるのです。そこで、はちみつにビタミンCを加えて「はちみつ水」をつくりましょう。これを、夕食の替わりにとるのが、はちみつを利用した“プチ断食”の方法。朝食、昼食は普段通りでいいのです。1日だけでも効果を実感できることも多いですし、年末年始の食べ過ぎ具合にもよりますが、2~3日続ければ、お腹スッキリを実感できるはずです。
「はちみつには、腸内の善玉菌を増やすオリゴ糖やグルコン酸が含まれているため、お腹もスッキリ。胃腸を休められるだけでなく、はちみつには粘膜の修復作用があるため、胃腸を内側からケアできます。はちみつ水は、体内の老廃物を排出し、栄養の吸収を高める“デトックス水”でもあるんです」(前田先生)
そのとき体が求める味に微調整し、飲んだあとはゴロゴロするだけ!?
では、いよいよはちみつ水づくり。用意するのは、水、天然はちみつ、天然塩、アスコルビン酸です。アスコルビン酸はビタミンCの粉末で、薬局で入手できます。まず、500㎖の水に大さじ2のはちみつを加えてよく混ぜ、溶かします。高温のお湯に溶かすと酵素が失われてしまうので、お湯を使う場合は冷まして人肌よりやや温かいぐらいに調整しましょう。はちみつを加えた水に、天然塩、アスコルビン酸を各1.5g(小さじ1/4)加えればでき上がりです。
「そのときの体調や直前の食事内容によって、体が自然に求める塩分やビタミンCの量は異なります。もっと酸味が欲しいと感じた場合は、総量2gを上限にアスコルビン酸を加えてみてください。一度に500㎖を飲み干す必要はありません。夕方以降に空腹を感じたタイミングで、何度かに分けて飲みましょう。そして、はちみつ水は、日をまたいで作り置きせず、作ったその日のうちに飲み切りましょう。
飲んだあとは横になり、ゴロゴロと転がって胃全体にはちみつ水を行き渡らせると、粘膜の修復作用が広がるのでおすすめですよ」(前田先生)
文/馬渕綾子 写真(イメージ)/© abc7 – Fotolia.com