ダイエットを行う際に、何を取り入れるのかはとても重要です。糖質オフやランニング、レコーディングダイエットなど方法はさまざま。でもじつは大前提として、その人の思考やメンタルがかなり大きく関わっているといいます。これまでに約3万人もの肥満患者への指導を行ってきた左藤桂子先生にお話をうかがいました。
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成功する人は素直な心でチャレンジ旺盛なタイプ
30年間で3万人もの肥満患者を診てきた左藤先生は、ダイエットで成功する人と失敗する人の大きな違いは、メンタルにあることがわかったそう。
「まず、成功する人のメンタルは、大きく3つのポイントがあります。
- 前向き
- 好奇心が旺盛
- 素直
成功する人の傾向として、こちらが医師としてエビデンスにもとづいた方法を提案すると、それに対して『トライしてみよう』というポジティブな気持ちを抱きます。そして、その方法に興味を持って取り組む姿勢があります。
『本当にそれでやせるの?』と疑心暗鬼になったり、『どうせムダじゃない』と投げやりになることも少なく、こちらのアドバイスも素直に受け入れるため、いい結果につながりやすいのです。
それに対して、ダイエットに失敗してしまう人のメンタルは、以下の3タイプの傾向に分けられます。
- 完璧主義
- 専門家よりも身近な人の意見を重視する
- 自己肯定感が低い
ダイエットは長期戦。完璧を求め過ぎると無理が出てしまうこともあります。少しでもうまくいかないことがあると『もうダメだ』と全部あきらめてしまう。そんな完璧主義は自分を苦しめてしまい、ダイエットがなかなかうまくいきません。
また、自分というものがなく、身近な人(いちばん多いのが母親)の意見を信用するというのも、痩せられない人に多いタイプ。医師である私がお伝えする科学的なアプローチよりも、お母さんの経験談やアドバイスを重視するのです。それは、自分の意志が希薄ということでもあります。
そういう人は、自分に対する評価が低い場合がほとんど。最初は太っていることで引け目を感じている状態から、そのうち『その姿が自分には合っている』と考えるようになっていきます。『太っているから周りのみんなに受け入れてもらえる』『太っているのが自分にはふさわしい』と、思考がおかしな方向にいってしまうのです。
周囲の人が、本人にそう思わせているケースもあります。努力してダイエットしているのに、少し痩せると『病気じゃないの?』 とか、『少し太っているくらいのほうがかわいいのに』などと言って、本人の努力に水を差すのです。そうしたひと言が、ダイエット中の本人にとっては、途中であきらめるきっかけにもなってしまいます。
こうしたネガティブな感情から抜け出すには、環境を変えるのがいちばんです。今の狭い人間関係にとらわれず、別の環境に身を置いて、違う世界の人たちと接してみるのです。
それができたら、ダイエット成功までの道のりはそう遠くないはずです。
取材・文/遊佐信子 写真/©naka-fotolia.com