ダイエットでは、食べる種類や量を制限して体重を減らすのが一般的。毎日食べる量を減らすカロリー制限と、限られた時間だけやるプチ断食は有名です。このたび、ノルウェーの研究グループが、2つのダイエット法を比較。どちらがより食習慣を改善してくれる効果があるのかを調べました。さて、本当にやせられるのは…?
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プチ断食VS継続的なカロリー制限
ダイエットのためには、食べ過ぎを避けて、腹八分目の生活を続けることが大切です。難しいのは継続することで、せっかくやせたのに、お腹がすいたといってついお菓子などに手が伸びてしまえば、元も子もありません。きっと、こうしたリバウンドに悩む人も少なくないはず。食習慣をいかによい方向に変えていけるかが、ダイエット成功のカギです。
このたびノルウェーの研究グループが、肥満の男女112人を「プチ断食」グループと「継続的にカロリー制限」グループのいずれかにランダムにグループ分けして、ダイエットの効果においてどちらがすぐれているかを調べました。調査開始時と、3か月後にアンケートを行って、食生活の改善にどのような違いがあるかを分析したのです。
カロリー制限の効果がややすぐれる
わかったのは、カロリー制限のほうが、プチ断食よりも、ややすぐれているということです。というのも、カロリー制限のほうが、食習慣の改善につながりやすい面があったから。
2つのダイエット法で変わらなかったのは、体重の減り方のほか、カロリーや主要な栄養素の摂取量。ダイエット効果そのものは2つのグループに差はありませんでした。ですが、詳しく見ると、カロリー制限グループは、プチ断食グループと比べて、果物やベリー類、野菜といった健康的な食材の摂取量が増えたことがわかりました。さらに、食物繊維の摂取量もカロリー制限グループで増加しているという結果。一方、糖分の摂取量は、プチ断食グループの半分になっていました。
プチ断食グループは、カロリー制限グループに比べて、葉酸、カリウム、マグネシウムの摂取量が減少。ビタミンCの摂取量は、カロリー制限グループで増えていました。
研究グループは、カロリー制限グループのほうが、プチ断食グループよりも自発的に食事制限をしていると指摘。今回の研究は肥満の人を対象にしていますが、ダイエット法を考えるときには、こうした研究の結果を参考にしてみてもよいかもしれません。
<参考文献>
Eur J Clin Nutr. 2019 Jul;73(7):1006-1014. doi: 10.1038/s41430-018-0370-0. Epub 2018 Dec 4.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30514879