ご飯や麺などの炭水化物。炭水化物といえば、「太る源」「夜は食べたくない」などダイエットにとってマイナスな印象が強いのではないでしょうか。最近では炭水化物を減らす「糖質制限ダイエット」も話題となり、ますます「炭水化物=減らすべきもの」というイメージが定着している気がします。そんな、なんだか分の悪い炭水化物ではありますが、食べ方を少し工夫するだけで太りにくく、血糖値の上昇が緩やかになるそうです。そこで今回は、炭水化物の最新健康常識をクローズアップ。太りにくい炭水化物のとり方を学んでいきましょう。
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炭水化物は冷やすべし!?
7月1日放送の「名医のTHE太鼓判!」(TBS系)では、双子の姉妹協力のもと、血糖値が上がらない炭水化物のとり方を検証。2人にはから揚げ定食を食べてもらい、食後の血糖値をそれぞれ計測します。2人が食べるから揚げやご飯の量はまったく一緒。ただし姉には温かいご飯を、妹には冷めたご飯を食べてもらいました。
そして食後に2人の血糖値を計測したところ、姉の血糖値は「65」もアップ。一方妹の血糖値は「32」しか上がっていません。この検証結果は、熱いラーメンと冷やし中華でも同じ。ラーメンよりも冷やし中華のほうが、食後の血糖値上昇が緩やかだったのです。
この結果についてくわしく教えてくれたのは、岐阜大学の応用生物科学部教授・早川享志先生。先生の話によれば、炭水化物は冷えるとデンプンの一部がレジスタントスターチに変わるそうです。
レジスタントスターチとは、別名「難消化性デンプン」と呼ばれるデンプン。消化されにくい性質を持ち、本来消化されるはずの小腸もそのまま通り抜けます。常温でもレジスタントスターチは増えますが、とくに冷蔵庫内が最適な温度。麺やご飯をいったん冷蔵庫で冷やすだけで、肥満や血糖値上昇の予防につながります。
冷めてもおいしいおにぎりの作り方
炭水化物好きにはありがたいレジスタントスターチですが、「冷やご飯」という発想に抵抗を感じる人もいるかもしれません。そんな人はこの番組で紹介されていた、冷めてもおいしいおにぎりを作ってみてはいかがでしょうか。コツを教えてくれるのは人気おにぎり専門店「蒲田屋」2代目店主・添野勝利さんです。
ひとつ目のポイントは、炊き上がったご飯をほぐして水分を飛ばすこと。熱々のご飯には、よぶんな水分が多く含まれます。水分を飛ばさずにおにぎりを作ったり、お弁当箱に詰めたりすると結露でご飯がビショビショに。添野さんはよぶんな水分を飛ばすために、バットへ移したお米を切るようにほぐしていました。
さらにおにぎりの握り方にも重要なポイントが。一般的におにぎりは両手で覆うように握りますが、添野流の握り方はひと味違います。やり方は手のひらにご飯をのせ、指の腹でふんわり形を整えるだけ。ご飯は時間が経つと潰れてかたくなってしまうので、お弁当箱に詰める際もふんわり盛りつけるのがおすすめです。
実際に試した人からは、「たしかに舌ざわりがやわらかいね」「お米がちゃんと立ってる感じがする」「お米のベチャッとした感じがまったくない」と大好評のよう。太りにくい絶品おにぎりを作って、効率よく糖質を抑えてみてはいかが?
文/プリマ・ドンナ