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野菜が苦手な理由は苦みへの感覚が違うから? 背景には遺伝的な理由も

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野菜サラダを食べる女性

健康的な食事に欠かせない野菜。いっぱい食べれば、ビタミンやミネラルなどの栄養素、食物繊維などを効果的にとることができます。ただピーマンやにんじんなど、野菜が苦手で食べることに億劫になる人も。このたび米国の研究グループが、遺伝的に苦みを感じやすい人が、野菜を苦手になる傾向があると報告。健康のため注意するとよいかもしれません。

監修 : 星 良孝 <ステラ・メディックス>

ステラ・メディックス代表取締役社長 獣医師/ジャーナリスト
専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修を担っている。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。YouTubeステラチャンネルでもヘルスケアの話題を発信。
YouTube:https://youtube.com/@stellach

Contents 目次

野菜が苦手なのはどうして?

スーパーの野菜売り場に立つ女性

ピーマンやにんじん、セロリなど、特定の野菜がどうしても苦手という人はいます。パクチーが人気ですが、受けつけないという人もいるでしょう。そんな野菜が苦手になるのは、子どものころの思い出など、人により理由はさまざまあるのかもしれません。ですが、それはもしかすると、遺伝的な理由かも。

米国の研究グループがこのたび食べものの好き嫌いの背景にある遺伝的な特徴について分析。どうやら野菜が好きかどうかの背景には、特定の遺伝的な原因がありそうだと報告したのです。

遺伝の関係を発見

野菜サラダを食べる女性

判明したのは、「TAS2R38」という味に関係する遺伝子の関与です。この遺伝子のタイプは3つの段階に分かれており、苦みの感じ方に差がありました。まず第1段階として、「AVI」と呼ばれるタイプの遺伝子をふたつもつ人の場合、特定の化学物質に対する苦みを感じないことがわかりました。さらに第2段階は「PAV」と呼ばれるタイプの遺伝子をひとつもつ人で、苦みをより感じることがわかりました。第3段階は、「PAV」の遺伝子を2つもつ人で、苦みを特に強く感じることがわかったのです。
「スーパーテイスター」と研究グループは呼んでいますが、苦いチョコレート、コーヒー、ビールなどの苦みをより強く感じるという特徴があると考えられました。こうした遺伝的な感受性の差によって苦みの感じ方が変わってくるようです。

そのうえで、研究グループは175人を対象として、野菜の食べ方を調べたところ、案の定、PAVのタイプの遺伝子をもつ人の場合、野菜をあまり食べない人が多いとわかりました。塩や脂肪、砂糖の食べ方で差はなく、野菜だけ食べ方が違っていました。
要するに、健康によいと考えられている野菜の食べ方に差をつける遺伝子があるわけです。ふだん野菜をあまり食べない人も、「もしかして遺伝子のせいかもしれない」と思えば、苦手な野菜を少し食べてみようかという気になるかもしれません。

<参考文献>

Sensitivity to bitter tastes may be why some people eat fewer vegetables

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