ダイエット中に起こりがちな「残すのもったいないから食べよう」という考え方。それを言い訳に食べてしまうのには心理的な理由があるのだとか! 痩身研究家の清崎汐里さんに、つい食べてしまうときのメンタルについて教えていただきました。
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「もったいない」という心理はダイエット中は危険
突然ですが、こんな経験ありませんか?
「すでにお腹いっぱいだけど、残っている食べ物がもったいないから無理して食べちゃおう」と。
たしかに「せっかく頼んだし、残したら悪いな…」とか「支払ったお金がもったいない」という気持ちになると、つい無理して食べてしまいますよね。実はこの時『コンコルド効果』という心理状態が働いてしまっている影響で、人は、つい無理して食べてしまいがちなんです。
コンコルド効果とは・・・ある対象への金銭的・時間的・精神的投資をし続けることが損失になることに気づきつつも、それまでの投資を惜しんで途中でなかなかやめられない状態のことを表します。これは昔流行った超音波旅客機のコンコルドから名付けられています。
コンコルドの開発は世界的にとても注目されていました。しかし、開発が進んでいく途中に大幅な赤字が発生することが判明しました。今すぐ開発を止めれば、大きな損失を負わなくて済む…でも途中でやめてしまったら今までの労力やコストが無駄になってしまう。結果、コンコルドを完成させましたが、やはり大赤字となり、今では就航を終了してしまっています。
つまりダイエット中に置き換えて考えるなら、「もったいないから残さず食べなきゃ」と言った損失を惜しむ気持ちで食べてしまい、結局後悔することになります。また、食べ物を残すというデメリットも発生してしまいす。
そこで、自分の適量を知っておくことや、あらかじめ少なく盛ってもらう、シェアするなどの工夫が必要になります。さらにもう1つ、損失を認めたくないという『認知的不協和』という心理状態にも気をつけないといけません。
自分の中での矛盾を理由に無理して食べてしまう心理もある
『認知的不協和』とは・・・自分の中で矛盾した考えが生じた結果、自分の本来の行動や態度を変えてしまうことを表します。最初の例を使って説明すると「お腹はすでにいっぱいになってるけど、まだお皿に食べ物が残ってるな…」でも「今はダイエット中だし、無理して食べたくないな」といった自分の考えと事実が反するストレスが生じ、認知的不協和が起きます。そして「今夜食べる量を減らせばいいや!今はすべて食べてしまおう」と決める。つまりダイエット中なのに無理して食べる行動に変更してしまうんです。
この考え方をする人は、自分の都合の良いように考えやすいタイプとも言えます。都合良く考えることは時として必要ですが、ダイエット中にいつもこのような考え方をしていたら、なかなかやせられませんので気をつけてみてください。
ちなみに、これらの心理状態を利用したと考えられる商品が世の中にはたくさんあります。例えば課金ゲームやギャンブルなどです。やめられない心理に支配され、身の回りの戦略に振り回されないよう普段から自分のルールをつくってみてはいかがでしょうか?