40代でなんと17㎏ものダイエットに成功した、Rサイエンスクリニック広尾院長の日比野佐和子先生。テレビや雑誌で話題の『眼トレ』提唱者で、アンチエイジングのスペシャリストでもある日比野先生に、さまざまなダイエットを試したというダイエット遍歴や、最終的にたどり着いたダイエット法をご紹介します!
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17㎏の増減を繰り返したダイエット歴
「私の家系は太りやすい体質で、本当にちょっと油断すると太ってしまうんです(笑)。それだけに、これまでにものすごい数のダイエットをしてきました。アメリカで話題のダイエットとか、よさそうなものをいち早く取り込んでは失敗の繰り返しでした」と日比野先生。
とくに太ってしまったのが、31歳で渡米した際。2年間で17㎏も体重が増えてしまったそう。帰国後、厳しい糖質制限を行い、3か月で17㎏減に成功し、元の体重に。しかし、一切炭水化物を摂らず、肉を中心にした糖質制限の食生活を3年間続けていたところ、脳梗塞寸前(一過性脳虚血発作)の状態になって救急車を呼ぶ事態に。このままの食生活を続けていては体が危険と、食生活を戻すと、2~3か月で17㎏増のリバウンド。元に戻ってしまった。
そんな日比野先生が一念発起したのが42歳のとき。「実は、もともと朝食と昼食を抜いて、夜しか食べない一日一食の生活だったんです。でも、一日一食って確実に血糖値が急激に上がってしまうので絶対に太るんですよね。というのも、空腹のまま食事をすると血糖値が急激に上がります。すると血糖値を下げるホルモンのインスリンが大量に分泌されるのですが、このインスリンには、使い切れなかった糖を脂肪に変えて蓄える働きがあるので、大量に分泌されてしまうと体に脂肪がつく原因になるんです。そのため、いかに血糖値を上げないかということが重要で、そんなときにちょうどハリウッドで流行っていた5食ダイエットを知ったんです」
血糖値が上がらない5食ダイエット
朝食、間食、昼食、間食、夕食と、午前と午後に1回ずつの間食を必ず加える5食ダイエット。「3~4時間置きに食べ物を一日5食を摂ることで、血糖値も上がりにくいし、結構みんなキレイに痩せているんです。 私の場合は、3か月くらいでだんだん落ち始めて、1年かけて17㎏減らせました」
間食は自分流にアレンジ
間食は、ちょっとつまむ程度。日本には玄米があるので、玄米フレークや玄米グラノラを食べたり、ナッツ類が大好きなのですが、カロリーが高いので1回10粒までと決めて、ピスタチオやカシューナッツ、アーモンドやクルミなどを食べています。クルミはGI値が18とナッツ類の中でも低く、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らすオメガ3脂肪酸の含有量がダントツで高いんです」
我慢はしないでストレスなくやせる
「今までは食べないというダイエットで無理したり我慢したりして、その結果、リバウンドしていたんですよね。でも、たとえば絶食とかしたら、体はスポンジのように吸収しやすい状態になってしまうわけです。しかも我慢したストレスで、後でご褒美とかいって食べ過ぎてしまうことも。『病は気から』というようにダイエットにもメンタルがすごく重要です。楽しく食べてストレスなく痩せるというのが大切で、その点、5食ダイエットはちょっとお腹が空いたときにちょっとつまんでおくことで、あまり空腹感を感じず、後で勢いよく食べ過ぎないですし、血糖値が上がりにくくなります」
「アイスクリームとか甘いものをちょっと食べたいなと思ったら、ひと口だけちょっと食べるんです。それで戻す(笑)。今までは全部食べないと気が済まなかったんですけど、食後にひと口だけ食べるだけでも満足します。まったく我慢してしまうと、タガが外れたときに一気に食べてしまう可能性があるので、とにかく無理なく続けられることが大事です。」
朝ごはんはしっかりと!
「朝ごはんはしっかり食べることと、夜は軽めにするのもポイントです。朝食を食べることで食べ物を消化・吸収するエネルギー消費量が高まり、太りにくく痩せやすくなるので、朝食抜きは絶対にやめましょう。そして夕食は、サラダやスープなど、胃腸に負担のない軽い食事をしています。外食とかもあるのですが、外食の日はできるだけ早めに食べて、帰ったらあまり食べないとか、寝る前3時間以降はあまりものを食べないようにしています」
GI値の低い食品を選ぶ
「それから白米やうどん、パンなどの白い炭水化物は一切食べてないですね。白米ではなく玄米か胚芽米、白い小麦粉の代わりに全粒粉とかライ麦、麺類ならお蕎麦など、血糖値が上がりにくいものを選んでいます。これらはいわゆる低GIといって血糖値の上がりにくいもので、食べる順番もGI値が低い食品から食べ始めると、血糖値が上がりにくくなります。定食なら、サラダやあえ物、おひたし、スープから食べ始めるのもおすすめです。さらに、早く食べてしまうと血糖値が上がってしまうので、ゆっくり食べるのも大切です」(日比野先生)
取材・文/奥沢ナツ