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40代がいちばん健康!トレイルランナー植木香さんの免疫力アップの生活習慣 ♯アス女飯

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トレイルランナー植木さん

アスリート女子。彼女たちは栄養素をバランスよく摂取しながら、食事量をうまく調整して体づくりを行い、競技に臨んでいます。そんなアス女の皆さんに健康的な食生活を送る秘訣を教えていただこうという企画『アス女飯』。第7弾は前回に続いて、トレイルランナー・植木香選手の後編です。植木さんが免疫力をアップさせるために意識している生活習慣を中心にご紹介していきます!

監修 : 青柳 愛

フリーアナウンサー。野菜ソムリエ、日本スポーツコーチ&トレーナー協会JASCATスポーツ栄養アドバイザー。日本テレビ系列静岡第一テレビ時代に農業番組を担当したことから「食」に興味を持ち、フリーアナウンサーに転身後は、イベント司会業、アナウンス業を行いながら、スポーツ取材の経験を活かしスポーツ栄養を専門としたライター・アドバイザーとしても活動中。著書『監督たちの高校サッカー』(東洋館出版)。
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Contents 目次

免疫力を高めるために意識している生活習慣

トレイルランナー植木さん

この時期、人と会うことを控えている…自由に外出できない人も多いはずです。
でも、ちょっとした意識で前向きに、健康的に生活することができます。
少しでもFYTTE読者の皆さまの心と体の健康のための一助となれば幸いです。

第7弾・トレイルランナー・植木香選手の前半の記事はこちら。
わずか5年で健康アスリートへ! 人生を変えたトレイルランナー植木香さんの行動力とは? ♯アス女飯

朝のトレーニングで1日の基礎代謝を上げる

トレイルランニングの「トレイル」とは舗装されていない道のことを言います。つまり、未舗装の道を走ったり、歩いたりしたりするスポーツアクティビティのことをトレイルランニングと言います。(以下略称:トレイルラン)

きれいな空気、美しい景色、木々に囲まれながら走る競技を続けている植木さんだからこそ、トレーニングにおいても意識していることがあるそうです。

「朝は外に出てトレーニングをしています。早朝は人との接触が少ないので、自然の音が聞こえやすいんですよ。トレイルランの魅力は“自然を心と体で楽しむこと”。都会でも早朝なら自然の音が聞きやすいです。ほどよい雨だったら元気に外に飛び出てトレーニングします! 雨音を聞きながら走ると心が落ち着くのです」(植木さん)

確かに早朝の人が少ない中で自然の音を楽しみながら汗を流すのもよいかもしれませんね。それでは、植木さんは自宅ではどのようなトレーニングを行なっているのでしょうか?

「ほぼヨガマット一枚分のスペースでできることをやっています。プランク(うつ伏せになった状態で前腕とひじ、つま先を床につき体を一直線に浮かせるエクササイズ)など体幹を意識したメニューを多くとり入れています。脚に負担をかけずにランニングするためには体幹が鍛えられた上半身が必要です。体幹を意識してから基礎体温も上がり、代謝アップにもつながりました」(植木さん)

若いころ、冷え症で手足だけでなく腰からお尻にかけても冷たかったという植木さんですが、体幹強化を意識し始めて2年ほどで、基礎体温が上がったそうです。
朝から体を動かして1日の基礎代謝量(内臓機能を自然に動かすために消費されるエネルギー)を上げてからスタートするように心がけています。

ガーミン社の時計

夕飯から就寝までのタイムスケジュール

朝はトレーニングに最適だと語る植木さんですが、伺ってみると夕方以降の過ごし方にもこだわりがありました。

「子どもがいるので毎日徹底できているわけではありませんが、良質な睡眠をとるために夕食は就寝の3時間前までに、お風呂は就寝の1時間前までに、21時半~22時までには布団に入るようにしています。子どもが成長してからは22時前になると『もうお母さん寝ちゃうね!』と言ってクローズしちゃうこともありますよ(笑)」(植木さん)

ガーミン社の時計(心拍数変動を計測し、加速度計と合わせることで入眠時間、起床時間と睡眠レベルを測定できるもの)で毎日睡眠もチェックし、計測してきた中でこのタイムスケジュールがベストだったとか。

「いつ食事をするのか。いつトレーニングをするのか。いつ睡眠をとるのかをとても意識しています。これを意識すると体の回復力が全然違います! 最適なものを最適な時間帯にとることを意識して生活しています」(植木さん)

朝に欠かせない「アス女飯」

車もガソリンがないと動かないように、朝は食事をしっかりとって人間の体もエンジンを作ってあげたほうがよい! と考えるのが植木さん流。質のいい運動をするためには、食事をして1時間ほどしてからトレーニングを始めるそうです。
今回は、アスリートフードマイスターでもある植木さんに朝食におすすめレシピを2品ご紹介いただきました。

まろやか粕汁

【まろやか粕汁】

<材料(2人分)>
・酒粕 60g(お好みで足して可)
・豚肉の細切れ 50g
・玉ねぎ 1/3個
・にんじん  1/4本
・油揚げ 1/2枚
・ゆでたほうれん草 2束
・水  350ml
・顆粒和風だし
・みそ 30g

<作り方>
1.酒粕はあらかじめ、分量の3倍ほどのお湯で溶いておく。粒が残る程度で可。

2.豚肉はひと口大に切り、余分な油分を落とすためにフライパンで火を通しておく。

3.玉ねぎは繊維にそって薄切り、にんじんは短冊切り、油揚げはひと口大、ゆでたほうれん草は根もとをそろえて3㎝幅に切っておく。

4.鍋に水、顆粒和風だしを入れ中火で加熱してだし汁を作る。

5.温まっただし汁ににんじん、玉ねぎ、油揚げ、豚肉を加え加熱し15分ほど煮込んで火が通ったらみそとほうれん草を加える。

6.最後に(1)で溶いた酒粕を加え沸騰寸前で火を止めて完成。

酒粕はうまみ成分の宝庫でお野菜やお肉のおいしさを引き出し、アスリートに必要なアミノ酸が豊富にとれます。疲れた体を早く回復させたい、きれいな体を作りたい、そんな人にぴったり。お肉をプラスすることで、たんぱく質がアミノ酸に分解されてより体内に吸収しやすい形になります。季節によってはかぼちゃ、じゃがいも、かぶなどを加えて具だくさん野菜の粕汁にしてもいいですね。

甘酒フルーツスムージー

続いてご紹介するのは、ジョギングから帰ってきて30分以内にプロテイン代わりに飲んでいるというスムージーをご紹介します。

【甘酒フルーツスムージー】

<材料(1人分)>
・いちご  5粒~6粒 または キウイ 1/2個
・バナナ  1本
※いちごとキウイは両方使っても可。今回はキウイとバナナを使用。

(A)
・甘酒   50cc
・豆乳   50cc
※甘酒と豆乳はお好みで調整

1.ミキサーにいちご(またはキウイ)にバナナなどの果物を入れる。
2.(1)に(A)を入れてミキサーで混ぜてでき上がり。

運動後に飲むのもがおすすめですが、食欲がないときに飲むと、内臓機能が働いておいしく食事がとれます。ストックしておいて小腹が空いたときや朝食にとり入れるのもよいそうです。ぜひ、お試しください。

常に挑戦しながら楽しく生きることを選択していきたい

2020年1月、植木さんは初めて香港で海外レースを経験しました。
香港にはアジアでもトレイルレースとしても有数の山があり、これまでにないレースを経験したそうです。香港でのレースを挑戦し終えて、今後の抱負をこのように語ってくださいました。

「高揚感、山の規模が全然違いましたね。トレイルレースにはウルトラトレイルワールドツアーといって、選びぬかれたレースが世界中にあり、もっと海外レースへ挑戦したいと思っていました。そんなとき、新型コロナウイルスによって世界中大惨事となり、今はとても海外で競技できる状況にあるとは言えません。当たり前と思っていた日常が当たり前ではないという厳しい現実の中で、競技者としてもう一度自分を見つめる時期にいます。

先ほどもお話ましたが、雨の日も考え方次第でトレーニング日和になります。いつか、またガッツポーズをして気持ちよくゴールする日を脳裏に描きながら、地道に体作りや山岳における安全知識を学び直しておこうと思います。どんなときも、楽しさを見出す力に変える! それが私の人生のテーマです。どんなことがあっても、この考え方は変わらないと思いますし、変わらずにいたいです」

植木さんから、努力で変えられることは、とことん楽しみながら突き進む果てしないエネルギーを感じました。

「ずっと雨の日が続くわけではないから、雨の日を楽しんで過ごす」
その精神こそが、40歳からたった5年間でトレイルランナーとして活躍され、今に至ったのだと思いました。

苦しいときも笑顔に変えて。
晴れやかな晴天の日が戻って来ることを信じて、前を向いて過ごしたいものですね。

【取材協力】植木 香選手
TRACK TOKYO ランニンググラブ ランニングインストラクター
走歴5年。2015年に初フルマラソンを5時間で完走し2016年にはサブ4達成、2018年にはサブ3.5を達成。2018年・2019年はハセツネ30Kにて年代別入賞、2018年からSTYやUTMFに挑戦し2020年はVibram Hong Kong 100を完走。
現在は得意な料理を活かしアスリートフードマイスターとして食のアドバイスができるランニングインストラクターをしている。選手としても挑戦中!

 

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