夜の食事は早めにとるとよいというイメージがありますが、睡眠、生体リズム、ホルモンなどの面で遅い食事は「NG」といわれます。美容やダイエット、健康などさまざまな点で、食事の内容ばかりではなく、食事をとる時間も重要と注目されるところ。こうしたなか、さらに遅め夕食がNGとされる根拠がまたひとつ判明。さまざまな問題につながるようなのです。
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遅い食事の影響は…
低炭水化物ダイエットやケトダイエット、地中海食ダイエットなど、何を食べるかがダイエットや美容、健康のために注目されていますが、「食べるタイミング」も同様に関心事になっています。睡眠や生体リズムなどとの関係から、夕食は寝る直前に食べるのはよくないともいわれます。実際のところ違いはあるのでしょうか。
つい先ごろ、米国心臓協会(AHA)開催の学会にて、食べるタイミングの影響を調べた研究結果が報告されました。研究グループは、100人以上の女性を対象に、食事の量ととった時間に加えて、心臓や血管を中心とした健康の状態について調べたのです。研究開始時と1年後にそれぞれ1週間ずつ毎日どんな食べものをどれくらい、何時に食べたかをインターネットを通して調査。そのうえで、(1)たばこを吸っていないか、(2)運動をしているか、(3)ヘルシーな食事をとっているか、(4)体重に気をつけているかの4点に加えて、(5)血圧、(6)コレステロール、(7)血糖値を測定という7項目について調べました。ちなみに、これらは「ライフシンプル7」と呼ばれている健康状態の指標としてAHAが提唱する項目です。
「午後6時以降」が増えるほど、リスクがアップ
そうしてわかったのは、1日の摂取カロリーの多くを午後6時以降にとっていた人ほど、肥満リスクなどがアップするということです。ほとんどの参加者が午後6時以降にある程度の食事をとっていたのですが、1日にとったカロリーのうちの割合として午後6時以降の分が1%増えるごとにリスクにつながるという結果です。具体的にリスクとは、血圧や、肥満の程度を示しているBMIが高くなり、長期的に血糖値も高くなるという変化がみられたのです。さらに、午後8時以降で区切った場合も、1%増えるごとに同じ結果がみられました。
夕食はどうしても重めになりがちですが、できるだけ食事は朝や昼を中心にとるようにしたほうが好ましいよう。夕食のカロリー配分と時間に気をつけることがさらに注目されても不思議ではなさそうです。
<参考文献>
Evening eating linked to poorer heart health for women
https://newsroom.heart.org/news/evening-eating-linked-to-poorer-heart-health-for-women?preview=d63dc8b6dad065463f936b2bbe00c32b
https://www.ahajournals.org/doi/abs/10.1161/circ.140.suppl_1.11503(発表abstract)