「食べてやせたい!」という欲張りな女性に人気の糖質制限ダイエット。最近、健康やダイエットのためにとり入れる人が増えています。そこで今回は、糖質制限ダイエットにより1年間で−20kgの減量に成功した、管理栄養士の麻生れいみ先生に糖質制限ダイエットのコツを伺ってきました。
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1年間で20kgやせを実証! そのヒミツは?
私は30代後半まで仕事のストレスで体重が増え、ひざが痛くなったり腰痛に悩むぐらい太っていました。友達と旅行に行っても、途中でひざが痛くなり歩けなくなることもたびたび。ところが私が37歳のとき、当時流行っていた冷しゃぶドレッシングにハマり、毎日3食冷しゃぶサラダをお腹いっぱい食べ続けたところ、運動など一切していないのに、気づいたら1年間で20kgもやせていました。
冷しゃぶサラダは、肉だけでなく魚でもアレンジしたり、野菜もたっぷり入れて食べていました。その結果、肉や野菜でお腹がいっぱいになってしまうため、ご飯を食べなくても十分お腹は満たされていたのです。つまり、知らないうちに理想的な糖質オフ(炭水化物抜き)の生活を送っていたということになります。
糖質オフは健康的にキレイにやせる!
体重が落ちるにつれ顔色や体調が以前よりもよくなり、ひざの痛みや腰痛も解消していき、日々健康になっていくのを実感しました。また、美容面でもうれしい効果が! 太っていたときよりも肌や髪はキレイになり、ハリとツヤをとり戻していきました。二重あごだったフェイスラインはすっきりと、ウエストはくびれも出て、メリハリのあるボディを手に入れることができたのです。それから、53歳になった現在でも糖質オフの生活は板につき、体重と体型はキープしています。
そんな私を見て、周りの友人や知人から「どうやってやせたの?」と聞かれる機会が増え、そこで冷しゃぶサラダの話をすると、それを実行した人が次々とやせて元気になっていったのです。産後のママやラーメン屋さんを経営している友人など、ぽっちゃり体型の人が痩せていく姿を見て「なぜ痩せることができたのか?」と不思議に思うようになり、そこから栄養学を学びはじめました。その時、体に脂肪をため込まないためには、急激に血糖値を上げないことが重要だということが分かったのです。
血糖値の急上昇は肥満の原因に
私たちの体は、食事をすると血糖値が上がるようにできています。血糖値が上がると分泌されるインスリンというホルモンは、糖をエネルギーに変え、血糖値を下げる働きがあります。しかし、インスリンには余った糖を脂肪に変える働きもあるため、体に脂肪が取り込まれ、それが肥満につながるのです。防ぐためには、ふだんの食生活で糖質を控えることが大切になってきます。
血糖値の急上昇を防ぐための食事法
まず、血糖値の上昇を防ぐためには、糖質の少ない食事を心がけることが大切です。数字で表すと、1食あたりの糖質量が20g以下、1日で60g以下が目安です。糖質制限ダイエットをする場合は、導入期の1週間は断糖、減量期の2週目からは糖質量1食20g、それ以降は体重をキープする時期に入りますので、この期間に入れば糖質量1食20〜40gまで摂取しても大丈夫です。
さらに、食物繊維をとることも必要。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があります。水溶性は粘性があり、消化管をゆっくりと移動する途中で余分なカス(糖質や脂質)を吸着し、血糖値の上昇を防ぎます。一方、不溶性は水分を吸収して膨らむことで、腸内のかさを増し、便通を促します。
食べ方としてオススメなのは「ベジファースト」という方法です。まず、野菜・きのこ・海藻類を最初に食べます。その次に肉や魚、卵、大豆類。最後にご飯やパン、麺類という順番で食べると血糖値の急上昇を防ぎ、かつ余分な糖質や脂質の吸収もブロックすることができます。
ご飯や甘いものがどうしてもガマンできないときの対処法
糖質制限中、どうしても小腹が空いて甘い物が食べたくなってしまった時のために、高カカオのチョコレートや、小魚やナッツ、あたりめといったおつまみ系のお菓子を常備しておくと便利です。かみごたえがあるので少量で満足感が得られます。続けるうちに、甘いものを食べたくなる衝動が収まってくるはず。どうしても甘いものがガマンできない人や、頭をよく使う人はビタミンB群が不足しがちなので、サプリメントを活用するのもひとつの方法です。
また、白いご飯が食べたくなったときは、作りおきのおかずやサラダを用意しておくと、ご飯を食べすぎずに済みます。小腹が空いた時用に、作り置きの糖質オフスイーツを用意しておくのもよいですね!
糖質オフダイエットをしているけれど停滞中…、という人は一度やり方を見直してみるといいかもしれません。麻生先生も実践していた冷しゃぶサラダは、美味しくて調理も簡単! 糖質制限ダイエットで挫折してしまった人は、冷しゃぶサラダをとり入れて、再チャレンジしてみてはいかがでしょう。
文/FYTTE編集部