ナッツを食べると健康になるという研究結果が続々と出ています。その最新の情報はどうなっているのでしょうか。このたび国際研究グループが、これまでの研究結果をまとめて分析。ナッツを食べると、心臓や血管の病気のリスクが減り、健康が保たれるという結果を報告しています。そこではダイエットについての分析にも触れています。
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ナッツを食べるとどうなる?
ナッツは健康へのメリットの高さが注目されるだけに、積極的にとり入れたいところ。その秘密のひとつは、不飽和脂肪酸の多さです。また、ビタミンやミネラルなども多く、ポリフェノールも豊富。ただ、ナッツの重さで見ると4~6割は脂肪分で、1~2割程度がたんぱく質。脂肪が多いだけに太るのではとも思ってしまいます。
このたび国際研究グループは、あらためてナッツの健康への効果について過去の研究報告をまとめて分析。その最新の結果を発表しています。ナッツを食べることによっていったいどんな健康効果がこれまでに証明されているのでしょうか。
心血管疾患を防ぐ効果にすぐれている
あらためて確認されたのは、ナッツを食べることで心血管疾患を防ぐ効果が得られるということです。心臓や血管の病気で亡くなるリスクがほぼ2割減るという分析結果が確認されました。より詳しく見ると、こうした病気のなかでも、「心臓発作」や「脳卒中」になる危険性が減り、それぞれの病気によって亡くなる危険性も減ることが示されていました。
さらに、心臓や血管の病気予防につながる変化として実際に見られるのは、病気に関連する検査値の低下です。今回の分析でも、「空腹時血糖値」「総コレステロール」「LDLコレステロール」を減らしてくれることが確認されました。一方で体重を減らす効果や血圧を減らす効果は確認できず、ナッツを食べることでダイエットにはつながらない可能性も示されました。ただし、ナッツに含まれる脂肪の多さは心配ですが、体重を増やしてしまうわけでもないようです。
最新の情報をあらためて確認すると、やはりナッツの効果はあなどれないもの。小腹が空いたり、口寂しく感じたりしたときは、ジャンクフードやスナック菓子などに手を出すのではなく、ナッツを口にするのがよいかもしれません。
<参考文献>
Int J Environ Res Public Health. 2019 Dec 6;16(24). pii: E4957. doi: 10.3390/ijerph16244957.
https://www.mdpi.com/1660-4601/16/24/4957/htm
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31817639