フィットネスに取り組むことで、「体脂肪」を減らすことが可能ですが、さらにその効果は肝臓にたまってしまう脂肪にも及びます。このたび米国の研究グループが、エクササイズのときに一緒にある飲み物を飲むことでこの肝臓にたまった脂肪をより落としやすくできると報告しました。動物実験の段階ではありますが、ふだんのエクサイズの効果を考えるひとつのヒントになるかもしれません。
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体に蓄積したイヤな脂肪
体につく脂肪には皮下脂肪や内臓脂肪などがあります。たとえば、お酒をあまり飲んでいないのに肝臓に脂肪がたまってしまう「非アルコール性脂肪肝」も脂肪による体のトラブルのひとつ。フィットネスに取り組むことで、体の脂肪を全体的に落とすことになりますが、こうした肝臓にたまったイヤな脂肪も減らすことが可能であるようです。ふだんはあまり意識しないかもしれませんが、無視できないところといえそうです。
今回、米国ペンシルベニア州立大学の研究グループが栄養学の専門誌でこの肝臓の脂肪への運動の効果に注目した研究を報告しました。動物実験によって、運動と緑茶エキス(カフェインレス)が肝臓の脂肪蓄積に与える効果を調べたものです。マウスに好きに運動させた場合のほか、緑茶エキスを与えた場合、運動させつつ一緒に緑茶エキスも与えた場合の3パターンで条件を変えて、何もしなかった場合で見られる効果と比べました。
「運動だけ」「緑茶だけ」の場合より効果アップ
そうしてわかったのは、運動させて緑茶エキスも与えたネズミは、何もしなかったネズミに比べて、肝臓にたまる脂肪が75%も少なかったということです。「運動だけ」「緑茶エキスだけ」のネズミも、肝臓にたまった脂肪が減りましたが、何もしなかったネズミのおよそ半分にとどまりました。便中に排せつされる脂肪も同様に減っていました。
これが運動と緑茶エキスの相乗効果なのか、あるいは両方の効果が重なっただけなのかはわかっていませんが、運動に緑茶を組み合わせるとよさそうな結果です。もっとも研究グループによると、まだ人間を対象とした臨床試験で確認されたわけではないので、人間でも同じような結果になるのかはわからないところもあります。とはいえ、日ごろのエクササイズのときに一緒に高カロリーの飲み物をとっている人がいるとしたら、カフェインレスの緑茶に変えてみてはどうかと研究グループは提案。ふだんの水分補給で参考にしてもいいかもしれません。
<参考文献>
J Nutr Biochem. 2020 Feb;76:108262. doi: 10.1016/j.jnutbio.2019.108262. Epub 2019 Oct 27.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0955286319307120?via%3Dihub
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31759197
Green tea extract combined with exercise reduces fatty liver disease in mice
https://news.psu.edu/story/608167/2020/02/13/research/green-tea-extract-combined-exercise-reduces-fatty-liver-disease