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「リセットストレッチ」で座り疲れを解消! 首こり・肩こりに効果的なポーズ4選
隠れ家的パーソナルトレーニングジム「STUDIO Apro.(スタジオアプロ)」主宰のKAORUさん。日中、長時間パソコンやスマホを使う人は、巻き肩になりやすいので、リセットストレッチを朝や寝る前など、毎日の習慣にすることで姿勢が改善されるばかりか、首や肩周りのこりがとれてスッキリとした印象になれますよ。肩こりを解消しながら、上半身のボディラインも整えていきましょう。
Contents 目次
テニスボールを使ったリリースで、肩や鎖骨周りをほぐす!
スマホやPCを日常的に使う生活で、現代人ほとんどの人が猫背になっています。姿勢が悪いと自覚している人も少なくないようですが、どこから矯正していけばいいのか悩むもの。
KAORUさんによれば、姿勢矯正のためにまず始めたいのが、肩と鎖骨周りの「筋肉ほぐし」=「リリース」です。
「ピンとした姿勢に関わるのはどこだと思いますか? それは体の支柱となる背骨ですよね。そして背骨の動きと深く関わるのが肩関節や肩甲骨です。とりわけ猫背の人は肩甲骨と密接な関係を持つ、肩関節や鎖骨周りの筋肉がかたくなっています。試しにテニスボールを当てて転がしてみてください。痛みを感じませんか? それはこっている証拠。まずはこの部分をほぐすことから始めましょう。この部分のかたさがとれると肩甲骨の可動域が広がり、巻き肩が改善し、姿勢がグンとよくなりますよ」
<テニスボールを使ったリリース>
<1>肩の側面をテニスボールでほぐす
巻き肩を改善するには、肩関節に関わる「三角筋」をほぐします。左肩の骨の横、骨のすぐ下 5cmくらい下がったところから、ひじの上あたりまでテニスボールを10~15往復転がします。反対側も同様に行いましょう。
<2>鎖骨周りをテニスボールでほぐす
巻き肩の人は、前側もこっています。鎖骨周りの筋肉がこりかたまっているので、ここもテニスボールでほぐしましょう。右手にテニスボールを持ち、鎖骨下あたりをなぞるようにテニスボールを転がし、10~15往復。反対側も同様に行いましょう。ここをほぐすことで、縮まっていた胸筋がやわらかくなり、胸をピンと張れるようになります。
イスを使ったキャットストレッチ
「巻き肩の原因となっている肩や鎖骨周りのこりをほぐしたら、背骨回りの筋肉を伸ばすストレッチを加えましょう。背骨や肩甲骨の動きがなめらかになり、とくに上半身の姿勢がよくなります」
イスから少し離れてひざ立ちになったら上体を前に倒し、写真のようにひじをイスの座面に乗せます。両腕は頭につけて、手のひらを頭の上で合わせましょう。軽く脱力したら、この姿勢を20秒キープ。重力により上体が自然と沈むと同時に、腕~背中が伸び、丸まっていた胸が自然と開くのを感じましょう。
<これはNG>
腕や肩に体を預けすぎると、首がすくんで、肩が上がり、背骨がきちんと伸びません。
床で行うキャットストレッチ
イスを使わずに、ストレッチする方法もあります。
<1>
腕は肩幅、脚は骨盤幅に開き、両ひざと両手を床につきます。指の先は体側に向けましょう。
<2>
息をゆっくり吐きながらお腹を引き上げ、背骨を丸めます。目線はおへそのほうに向けましょう。
<3>
息を吸いながら、背骨を1本ずつ伸ばすつもりで、背中を自然に反らせます。背中と同時にお腹の伸びを感じましょう。1~3を3~5回くり返します。
あこがれの小顔に!首周りの「リセットストレッチ」
「顔が大きく見える原因のひとつに考えられるのが、首の筋肉のかたさです。顔と体をつなぐ中継部分である首がかたいと、フェイスラインがもたついてきます」
その首周りの要となる筋肉が「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」です。
これは顔を横に向けたときに浮き上がってくる筋肉で、顔と頭と体をつなぐ役割があります。
「首が伸びていないということは、首に詰まりがあるということ。まずは首の筋肉の起点である肩甲骨の内側をテニスボールでほぐしてあげましょう。ここを伸ばし、首にある胸鎖乳突筋が伸びてやわらかくなれば、顔周りの巡りがよくなり、フェイスラインがすっきりしてきますよ」
<テニスボールを使ったリリース>
ほぐすのは肩甲骨の内側。肩こりの人が、自分で肩をもむ際にちょうど手を当てる部分です。左右の肩甲骨の内側にテニスボールを10回ほど転がして、この部分のこりをほぐしましょう。ここは、首の骨と肩甲骨をつなぐ肩甲挙筋(けんこうきょきん)の起点となる部分。ここがほぐれると、首が伸びやすくなります。
首のストレッチで、ほおからあごのラインまですっきり!
首が伸びやすくなったところで、首周りのストレッチを加え、顔にたまった詰まりを流しましょう。
<1>
床にあぐらをかいて座り、首を左に軽く傾けたら、頭上から左腕を回し、右手で右耳を持ちます。左腕は自然に伸ばしておきます。
首を傾けて耳を持つと、腕で引っ張らなくても、重力で自然と胸鎖乳突筋が伸びてきますよ。
<2>
右の首の伸びを感じながら、肩の上げ下げを5回くり返しましょう。
<3>
つぎにあごを上に向けます。あごが上がりづらい人は指でサポートしてもOKです。
<4>
上にあげたあごを、上→中→下と弧を描くようにしながら、なめからに動かします。反対側も同様に行いましょう。胸鎖乳突筋が伸びて、顔にたまっていた老廃物が流れやすくなりますよ。
ツラい肩こりをオフ! 立ち姿も美しくなる「リセットストレッチ」
多くの人が悩まされている肩こり。もはや現代病と言っても過言ではありません。
肩こりの原因は、生活習慣、冷え、ストレスなど、複合的にからみ合っていますが、特に気をつけたいのが猫背、前肩などの姿勢の悪さです。
「肩こりを自覚している人は、肩や肩甲骨の位置を鏡で観察してみてください。肩が前に出て上がっていませんか? 肩甲骨は開いて骨が埋もれていませんか? それは肩甲骨を支える筋肉がかたくなっている証拠です。こりをほぐそうと、肩だけをもんでも効果的ではありません。まずは、肩甲骨の動きと連動する、ろっ骨周りの筋肉をほぐすことから始めましょう。上体が伸びやすくなり、悪い姿勢が改善されますよ」
<テニスボールを使ったリリース>
肩甲骨をかためてしまっているのは、肩甲骨周りの筋肉だけではありません。肩甲骨と連動するろっ骨のこりにも注目しましょう。
床にあぐらをかいて座ります。左手を上げ、手のひらを頭の後ろに置き、背すじを自然に伸ばします。右手にテニスボールを持ち、左のろっ骨周辺に転がし、筋肉のこりを和らげます。約30秒~1分。反対側も同様に。
肩こりがひどい人は、ここにボールを当てただけでも痛いもの。ただし、ろっ骨は折れやすいので、あまり強く押さないようにしましょう(床にボールを置き、寝転がって刺激を与えることはしないでください)。
ストレッチで、肩甲骨周りの筋肉を柔軟にする
肩や首のまわりには、重い頭を支える僧帽筋(そうぼうきん)や肩甲挙筋(けんこううきょきん)、菱形筋(りょうけいきん)といった筋肉がありますが、これらはすべて肩甲骨の動きに関わるものです。肩こりの人は、この部分の柔軟性を失っています。
リリースのあとは、KAORUさん考案の「側屈ヘリコプターストレッチ」でまるごと伸ばしていきましょう。
<1>
骨盤を立てるようにして床に座り、脚を左右に開き(できるところまで。ムリに開かないでOK)、左ひざを曲げます。伸ばした脚のつま先は上に向け、ひざ裏を床につけましょう。
<2>
右手で左の足をつかみ、左腕を背中に回します。
<3>
右手を右脚にすべらせながら上体をねじり、胸を上に向けます。目線は斜め上にし、胸と背中が伸びているのを感じましょう。
<4>
つぎの上体を右に倒し、左の体側を伸ばします。目線は下に向けましょう。
<5>
ヘリコプターのイメージで、腕をグルグル大きく回します。前回しと後ろ回しを各10回ほど行います。肩甲骨周りの筋肉がほぐれる気持ちよさを感じましょう。
姿勢が悪く、肩こりがある人は、顔回りに老廃物がたまり、フェイスラインがもたつきやすいもの。さらに、あごが前に出なくなるので、二重あごも改善されるなどうれしいこともあるようです。
この「リセットストレッチ」で、首こり・肩こり解消だけでなく、同時に小顔も目指してくださいね!
撮影/徳永 徹 ヘア&メイク/辻元俊介(ラ・ドンナ) 取材・文/平川 恵