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ダイエットは食べる内容や運動が大切というのは当たり前ですが、このところ注目されるのが腸活。プロバイオティクスやプレバイオティクスといった腸内環境を整える食事をとることで腸内細菌の内容が変化し、ダイエットにも関係してくるとわかってきています。このたびある研究で新たな発見がありました。
腸の状態がダイエットと関係?
体重を減らすカギが、食事と腸内細菌だと注目されています。健康によい影響をもつ腸内細菌は「プロバイオティクス」と呼ばれ、ヨーグルトなどから摂取されています。そんな健康によい腸内細菌を増やす食品も「プレバイオティクス」と呼ばれ重宝されています。ただ、そうはいってもまだまだ謎が多く、どのような腸内細菌が体重の増加につながり、また逆に体重の減少につながるのか完全には解明されていません。
こうしたなか、最近、食物繊維や炭水化物の多い食事をとると増える「プレボテラ」と呼ばれる細菌の仲間が体重の減少に関係していることが、研究から明らかになってきたそう。一方、体の調子が健康なときはおとなしいが、不調になったりすると腸で悪い働きをしてしまう「バクテロイデス」と呼ばれる細菌の仲間は、欧米のような脂肪の多い食事をとっていると増えることもわかっています。
デンマークの研究グループは、プレボテラを含めた腸内細菌の体重への影響を分析。腸内細菌や食事の内容などが体重にどのように影響するかを調べました。対象となったのは健康であるものの肥満傾向のある男女46人。食物繊維の多い全粒粉がメインの食事、食物繊維の少ない精製された穀物がメインの食事をそれぞれとっている場合の違いも比べました。
プレボテラが多いと体重が減る
その結果、わかったのは、腸内細菌にプレボテラの仲間が多く見られる人は太りにくいということです。こうしたダイエットに関連した効果は、食事の内容によっても影響を受け、食物繊維の多い全粒粉を食べると、体重が減る効果はさらに高まりました。食物繊維を多く摂取すると体重は増えづらくなるのですが、その効果を底上げしてくれる可能性もあったのです。
ダイエットを考えるときに、食事内容も大切ですが、腸内細菌の内容も重要といえそうです。体重が気になるという人は、プロバイオティクスやプレバイオティクスにも気を配るとよいかもしれません。
<参考文献>
The key to weight-loss may be in the gut
https://nutrition.org/the-key-to-weight-loss-may-be-in-the-gut/
J Nutr. 2019 Dec 1;149(12):2174-2181. doi: 10.1093/jn/nxz198.
https://academic.oup.com/jn/article-abstract/149/12/2174/5556053?redirectedFrom=fulltext
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31504699
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星 良孝 <ステラ・メディックス>
ステラ・メディックス代表取締役社長/編集者 獣医師 専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修をサポートしている。代表取締役の星良孝は、東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。https://stellamedix.jp
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