太る原因はカロリーのとり過ぎや運動不足といわれがちですが、戦後と比べるとむしろエネルギー摂取量は減っている一方で、メタボリック症候群は中年男性の半数以上の人が該当しているのが現状です。ここにかかわってくるのが生体リズムの変化。同じ食事内容でも太りやすい時間があるのもこの生体リズムによるものです。
今回は、作業療法士の菅原洋平さんの著書『ストレス0(ゼロ)ダイエット』(詩想社)から、生体リズムと絶食時間のかかわりについてお伝えしていきます。
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絶食タイムが生体リズムをサポート
夕飯から朝までは何も食べていない絶食の時間。そこで朝食をとることは体のリズムを整えるため、健康によいといわれます。
しかし、せっかく朝食をとっても、遅い時間に夜食をとったら、意味がなくなると知っていましたか?
「朝食をとっても夜遅い時間に食事をするのでは意味がありません。“絶食時間”が短くなってしまうからです。じつは、生体リズムの恩恵を受けるには、絶食時間が大きなポイントなのです。人は深部体温が高くなるほどハイパフォーマンスになり、低くなるほど起きていられなくなります。私たち人間の深部体温は、起床11時間後に最高になり、起床22時間後に最低になるリズムをもっています」(菅原さん)。
朝6時に起きる生活の場合は、午後5時ごろに最も元気になり、たとえ徹夜をしようとしても午前4時ごろにはうとうと眠ってしまうということになります。
生体リズムに沿って生活すると快眠ももたらされるということ。
生体リズムでは15時に食べたものと、22時に食べたものでは脂肪が約5倍も増えやすくなるといわれます。
早めの夕食はダイエットのポイントですが、それだけではなく、早めの夕食は睡眠にもかかわっているのです。
それは絶食時間が生体リズムのスタートを明確にしてくれるからなのです。
休みボケ・時差ボケを防ぐ絶食タイム
休みボケや時差ボケ解消にも絶食は効果的です。
「ビジネスや旅行で海外に行くと時差ボケを体験しますね。時差ボケを軽減する最も簡単な方法が、機内食を食べないことです。現地に到着して最初の朝食の前10時間を絶食するのです。フライト中に機内食が2回出る場合、2回目の機内食を食べないようにして、現地に到着します。夜に到着したならば、あまり食べずにベッドに入り、ホテルで朝食をしっかり食べます」(菅原さん)。
絶食が破られたところから生体リズムがスタートするので、絶食時間を十分にとれば生体リズムが助けられ時差ボケが軽減される仕組みです。
休みが長く続くと、連休明けは休みボケがきついですが、その場合も同様です。
「夜ふかしが続いて不規則になった場合でも、連休の最後の夕食を17時ごろなど、通常より早い時間に終わらせて、そのまま翌朝まで絶食します。飲み物は飲んでも構いません。翌朝、最初の朝食を食べると、長時間にわたった絶食が破られ、生体リズムスタートの合図になります」(菅原さん)。
時差ボケや休み明けに朝起きるのがつらい、頭がぼーっとしてしまうという人はぜひとり入れてみてください。
生体リズムに沿って生活すると、同じ食事内容であっても脂肪がつきにくくなりやせ始めます。加えて絶食時間は快眠や日中のパフォーマンスとも深いかかわりがあります。夕食時間を試しに早めてみると、翌日以降その効果を実感できるでしょう。
文/庄司真紀
菅原洋平(著)『ストレス0(ゼロ)ダイエット』(詩想社)