今まで、数多くのお宅の掃除や片づけを手伝ってきた、幸せ住空間セラピストの古堅純子さん。たくさんの片づけられないお宅を見てきて、「片づけ下手の人は痩せにくい」という、片づけとダイエットとの関係性を発見! 著書累計60万部にものぼる片づけマスターに、ダイエット成功へのヒントを学びます。
Contents 目次
部屋を片づけてもリバウンドしてしまう原因とは?
がんばって片づけてもまた元通りに散らかしてしまう人、多いですよね。それはなぜか? 収納にばかり目が行っているからなのです。
収納とはモノをしまう行為。でも部屋を片づける本当の目的は「快適に暮らすこと」のはず。つまり部屋を片づけるというのは、あくまで「幸せに、快適に生活するための手段」なのです。
だから、モノの置き場所を決め、何一つあふれさせることなく収納をしても、モノの出し入れがしにくかったり、使い勝手が悪ければ、それは「快適な生活」とは言えないのです。第一に考えるべきは「収納空間」よりも「住空間」。そこを間違えないようにしましょう。
そしてもう1つ、部屋が散らかってしまう原因に「チョイ置き」があります。「チョイ置き」とは、バッグや雑誌など身の回りのモノをテーブルやイスの上に何気なく置いてしまう、アレです。チョイ置きがクセになっていると、せっかく片づけても、部屋はあっという間に元通りに散らかります。このクセをなくせば、散らかった部屋にリバウンドするのを防ぐことができるのです。
リバウンドしにくい部屋にするには?
スッキリ片づいた部屋をキープするためには、モノを出しやすく、戻しやすい場所に収納することがポイント。1秒で元に戻せるような収納場所・収納方法にしておけば、チョイ置きや出しっぱなしがグッと減ります。
そのために、固定概念は捨てましょう。例えば、ひんぱんに使用するリビングのクローゼットに「リビングで使うから」と思い込んで、延長コードやタップのたぐいを収納するとします。でも、よく考えたらそれを使うのは1年に1度あるかないか。これでは、他にもっとよく出し入れするモノがあるのに、その収納場所を奪ってしまうことになるのです。こうした固定概念や思い込みは、時として大きな壁になります。柔軟な発想で、自分なりの暮らしやすい空間や、収納の使い方を考えるようにしましょう。
もう1つ、リバウンドしにくい快適な住空間のためにオススメなのが、古堅式オリジナル片づけ術「ざっくりBOX」。ほぼ毎日使う、いちいち収納に戻すのがめんどうなモノや、どこにしまうか迷ってしまうモノなどを、まとめて入れておく箱のことです。「ざっくりBOX」は、部屋の雰囲気にあった素敵なBOXであれば出しっぱなしにしておいてもOKですが、できれば収納の中のゴールデンゾーン(出し入れしやすい場所)にあるのがベスト。ここにとりあえず入れておけば、部屋にチョイ置きがなくなり、空間がスッキリします。ただし、ざっくりBOXは定期的に見直して、物があふれる前に中身を整理することが大切です。
ダイエットのリバウンドとの共通点
「リバウンド」という言葉は、ダイエットを想起させますよね。実際、片づけのリバウンドとダイエットのリバウンドは似ています。
まず、がんばり過ぎても続かないということ。一気にモノを減らして片づけようと思っても、買い物癖が直らなければリバウンドしてしまいます。ダイエットも、初めからいきなり追い込みすぎると、かえって健康を崩したり、今までよりも太ってしまう結果に。
部屋は散らかれば散らかるほど、片づいた状態に戻すのに時間も手間もかかります。ダイエットも2~3kg増えた時点なら元に戻すのも難しくありませんが、5kg~10kg増えてしまってからではとっても大変。一度理想の状態になったら「その状態をキープすること」が、片づけでもダイエットでも大事なことなのです。
最後に、成果が出て認められると、もっと頑張ろうというプラスの気持ちになるというのも、片づけとダイエットの共通点。部屋がキレイになり、家族からほめられるようになると、それまで全然身なりに気を遣わなかった奥さんが、見違えるように美しく変わっていった例も私は目にしています。ダイエットも同じですよね。やせてキレイになり、周囲の人にほめられると、もっと美しくなろうと頑張れる。片づけもダイエットも、努力が報われるとよりポジティブに生きられるようになる、というのは一緒なんですね。
いつもハッピーでいるために、「戻せるうちに戻す」という習慣を身につけて、快適な住空間と理想の体型を手に入れましょう!
古堅純子さんの収納ルールをもっとくわしく知りたい人は
取材・文/遊佐信子