体にうれしい働きをしてくれるβ-カロテンの含有量は、野菜の中でもトップクラス。生育には低温が適し、生産地を移動しながら一年中つくられています。日本には、中国を経て17世紀に伝来。短く太い西洋種が主流です。
Contents 目次
栄養素
・ビタミンA など
栄養素のポイント
にんじんのオレンジ色の色素はβ-カロテン。β-カロテンは体内にとり込まれたあと、ビタミンAに変化します。β-カロテンには悪玉コレステロールの酸化を抑える働きがあるほか、免疫力アップにも効果があります。
ポイント
にんじんにはビタミンCの抗酸化作用をなくす酵素が含まれています。にんじん自体のビタミンCばかりでなく、生のままあえたり、まぜたりした野菜のビタミンCにも作用するので要注意。酵素の働きを抑えるには、加熱や、醸造酢やレモン汁などの酸を加えましょう。
旬・産地
一年中出回っていますが、旬は冬。β-カロテンの量が豊富で、濃いオレンジ色をしています。甘みも増して、にんじん本来のおいしさが楽しめます。冬にんじんは千葉県、長崎県がおもな産地です。
選び方
おいしいにんじんの選び方
オレンジ色の鮮やかなものを選びましょう。オレンジ色が濃いにんじんは、β-カロテンが豊富です。また、葉のついていた部分が小さいほど硬い芯の部分が細く、柔らかい証拠です。
保存方法・期間
おいしさをキープする保存のしかた
冷蔵庫は乾燥しているので、ポリ袋に入れて保存します。ただし、水気がつくと傷んでしまうため、袋に水滴がついたら、よくふきとりましょう。気温が低い時期は、キッチンペーパーで包んだものを新聞紙にくるんで冷暗所におけば、一週間から10日間ほどはもちます。芽が伸びる前に食べきりましょう。
下ごしらえのコツ
切り方別おすすめ料理
①せん切り
サラダやスープの具、生春巻き、かき揚げなどに
②みじん切り
炊き込みご飯、スープの浮き実に
③薄切り
いためもの、スープ、汁物に
④厚めに切って型抜き
お鍋の具、煮物に
⑤シャトー
にんじんのグラッセ、ビーフシチューに
⑥拍子切り
いためもの、煮物、スティックサラダに
⑦乱切り
いためもの、煮物、揚げ煮に
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油と一緒に炒める
にんじんに多く含まれるβ-カロテンは油に溶けやすいので、サラダ油やオリーブオイル、バター、生クリームなどと一緒に食べると、吸収率がアップします。また、にんじんのβ-カロテンは熱にも水にも強いので、茹でても失われません。
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にんじんが苦手な人のために
茹でこぼして熱いうちに塩、酢、油で下味をつけ、お好みのドレッシングをかけた温野菜のサラダに。にんじん特有のにおいが薄れ、食べやすくなります。
すりおろしてカレーに入れるのもおすすめです。
レシピ
にんじんのポタージュ
材料
・にんじん:1本(200g)
・たまねぎ:中2/3個(100g)
・サラダ油:大さじ1
・コンソメスープだし:3カップ
・牛乳:2カップ
・バター:大さじ1
・生クリーム:適量
・クルトン:適量
・パセリ(みじん切り):少々
作り方
1. にんじんは厚さ2mmの半月切りにする。たまねぎは縦に2つに切って薄切りにする。
2. 鍋にサラダ油を熱し、たまねぎを中火で透き通るまで炒める。バターとにんじんを加えて2分(油が全体になじみ、オレンジ色に赤みが増すくらいまで)程炒め、スープだしを加える。初めは強火で、煮立ったら弱火にしてふたを少しずらして約40分煮る。
3. 「2」をミキサーにかけてから再び鍋に戻し、牛乳を加える。煮立ったら塩を加えて味をととのえる。
4. 器に盛、生クリームをたらし、クルトン、パセリをのせる。
memo
スープを熱いままミキサーにかけると、熱でふたが飛んでしまうことがあり危険です。あら熱をとってからミキサーにかけてください。
にんじんとタコのサラダ
材料(4人分)
・にんじん:1本(200g)
・タコ:200g
・オリーブ:12個
・にんにく:2片
・オリーブオイル:大さじ1
・塩:1g
・酢:大さじ1
【ドレッシング】
・レモン汁:1/2個分
・コショウ:少々
・オリーブオイル:大さじ1
※オリーブオイルがなければ、サラダ油でも可。
作り方
1. にんじんは5~6cmの長さに切り、放射状に6等分する。茹でこぼし、熱いうちにオリーブオイル、塩、酢をからめて下味をつける。
2. タコは薄切りにし、さっと湯通ししておく。
3. オリーブ、にんにくはみじん切りにし、弱火にしたフライパンで香りが出るまで炒める。
4. 「1」「2」「3」を混ぜ合わせ、食べる直前にドレッシングをまわしかける。
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吸盤の部分が食べにくい方は、みじん切りにしてオリーブ、にんにくと一緒に炒めると気にならなくなります。
韓国風鯛の刺身サラダ
材料(2人分)
・鯛(刺身用):200g
・にんじん:1本(200g)
・きゅうり:1/2本
・セロリ:1/2本
・ねぎ:1本
・パプリカ(黄色ピーマン):1/4個
・松の実 :15g
・とうがらし(糸切り):適量
・しそ:2枚
【タレ】
・しょうゆ:大さじ4
・レモン汁:大さじ3
・ごま油:大さじ1
・すりごま:大さじ2
・ねぎ(みじん切り):大さじ2
・砂糖:小さじ1
・にんにく(すりおろし):小さじ1/2
・粉とうがらし:小さじ2
※粉とうがらしの分量は好みで加減を。これは韓国産のあまり辛くないタイプのときの分量です。
作り方
1. 野菜はそれぞれせん切りにし、冷水に放してパリッとさせる。
2. 松の実は軽く炒っておく。
3. 器に「1」の野菜の水気をよくきって盛りつける。鯛を並べ、松の実をちらし、とうがらし(糸切り)としそをトッピングする。
4. タレを合わせておき、食べる直前にかける。
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