疲れを感じたり、気分転換をしたかったりするとき、ふだんはガマンするようにしていても、甘い飲み物につい手が伸びることはあります。でも、やっぱり飲み過ぎになっているとしたら、控えるのが得策です。砂糖を含む甘い飲み物をとる量が多いほど、体重に跳ね返ってくるばかりではなく、思わぬデメリットもありそうだという研究報告が出てきたのです。
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砂糖や人工甘味料の入ったドリンクを調べたところ…
コンビニにずらりと並ぶ、ソフトドリンクやジュース。甘い飲み物を飲むとカロリーオーバーの恐れもあるため、つい手が伸びそうだけれどもガマンしているという人も多いことでしょう。このところ甘い飲み物を飲みすぎる問題が世界的にクローズアップされています。最近も、米国ハーバード大学の研究グループが、甘い飲み物を飲む頻度が増えると、寿命が縮んでしまう傾向があると報告して注目されました。
このたび新たにフランスのパリ北大学などの研究グループも甘い飲み物が、がんと関連している可能性があるという研究結果を発表しました。フランスで2009〜2017年に行われた調査研究での10万1257人分のデータからわかったものです。アンケートと6か月ごとの食事記録、さらに医療情報を突き合わせて調査。対象になった飲み物は、糖分含有97種類と人工甘味料入りの12種類。100%フルーツジュースや砂糖入りの温かいドリンクも含んでいます。
乳がんのリスクが高まる
分析の結果としてわかったのは、砂糖を含む甘い飲み物の摂取量が1日当たり100 ml増えるごとに、何らかのがんになるリスクが18%増えていました。このうち乳がんになるリスクは22%増えていました。100%フルーツジュースでも、1日100 ml増えるごとに何らかのがんになるリスクが12%増えるという結果に。ただし、人工甘味料ドリンクは、がんになるリスクと関連しませんでした。
今回の結果は相関関係を調べたものなので、何ががんを引き起こしているのかという因果関係はわかりません。ですが、研究グループによると、一般的に体重が増えると、がんのリスクが増すほか、血糖値を下げるホルモンであるインスリンがうまく働かなくなってもがんのリスクが上がる可能性があるようです。
研究グループは、今回の結果をさらに検証していく必要があるとしながらも、砂糖を含む甘い飲み物を控えることは、健康を守るためだけでなく、がんの予防のためにもよいのではと指摘しています。
<参考文献>
BMJ. 2019 Jul 10;366:l2408. doi: 10.1136/bmj.l2408.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31292122
https://www.bmj.com/content/366/bmj.l2408