食事をするとおなかがいっぱいになり、そのあと、時間がたつとおなかがすく…。それは自然な食欲のリズムですが、急に食欲が抑えきれなくなってドカ食いしてしまったり、ついついダラダラ食べてしまったりと、本来のリズム以外の食欲に悩まされる人も多いはず。「食欲はどうやって生まれるの?」「ダイエット中はどうやって付き合えばいい?」気になる食欲の仕組みと疑問を解明!
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脳を制するものは、食欲を制す!
「食欲は、脳によってコントロールされています。体内のエネルギーが不足してくると、『食事をしてエネルギーをとりなさい』と体に指令を出すのです。そして、食事をしてエネルギーが補われると、今度は『満腹だから食べるのをやめなさい』と指令をだすのです」(かたやま内科クリニック院長・片山隆司先生)
過去の経験から脳が“食べたい”と判断する
体のエネルギーが不足すると、食べたい気持ちになるはず。それなのに、どうして満腹でも目の前のお菓子を食べたくなるのでしょうか。
「そのカギをにぎるのは、やはり“脳”。食べ物を前にすると、その見た目やにおいといった情報を、過去の経験に基づいて判断します。そして『おいしい可能性が高い』と結論を出すと、満腹でも食べたいという気持ちが起きるのです」(片山先生)
食べる必要がない理由を脳に納得させて食欲セーブ!
おいしさを味わいたくて生まれる、ニセの食欲。これに従ってばかりいては、当然、体はエネルギー過多となり、太ってしまうことに。こうした食欲とどのようにつき合っていけばいい?
「ニセの食欲は脳が自ら生み出したもので、エネルギーとしては必要のないものです。それなのに食べたいと思うのは、そこから得られる快感を欲するあまり、本当は不必要な理由を脳が納得できていないため。理性を働かせて理由を納得できれば、食べる気持ちは自然とおさまるでしょう。食べる前にわざと別のことをするといったことで興奮した気持ちをいったん静めると、理性を働かせやすいですよ」(片山先生)
腹もちのよい食べ物で血糖値を急降下させない!
たっぷり食べて満腹になったのに、すぐにおなかがすくのはどうしてなの?
「脳はさまざまな情報をもとに、体がエネルギー不足と判断して食欲をわかせます。その重要な情報のひとつが、血糖値の低下。食事をとると血糖値が上がり、下がってくると空腹を感じやすくなります。血糖値の上下のスピードは食べ物によって異なります。お菓子や具の少ない主食といった糖質に偏った食べ物は、急激に上がって急激に下がるため、腹もちがしないのです。逆に、食物繊維が多い食べ物や酸味のあるもの、油ものなどはゆっくり上がってゆっくり下がるため、満腹感が持続します」(片山先生)
ストレスが食欲を刺激
ストレスを感じると食べ過ぎてしまうのはなぜでしょう。
「ストレスは、人にとって危機的な状況。そのため、ストレスを感知すると、それに立ち向かおうとして、エネルギーを必要以上に補充しようとするのです。それが、イライラすると食欲がわく原因です」(片山先生)
いかがでしたか? 食欲を制するのは「脳」。脳と食欲の仕組みを理解して、上手に付き合っていくのが、ダイエットへの近道といえそうです!
監修/片山隆司、構成・文/室川円香