キレイと元気のためにも、ビタミン・ミネラル、食物繊維の多い野菜はしっかり摂りたいもの。でも、忙しい現代人の食生活は、外食が多かったり、肉食に偏ったりなど、野菜不足になりがちです。厚生労働省では、成人は1日に野菜を350g以上摂ることを目標としていますが、「350g」といわれても、何をどう食べたらいいのか、実のところよくわからないという人が多いのではないでしょうか? そこで、管理栄養士の大越郷子先生に、野菜350gを無理なく摂るコツを教えていただきました。
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加熱調理なら、かさが減って食べやすい。生食で酵素&ビタミンCをGET!
「野菜の量を摂るには加熱調理がおすすめ。かさがぐっと減るのでたくさん食べることができます。加熱することで吸収率が高まるなど、栄養価がアップするものもあります。トマトの赤い色素成分・リコピンがその例。強い抗酸化パワーがあり、美肌やアンチエイジングに欠かせない成分ですが、このリコピンを積極的にとりたいなら、トマトはぜひ加熱調理を。
一方、生の野菜を食べることのメリットも、もちろんあります。消化やエネルギー代謝、新陳代謝などに深く関わり、疲労回復、美肌作り、ダイエットをサポートするといわれる酵素は熱に弱いので、生食することで効率よく摂れます。また、ビタミンCも加熱によって損われやすいので、生のまま摂るのがベストです。
カラダにいい野菜の食べ方は、加熱と生の、両方の調理法で摂ることです。たとえば、お昼に肉と野菜の炒めものを食べたら、夜はサラダやあえものなどの小鉢を添え、意識して生野菜を摂るようにするとよいでしょう」(大越先生)
トマト1個+パプリカ1個+きゅうり1本。シンプルな「野菜セット」で350gもラクラク!
加えて、野菜1個・1本のg数や、1回で食べる分量のg数をおおまかに覚えておくことを大越先生はおすすめします。
「いまが旬の野菜なら、トマト1個150g+パプリカ1個120g+きゅうり1本100gで、合計370gくらいですから、1日に摂る量は十分にクリアできます。簡単な組み合わせの“350g野菜セット”を作るといいですよ。あれも、これもとたくさんの種類を摂ろうと気負わずに、3つくらいの、シンプルな野菜セットを頭に入れておくんです」(大越先生)
なるほど、これなら350gも意外とラクに食べられそうです。緑黄色野菜と淡色野菜を組み合わせて摂るようにすると◎。調理も難しく考えず、たとえば、トマトやパプリカはレンチンしたり、さっとソテーしたり。いっしょに蒸し煮やスープにすれば、ペロリと食べられます。きゅうりはそのままかじったってOK。外食するときも、この“野菜セット”が頭にあれば、メニュー選びの目安にもなるので、上手に組み込んでいくとよいでしょう。
秋なら、たとえば、大根3㎝100g+れんこん1節100g+にんじん1本160~180gで、目標値をラクラク達成。大根はおろしたり、せん切りにしたりして生で。れんこんとにんじんは筑前煮などの煮もの、酢豚、きんぴらなどでどうぞ。
以下、夏と秋が旬の野菜を中心に、重量(g数)の目安をリストアップしました。自分で食べやすい野菜セットを作り、ゲーム感覚でさっそく試してみましょう!
おもな夏野菜の重量の目安
トマト 1個 150g
ミニトマト 1個 10~15g
きゅうり 1本 100g
なす 1本 80g
パプリカ 1個 120g
ピーマン 1個 30g
かぼちゃ 1/8個 150~200g
オクラ 1本 8~10g
おもな秋野菜の重量の目安
ごぼう 長いもの1本 170~180g
れんこん 細めのもの1節 100g
大根 3㎝ 100g
かぶ 1個 140g
にんじん 1本 160~180g
おなじみの常備野菜の重量の目安
玉ねぎ 1個 200g
キャベツ 1/10個 100~120g
*きのこやいも類は、野菜量には含まれません。
取材・文/鹿野育子