ピーナッツの健康効果や美容効果について紹介してきましたが、そもそもピーナッツは“ナッツ”ではないって知っていますか? 今回は、意外に知らないピーナッツにまつわる豆知識を慶應義塾大学医学部 井上浩義教授に教えてもらいました。
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ピーナッツは“ナッツ”ではなく豆の仲間
「ピーナッツは“ナッツ”という名前ですが、正確には木の実ではなくマメ科の植物で、豆の仲間なのです。栄養素は、たんぱく質が豊富で“畑の肉”と呼ばれている大豆と似ています。大豆の栄養成分は、たんぱく質38%、脂質18%、炭水化物15%、糖質15%、水分14%。ピーナッツは、脂質が49%、たんぱく質が26%、炭水化物が19%なので、大豆に比べると脂質がやや多めですが、たんぱく質は大豆と同様に豊富です。ピーナッツはヘルシーで、栄養たっぷりなんです」(井上教授)
「落花生」の名前の由来とは?
「ピーナッツは落花生とも呼ばれますが、この名前の由来を知っていますか? ピーナッツはマメ科の植物ですが、ほかの豆と違って土の中に実ができます。夏の朝に咲いた黄色い花が午後にしおれ、数日すると花の下の子房と呼ばれる部分が地表に向かって伸びていきます。それが土の中に数センチもぐりこむと発育が始まり、100日くらいかけてかたいカラに成長します。“花が落ちた場所に生る”から落花生なんです」
ピーナッツの名産地はなぜ千葉県?
「ピーナッツは南アメリカのアンデス山脈が原産で、栽培が始まったのはペルーではないかといわれています。その後、アフリカ、インド、ヨーロッパと伝わり、世界中に広がりました。日本には中国から沖縄へ伝わり17世紀から栽培されていたようですが、本格的な栽培は明治時代になってから。千葉県山武市で栽培が始まりました。
この場所は関東ロームの火山灰の土壌なので、ピーナッツの子房がもぐりこむのに適していたのです。現在、国産ピーナッツの8割弱が千葉県産です。最近は北海道でピーナッツを作る試みがおこなわれています。ピーナッツは南方系の植物なので昔は北海道では作れなかったのですが、地球の温暖化で北海道でも作れるようになってきたんですね」
参考書籍
『ハーバード大の研究でわかった ピーナッツで長生き!』
取材・文/小高希久恵